えいちゃん(さかい きよたか)

えいちゃんのぶろぐ

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二松浩紀さんの著した「移民たちの「満州」 満州開拓団の虚と実」を読了した。中国からも日本からもその正史から除外されてきた「満州」の諸人にとっての史実が書かれてあった。

凄惨な戦争の描写に読み進めるのが辛くなるところもある。けれども、読み進めていくと、今のイスラエルのようでもあると思う。かの満州の満映のトップ女優、李香蘭であった山口淑子さんは、国会議員になり、パレスチナ問題に尽力したことの理由と意味が理解できるような気もする。但し、この「移民たちの「満州」」には李香蘭も甘粕正彦も登場はせず、あくまでも庶民にとっての満州が詳細に聞き書きされ、記述されている。

日本人は被害者でもあり、加害者でもあった。すさまじい経験をした。語るのもはばかれ、記憶は封じ込まれ、多くの人たちは沈黙した。「移民たちの「満州」」からの引用。

「その傷が深ければ深いほど沈黙もまた深い。私はその“沈黙の世界”に踏み込む勇気はなかった」

そして、シベリア抑留者をインタビューした辺見じゅんさんの言葉を「移民たちの「満州」」は引用もしていて、それはこの本のテーマであるかのようなのだ。

「風化とは、人びとの命をかき消すこと。人びとの営みをすべて否定してしまうこと。それは歴史の抹殺につながる。私たち知る歴史は、実は表街道の話。そこに、名もなき人たちの苦難や悲しみは描かれていない」

名もなき人たちの苦難や悲しみを思い描くことのできない人がいて、もう一つ、戦後の長い間、満州に行った人たちや行われたことは歴史からほぼ消されていたのだけど、どうして今の日本に安倍晋三のようなおぞましい政治家が登場したかのか、それを解く鍵の一つが満州にあるような気もするのだった。





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えいちゃん
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S.E.
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音楽
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音楽を演奏したり聴いたりするのが好きです。
歌ってしまいます。そしてギターも少々。
Sam CookeやOtis Reddingなど古いR&Bが好きです。
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