えいちゃん(さかい きよたか)
えいちゃんのぶろぐ

小説家の小川洋子さんと臨床心理学者であり心理分析医でもある河合隼雄先生の対談集「生きるとは、自分の物語をつくること」がおもしろくて、一気に読んでしまった。思えば、河合隼雄先生が一年間の夢の中の旅の後、天国に旅立たれたのは十年前、2007年7月19日だったのだけど、この小川洋子さんとの対談が、河合隼雄先生の最後のメッセージとなりそのタイトルがずばり「生きるとは、自分の物語をつくること」。この本の中の河合隼雄さんのある言葉にぼくはぎくりとして出会うべくして、今、出会ったかのような、何かが胸の奥底からあふれるかのような感動をおぼえたのでした。敬意を込めて、ぼく自身のためにも引用をお許しください。
「お医者さんに、魂とは何ですか、と言われて、僕はよくこれをいいますよ。分けられないものを明確に分けた途端に消えるものを魂というと。善と悪とかもそうです。そういう区別を全部、一端、ご破算にして見ることなんです。障害のある人とない人、男と女、そういう区別を全部消して見る」
それから、小川洋子さんの書いた「二人のルート|少し長すぎるあとがき」も追悼文になってしまったのだけど、素晴らしい。ぼくは小川さんの書いた小説は「ミーナの行進」しか読んだことがないけれど、この「生きるとは、自分の物語をつくること」でも取り上げられている「博士の愛した数式」も読んでみようかな。昔、読んだ「ミーナの行進」はすごくよかったです。
ぼくは自分の物語をつくっているだろうか? 空の向こうの河合先生、作っていますよね。

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