えいちゃん(さかい きよたか)
えいちゃんのぶろぐ

先週も金曜日の会社帰りには映画館に映画を見に行っていたが、今週も見に行った。有楽町のスバル座で大林宜彦監督の「野のなななのか」を見たのです。大林監督の前作「この空の花 -長岡花火物語」が若々しい傑作だったので、今作も見せてくれるだろうと見に行ったのだけど、その期待は100%、かなえられました。前作の舞台が新潟県長岡だったのに続き、今作の舞台は北海道芦別を舞台にして作られた完全なる地元協力のもとのインディーズ映画で、監督自身が言うところの古里映画は、饒舌な文体で語られる、人々の心にふりつもっいいった近代史を描いていた。もちろんあの大林節が晩節にして枯れることなく炸裂しれていて、北のかの地を舞台にした、ボルヘスの小説を映像化したかのようなマジック・リアリズムでもあり、家族の物語のそれは、目まぐろしくカットされる小津安二郎映画へのオマージュでもあり、21世紀に隔世遺伝されたゴダールのヌーヴェルヴァーグの映画のようにもに感じたのだけれど、それはまさしく大林組の映画そのもの。この「野のなななのか」に続く古里映画の三作目も未定だけれどもきっと傑作を撮ってくれそうだと、変わらぬ奇才、鬼才の巨匠に何か期待してしまいます。
http://www.nononanananoka.com
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