えいちゃん(さかい きよたか)

えいちゃんのぶろぐ

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アグニエシュカ・ホランド監督の『人間の境界』を見ました。原題は「緑の国境(Green Border)」。ポーランドとベラルーシの国境線を行きかう難民の過酷な行程を追った物語でした。ベラルーシからポーランドに国境を越えれば、ベラルーシに鉄条網を越えて、おし返され、ベラルーシでは、またポーランドに返され、ただ人として生きようとしていた人たちが、ぼろぼろになるまで傷つけられ、亡くなっていく子どもすらいるという、過酷な世界の現実を突きつけられたような気がしました。難民にもいろんな人がいます。アフガニスタンの人、トルコのクルド人、シリアの内戦を逃れた人、アフリカの人、などなど。難民以外に、人権のために身をていする活動家、国境を警備する兵士、警備兵のカウンセリングをする精神科の医師、それらの複眼の視点で物語は進んでいき、モノクロの画面から目が離せません。ぼくの大好きなポーランドの巨匠であるアンジェイ・ワイダ監督のいくつかの映画(『地下水道』や『鉄の男』など)をぼくはいつしか思い出していました。後日談として、ヨロッパに横たわる人種差別、肌の色による差別、民族差別が暗示されます。国家が暴力でもって人をなぶりものにし、隔てるこの世界の現実にいつ変化は訪れるのだろう?

映画『人間の境界』公式
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月川翔監督の『ディア・ファミリー』を見ました。大泉洋さんが主演の町工場の社長の役をし、菅野美穂さんがその妻を演じております。見ているうちに映画の中の夫と妻と福本莉子さん、河栄李奈さん、新井美羽さんの三人の娘が本当の家族に見えてきます。心臓のカテーテルにこんな開発の話があるのなんて知りませんでした。実話をもとにしたフィクションということです。町工場で開発され、製造されたカテーテルによって、その後、世界で17万人の人の命を救うこととなる。もの作りの国、日本の小さな町工場と家庭を舞台にした物語で、家族への愛が普遍への愛にまでなっていきます。感動しました。

映画『ディア・ファミリー』公式サイト
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新宿末廣亭令和六年六月中席昼の部に参りました。

末廣亭に行く前にベルグに寄り、ソーセージを食べながら、白ワインをひっかけるのがぼくの定番。

末廣亭で見た演目を書き出してみます。前座の春風亭昇ちくくんの「弥次郎」、二つ目の桂鷹治くんの「スライダー課長」、春風亭昇々師匠の「指定校推薦」、鏡味味千代師匠の大神楽、三遊亭愛楽師匠の「寿限無」、笑福亭里光師匠の「手水廻し」、国分健二さんの漫談、滝川鯉朝師匠の「夏どろ」、桂右團次師匠の「金明竹」、林家今丸師匠の紙切り、桂信治師匠の「あくび指南」、笑福亭鶴光師匠の「西行鼓ヶ滝」で仲入りです。十代目桂文治についての座談会があり、ナオユキさんの漫談、桂米二師匠の「代書屋」、柳家蝠丸師匠の「山号寺号」、D51のコント、主任の桂文治師匠の「禁酒番屋」。

とても印象に残ったのをいくつか。滝川鯉朝師匠の「夏どろ」では、泥棒もいい人で微笑ましい。笑福亭鶴光師匠の「西行鼓ヶ滝」。笑福亭鶴光師匠の古典落語にして人情噺を、初めて聴きました。笑いのつぼを知りつくした鶴光師匠の噺は面白い。桂文治師匠の「禁酒番屋」を聴きながら、笑って、笑って、江戸の世っていうのは、それほど武士が威張っていなかったのかもしれないなどと思います。

その後、中村屋でカレーを食べて、初めて食べる中村屋のカレーがとても美味しい。中村屋の創業者はインド独立の父にして、日本に亡命したラス・ヒバリ・ボースにカレーを教わったという。頭山満率いる福岡の右翼の政治結社、玄洋社が命を助けたアジアの革命家、民族独立の運動家が四人いて、一人は中国の孫文で、一人はラス・ヒバリ・ボース、一人はベトナムのファン・ボイ・チャウ、一人は朝鮮の金玉均でありました。おっと脱線してしまった。

やはり、今日の寄席もパラダイスでした。
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最近できた喜楽里別邸・横浜青葉店に行ってみました。岩盤浴というのもあって、初めて経験してみました。サウナとういのは苦手で、こういうのは自分には合わないらしいと思い敬遠していたのだけれど、500円の追加料金を払い、「温熱房」と名付けられたコーナーに、それ専用の速乾性の服を着て入ってみました。暑い部屋に入り、たくさんの汗をかき、冷たい部屋に入り、体を冷やし、普通の温度のリラクシングルームで寝そべり、うたた寝します。がぶがぶと水を飲みながらの、この繰り返しが気持ちよかったです。後で調べるとサウナな80℃以上になるのだけど、岩盤浴はあがってせいぜい50℃ぐらいだそうで、体の芯からあたたまり、出てくる汗も、サウナの汗腺からの汗ではなくて、皮脂腺からの汗で、質が違い、デトックス効果も高いそうです。(まわしのか?)サウナが苦手の方もいかがでしょう?
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横須賀美術館に『驚異の細密表現展―江戸・明治の工芸から現代アートまで―』と『鈴木敏夫とジブリ展』を見に行きました。

『驚異の細密表現展』は洋画や工芸品ではなく、竹内栖鳳の「狐」や小茂田青樹の「虫魚画巻」などの明治以降の日本画がよかったように思う。ついに、ぼくにも審美眼が身に付いてきたのだろうか? いいや、ただ生きものの可愛らしさに惹かれたというだけのような気もします。滝藤萬次郎の陶磁器の「色絵花鳥文大花瓶」などは柳宗悦の解く民芸とはまったく違った美なのです。分かりやすく、面白い。

『鈴木敏夫とジブリ展』は戦後の昭和、平成、令和の日本がそのままというような展覧会でした。平日の昼だというのにたくさんの人で、友だち同士で来ている人らは、嬉々として、昔ばなしか何かのおしゃべりをしている。子どもづればかりと予想していたのだが、大人が多く、女の人も多い。ジブリの映画って女子が主人公の名作も多いように思い出す。鈴木敏夫さんは、宮崎駿さんが年の離れた兄で、高畑勲さんがさらに年の離れた大兄のような歳の戦後生まれであった。1970年の学生運動の高揚にもろにかぶっている。慶應義塾大学の無党派の全共闘のリーダー的存在だったのだけれど、正式に組織に入らないかといわれ、この運動は、こんなおじさんから指図されて動いているのかと思い、運動から身を引いていったそうだ。その後、何年間もバイト生活をし、ある時、友だちから、バイトに逃避して人生を生きなくていいのかといわれ、たまたま徳間書店に受かり、入社して、宮崎駿さんや高畑勲さんに出会う。その後の活躍は御存じの通り、名映画に後ろにそれを支える名プロデューサーありで、それが鈴木敏夫さんであった。鈴木敏夫さんの膨大な蔵書も展示されてあって、それにも驚く。これから何かクリエイティブなことをしたいと思っている若い人にもお勧めのこの展覧会は予約が必要で、6月18日(火)まで開催中です。

その後、谷内六郎館にも入り、『足もとに目をむけると』展に癒されました。
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町田市立国際版画美術館で『幻想のフラヌールー版画家たちの夢・現・幻』展を見ました。美術評論家の相馬俊樹さんが企画協力をしておられるこの展覧会のタイトルにある「フラヌール」とは「遊歩者」という意味らしい。おいらのことかい?

はるか昔の高校生のころ、マルキド・サド、ジョルジュ・バタイユ、ジャン・コクトー、澁澤龍彦らの小説などをよく読んでいたのを思い出しました。いつか再読したい。ジャン・コクトーは短編映画もシュールな傑作でした。小説で特に澁澤龍彦の『高丘親王航海記』はまごうことなき傑作です。

このような展覧会に足をはこんだぼくは、今夜は何か奇っ怪な夢を見るでしょう。それもよし。
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浅草演芸ホール令和六年六月中席昼の部に参りました。

見た演目です。前座の柳亭市助くんの「子ほめ」、二つ目の柳家小はぜくんの「平林」、三遊亭わん丈師匠の漫談、柳家小春師匠の三味線を弾いての粋曲、古今亭文菊師匠の「色事根問」、三遊亭萬都師匠の「初天神」、ロケット団の漫才、隅田川馬石師匠の「たらちね」、林家三平師匠の漫談で一回目の仲入りとなりました。ダーク広松さんのマジック、鈴々舎馬風師匠の漫談、柳家はん治師匠の「妻の旅行」、にゃん子さんと金魚さんの漫才、三遊亭圓歌師匠の「やかん工事中」、柳亭一馬師匠の「親子酒」で二回目の仲入りとなります。柳亭こみち師匠の「猿後家」、翁家社中の曲芸、林家正蔵師匠の「お菊の皿」、林家さん喬師匠の「そば清め」、立花家橘之助師匠の三味線を持った浮世節、主任は柳家三三師匠の「転宅」でした。

特に印象に残った演目が四つ。古今亭文菊師匠の「色事根問」。古今亭文菊師匠は好きです。中腰で変ななんば歩きみたいなのをして登場するところから、来た来たと思って、ぼくはクスクス笑いです。噺も分かりやすく面白く、笑ってしまうのです。にゃん子さんと金魚さんの漫才は暑苦しくも大爆笑。この前に見た時と同じく、お客さんからのバナナの差し入れがありました。林家正蔵師匠の「お菊の皿」は夏の定番の噺で、林家正蔵師匠にはいつも正統な落語を聴いた感じで満喫してしまいます。正蔵師匠は口座からぼくの方をチラチラ見ている気がしたのは気のせいか? ついに顔を覚えられましたかな? 主任の柳家三三師匠の「転宅」。都知事選をからめたみどりのばばあへの皮肉まじりの枕から絶妙に本題に入り、「転宅」の気持ちのいい風の吹く江戸の女たちのたくましさに感じ入りました。

寄席はパラダイス。
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プロフィール
HN:
えいちゃん
性別:
男性
職業:
S.E.
趣味:
音楽
自己紹介:
音楽を演奏したり聴いたりするのが好きです。
歌ってしまいます。そしてギターも少々。
Sam CookeやOtis Reddingなど古いR&Bが好きです。
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