えいちゃん(さかい きよたか)

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町田市民文学館ことばらんどで「三島由紀夫展」を見た。原稿や特別な装丁本、三島由紀夫のパネルとなった写真を見ながらぼくは、こんな書き出しで始まる心理学者の岸田秀の「三島由紀夫論」を思い出していた。

「三島由紀夫の精神ははじめから死んでいた。この現実の世界に生きているという実在感の欠如に、彼の文学その他の活動を解く鍵がある。
 彼は徹底的に人生を演技し通したという人もいるが、彼には、偽りの外面を演技することによって隠さねばならないような真実の内面があったとは思えない。彼は、死の瞬間まで、自分が何を本当に欲しているかつかんでいなかっただろう。理知的であった彼は、演技しているかのごとく演技することによって、あえてわざわざ自己韜晦しているかのごとく見せかけることによって、その背後に本当の自分が隠されていることほのめかしていたかもしれないが、そのようなものは存在していなかった」

興味のある人はぜひ図書館でこの「三島由紀夫論」の掲載されている「続 ものぐさ精神分析」を借りるかして読んでみてください。文学の世界からは無視されつづけている優れた三島論だと思う。文武両道や美と行動などという言葉で三島由紀夫は論や説を語られるけれど、今でいうLGBTからのところはほとんど語られないのはどうしてだろう? 三島由紀夫は「仮面の告白」で書きたいことはすべて書き、あとの膨大な著作は三島自身が生きながらえるために、書かざるえなかったことを書きつづけただけなのではなかろうか? 「仮面の告白」を除くすべての小説が、ある種の作られた工芸品みたいで、そこに描かれる人物はとうていリアルさからほど遠く、けれど、三島由紀夫の小説はどこか、真実のようなものが隠されているみたいなのだ。三島由紀夫の人、人生、昔、読んだ小説のことを思うと、ぼくは無性に寂しく、そして、悲しくなるのです。
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えいちゃん
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S.E.
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音楽を演奏したり聴いたりするのが好きです。
歌ってしまいます。そしてギターも少々。
Sam CookeやOtis Reddingなど古いR&Bが好きです。
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