えいちゃん(さかい きよたか)
えいちゃんのぶろぐ
平塚市美術館にて『生誕100年 中村正義 -その熱と渦-』展と同時開催の『よみがえる絵画』展を見ました。
日本画壇の風雲児、1977年に52歳の若さで没した中村正義の展覧会。1961年に日本画壇に別れを告げ、日本画の枠にまったくおさまらない絵を発表しつつも、日本的な絵に先祖帰りするかのような絵も残しております。ぼくは中村正義が常に日本の伝統の重力を感じながら、その故郷のようなところに帰ることを拒み、引き裂かれつづけた、そのような画業の人生だったように、展覧会での絵を見ながら、思っておりました。常に病気と隣り合わせに行きながらも、その伝統と前衛の引き裂かれ具合は、虚無を抱えながらも、真なる自分への探求でもあり、そのあっぱれな人生に、生誕100年の今、喝采を送りたいと思うのでした。
『よみがえる絵画』展は、川村清雄の「滝」を見つつ、修復によって絵画がこれほどに元の状態の美しさを取り戻すことに驚きを隠せません。このような地道な労力、努力によって、美術作品が後世に伝わるようになることに、ぼくは修復師の方々への敬意と感謝を表すものであります。
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