えいちゃん(さかい きよたか)

えいちゃんのぶろぐ

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文芸雑誌「新潮」の2022年7月号を買って、読んでしまった。坂本龍一さんのインタビューから構成した連載「坂本龍一 ぼくはあと何回、満月を見るだろう」を読みたかったからなのです。

この「ぼくはあと何回、満月を見るだろう」というのは、もしかして坂本さんは夏目漱石が好きなのかな、と思いました。夏目漱石が英語教師をしていたころ、教え子が「I love you.」を「我、君を愛す」と直訳したところ、日本人はそんなことは言いません、月が綺麗ですね、とでも訳しておきなさい、と指摘した、という話が残っております。この坂本さんは「ぼくはあと何回、満月を見るだろう」にも夏目漱石の話が出てきますし、「ぼくはあと何回、満月を見るだろう」も何かの訳なのでしょうか?

率直に、自らが罹患した病気のこと、音楽観、芸術観、人生観、世界観について、坂本さんは語っておられました。この人ほど、変わってしまった人、変節を経た人をぼくは知らないように思う。そして、その変節が美しい方への変節で、こんな老いた人にぼくはなりたい、と思わせてしまいます。数年前、NHKの「細野晴臣イエローマジックショー」に出演した時には、昔の若いころの自分に会ったら、絶対にぶんなぐってやりますよ、などと笑いながら坂本さんは細野晴臣さんや高橋幸宏さんらとおしゃべりをしていました。坂本さんの若いころの佳曲「千のナイフ」の冒頭には、ボコーダーでの毛沢東の詩の朗読が収められていますが、今、この毛沢東の詩を坂本さんはどう読むのだろうか?

読みながら、これを「新潮」に発表したのは、坂本さんのお父さんが三島由紀夫を担当した新潮社の伝説的な編集者だったからなのかな、などとふと思う。

「愛に救われた」という章での新型コロナウィルス禍で面会禁止となり、坂本さんのパートナー(事実婚?)とのスマホのライトを使ったやりとりが、あまりにナイーブで心温まります。「死後の世界」の章で映画「コンタクト」を引き合いに語られる世界観は、それはそれは素晴らしいもので、ぼくは何度もその章を読み返してしまっていました。

来月号も予約したよ。
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相模大野の駅から歩いて10分かからないところにこんなおいしいタイ料理のレストランがあるとは知らなかった。「シーハー」というタイの生ビールを飲んだのだけれど、こういう外国からの人のやっている料理屋さんで失望することの多い、生ビールもとてもおいしかった。ここもお客さんは女の人が多い。女の人の多い料理屋さん、居酒屋、レストランははずれなし、というぼくの説も、また当たってしまった。ごちそうさま。
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是枝裕和監督の『ベイビー・ブローカー』を見ました。

是枝さんの監督した映画はけっこうたくさん見ています。初めて見た是枝作品は『誰も知らない』であったと記憶しれています。『誰も知らない』が集合住宅のある子どもたちだけでの、ある家庭での密室劇であったのに対し、『ベイビー・ブローカー』は一人の赤ちゃんをめぐる大人たちの韓国を旅するロードムービーとなっていた。いつものこの監督のテーマである「家族」ということは変わらなく、これまでの是枝監督の映画と異なるところは、いつもの憂鬱を込めたようなエンディングではなく、何か希望というものを感じさせてくれるものでした。緊張のとけない赤ちゃんの売買をめぐる刑事と犯人の追跡劇の果てのこのラストの展開にぼくはほっとし、心は暖かくなりました。追跡する側も追跡される側も合わせて家族のようになっていきます。

是枝裕和さん以外、スタッフも俳優もすべて韓国の人たちの韓国製映画で、その中で、この映画においてカンヌ映画祭で主演男優賞を獲得したソン・ガンホさんの縁起の素晴らしい力に圧倒されました。ソン・ガンホさんの主演した『タクシー運転手 ~約束は海を越えて~』も素晴らしい映画でした。赤ちゃんのお母さん役のイ・ジウンさんは韓国では圧倒的な人気で「国民の妹」とも呼ばれているらしい。抑制された名演技で、それにしても美人だなぁ。

『ベイビー・ブローカー』は、カンヌ映画祭でキリスト教関係者による推薦でエキュメニカル審査員賞もとったということで、その受賞についての声明を引用し、絶賛、お奨めいたします。

「この映画は、血のつながりがなくても家族が存在できることをとても親密な方法で示してくれる。傷ついてきた過去を持つ大人3人(ブローカーの男2人とベイビー・ボックスに赤ん坊を置いた母親1人)と養護施設から抜け出した子供1人によって、赤ん坊の命と魂は守られる」

そして、審査員はこの映画の後半のとても感動的なあるシーンに言及しているのですが、それは映画を見てください。

映画『ベイビー・ブローカー』公式サイト - GAGA
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東京国立博物館の平成館に『沖縄復帰50年記念特別展 琉球』を見に行きました。

今まで、美術館や博物館で使ったことのないイヤホンガイドを聴きながらの鑑賞をしてみました。美術館での絵の鑑賞などのときは、なんの先入観もなく絵と対峙し、知識からの理屈ではなしに、絵そのものから何かを感じたいと、イヤホンガイドを使ってみたことはなかったのですが、博物館では、そういうこともないだろうと借りて、聴いてみた次第。聴きながら鑑賞し、ラストの展示場での大団円の解説には、うるっときて、目頭が熱くなっておりました。

いつのまにか、ゆっくりと2時間半の時が過ぎていて、とても見ごたえのある展覧会でした。沖縄のいろんなものを見ながら、ぼくの耳のどこかでは、いつもCoccoの新しいアルバム「Prom」に収録されていた「ラブレター」が鳴っておりました。冒頭がこんな歌詞の沖縄への愛を歌った唄。

「アメリカ世
 りっかりっか湯
 
 大和世から
 沖縄世」

それはいつのことになるのでしょう? ぼくたち、大和んちゅがうちなんちゅの人たちと良き友人としていつまでもいるためには、けっして見て見ぬふりをしてはいけないことがある、と改めて思うこともありました。「ラブレター」の歌詞はこんあふうにつづきます。

「戦世の名残り
 まだ滲みるの
 剝き出しで
 共存」

東京での楽日の今日、そして、九州国立博物館に場所を変えて、『沖縄復帰50年記念特別展 琉球』はつづきます。

沖縄復帰50年記念 特別展「琉球」
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フライフィッシングを始めてから、やっと一年を過ぎたこのごろ、この釣りにハマるきっかけとなった「うらたんざわ渓流釣場」に行きました。



この釣りの面白さには、「マッチ・ザ・ハッチ」ということも大きい。どいうことかというと、魚が自然の中で食べている昆虫などに似た毛鉤を使うと、よく釣れますよ、ということ。どのようなか形のどうような大きさのどうのような色の毛鉤を使うか? 今日の釣りでは「テレストリアル」と呼ばれる、春ごろには見向きもされなかった蟻とか甲虫に似せた毛鉤で、つぎつぎと、魚たちが水面に出てきてパクリとする状況になりました。

釣りをするところに来ると、なんだか虫が気になるこの頃です。
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この前、東京都の杉並区の区長に当選のすえ、なられた岸本聡子さんの著した『水道、再び公営化! 欧州・水の戦いから日本が学ぶこと』を読みました。市井からいきなり何の政党の後ろ盾もなく立候補して、当選した、岸本聡子(岸本さとこ)さんって、どんな人なのだろうという興味もあったのです。岸本さんは長く、この本で書かれたことの舞台であるヨーロッパのシンクタンクNGO「トランスナショナル研究所」で研究員をやっておられた人で、この本のテーマはその研究テーマでもあるだろう、水道事業の民営化と再公営化。この本の中でもっとも重要な概念である<コモン>について、この本から引用します。

 先に<コモン>とは、何かを説明しよう。「民主的に共有され、管理されるべき社会的な富」のことだ。日本語には<共>と訳されたりするし、社会的共通資本(Social Common Capital)という用語とも重なる。「社会的共通資本」は経済学者・宇沢弘文氏が提唱した概念で、産業や生活にとって必要不可欠な社会的資本を示す。
 水道、鉄道、公園といった社会的インフラストラクチャー、報道、教育、病院などの制度、森林、大気、ひいては地球全体の環境が<コモン>だろう。言い換えれば、個人であれ、企業であれ、私的な所有に閉じ込めず、みんなで未来を考えながら、民主的に管理する必要があるものが<コモン>なのだ。

そうか、<コモン>とはこういうことなのか。ならば、ぼくは、<コモン>をないがしろにする政治家を指示しないし、投票しない。<コモン>を外国の巨大企業に売り払おうとする政治家などはもっての他だ。『水道、再び公営化!』ではそんな<コモン>中でもっと大切なものの一つである水道をめぐる、ヨーロッパで戦いが書かれている。スペインのバルセロナがもっとも民主主義が進んだ急先鋒の町で、再公営化の波は野火のようにヨーロッパの町、自治体に広がっていっているらしい。ぼくはこの『水道、再び公営化!』から希望ということも読みました。






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投票日の七月十日は旅行をしていて県内にいないから、自転車を走らせて20分くらいのところの公民館で、平和への願いと祈りを込めて、参議院議員の選挙の期日前投票に行ってきたわ。願いが叶うといいな。

ゆめゆめうたがふことなかれ
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プロフィール
HN:
えいちゃん
性別:
男性
職業:
S.E.
趣味:
音楽
自己紹介:
音楽を演奏したり聴いたりするのが好きです。
歌ってしまいます。そしてギターも少々。
Sam CookeやOtis Reddingなど古いR&Bが好きです。
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