えいちゃん(さかい きよたか)

えいちゃんのぶろぐ

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作家であり詩人である辺見庸さんの「瓦礫の中から言葉を わたしの<死者>へ」を読む。この前の震災で壊滅状態となった宮城県石巻市出身の詩人は、この散文集の中で3・11論ならぬ、3・11後論を立て、例えば、それ以降の日本の中の言葉はむしろ自由が狭められてはいないか、と問いていて、軽くなってしまって何も語らなくなった日本人とその言葉に疑問を投げかけている。そして、本当の言葉とは何かを求めようとしている。

少し前に辺見さんはNHK製作のドキュメンタリーに出演していて、その中で石巻のことを語り、詩人にとっての石巻は荒くれた漁師町で、石巻のことをやさしいとか美しかったとか言ってほしくない、むしろ、おっかない町だったと言って欲しい、と語っていて、詩人は生臭くすえた港にまとわりつくの魚の匂いやら魚のせりの時の怒声やら祭りの時の喧嘩のことやらを思い出すらしく、そんな彼に、ぼくは、なるほどとも思ったのだった。

例えば、近頃、聞こえてくる歌も何も歌ってはいなく、何も歌われなくなってはいないか、と音楽好きのぼくは思ってしまう。そんな歌は、聞かなければいいだけのことかもしれないけれど、この本は、忌野清志郎とほぼ同じ年代の兄貴である辺見庸さんからの、ブルースは忘れない方がいい、そして、ブルースによって重い錨を深く下ろし、本当のこと歌わなくてはならない、本当のことを探求すべきだ、というメッセージであると感じた。この本に引用された宮澤賢治の本当の言葉、詩「眼にて云う」をここでも引用しつつ、ぼくはこんな本を書いた同時代の詩人にレスペクトとエールを送ります。おやすみZZZzzz.....

血が出ているにかかわらず
こんなにのんきで苦しくないのは
魂魄なかばからだをはなれたのですから
ただどうも血のために
それを云えないがひどいです
あなたの方からみたら
ずいぶんさんたんたるけしきでせうが
わたくしから見えるは
やっぱりきれいな青ぞらと
すきとほった風ばかりです。











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プロフィール
HN:
えいちゃん
性別:
男性
職業:
S.E.
趣味:
音楽
自己紹介:
音楽を演奏したり聴いたりするのが好きです。
歌ってしまいます。そしてギターも少々。
Sam CookeやOtis Reddingなど古いR&Bが好きです。
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