えいちゃん(さかい きよたか)

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内田樹さんの著した「寝ながら学べる構造主義」という本を読みました。レヴィ=ストロースの「悲しき熱帯」が難しくて、なかなか読み進められなかったもので、その解説本のような本に手を出してしまったのだけど、さすが内田樹さんの著作、一気におもしろく読めてしまった。

構造主義という哲学には3人の源流があるらしい。その源流とは経済学者マルクスと精神分析医のフロイトともとは文献学者であったニーチェ。それを受け継いだのが言語学者のソシュール。それらの思潮がフーコー、バルト、レヴィ=ストロース、ラカンに続いていく。

どういう考え方なのかというと、ぼくたちは当たり前の前提としてあるものも疑わなくてはならないけれど、それに気づくことも難しい、というようなことだろうか。例えばの端初として、虹が七色に見えるという人たちもいて、虹が二十色に見えるという人もいて、言葉と思考は牢獄のようなものかもしれない、などと思う。それに気づくとはどういうことなのだろうか、ということのヒントが、例えば、レヴィ=ストロースのこの言葉を何度も、ゆっくりと読むと、少しはわかる気がするのです。

「彼らのうちであれ、私たちのうちであれ、人間性のすべては、人間の取りうるさまざまな歴史的あるいは地理的な存在様態のうちのただ一つのもののうちに集約されていると信じ込むためには、かなりの自己中心性と愚鈍さが必要であるだろう。私は曇りない目でものを見ているという手前勝手な前提から出発するものは、もはやそこから踏み出すことはできない。」

この言葉は、サルトルの実存主義を終焉させ、教化する宣教師たちの役割を終わらせたのかもしれないけれど、レヴィ=ストロース自身にも鋭い刃を向けているのに違いない。そして、ぼくたちだれもが、未開と呼ばれようがそう呼ばれなくても、西洋であれ東洋であれ、「悲しき熱帯」を生きているのかもしれない、と想起させてくれもする。









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