えいちゃん(さかい きよたか)
えいちゃんのぶろぐ

おじいさんの主人公の映画が昔からぼくは好きです。その白眉は小津安二郎監督の『東京物語』とか『秋刀魚の味』かな? ギリーズ・マッキノン監督の『君を想い、バスに乗る』もそんなおじいさんが主人公の映画で、おじいさんがスコットランドの北の果てからイングランドの南の果てまで、乗り合いバスに乗って旅をます。日本には笠智衆という名優がいたけれど、この『君を想い、バスに乗る』のティモシー・スポールの老け役の名演技。おじいさんの視線での曇り空の下での英国の風景が、どこか荒涼としつつも、とても美しい。例えば、エミリー・ブロンテの小説『嵐が丘』の舞台はこんな風景なのではないか、とぼくは想像してしまう。その旅路での小さなヒューマニスティックなエピソードが積み重ねられ、エンドロールでは、ついに胸がジーンとして、涙ぐんでいました。
映画『君を想い、バスに乗る』オフィシャルサイト




ジュリアン・テンプル監督の『シェイン 世界が愛する厄介者のうた』を見ました。
ぼくはこのドキュメンタリー映画の主人公のシェイン・マガウアンがボーカルと作詞作曲をしていたポーグスが大好きなのです。
『シェイン』はシェイン・マガウアン自身の過去や現在のインタビューからその生涯を解き明かそうとするもの。まー、なんて、シェイン・マガウアンとは滅茶苦茶なやつだろうか。ジェームズ・ジョイスを読む不良とかロンドンにいたんだな。シェインは今、六十四歳であるらしい。おいらよりも少し年上の兄貴で、すっかりアルコールと薬でボロボロ風なのだが、シェインはシェインのままなのだ。映画の中で今の彼が昔を語る時の澄んだ邪気のない瞳にぼくは魅せられてしまう。こんなきれいな目の光をもつ人をぼくは知らない。
シェイン・マガウアンさん、あなたは本当のことを歌う本物です。
映画『シェイン 世界が愛する厄介者のうた』公式サイト




山梨県の忍野村の桂川でフライフィッシングをする一泊の旅をしました。魚はスレているけれど、忍野村の地元の人は忍野川とも呼ぶらしい里山の澄んだ川でするフライフィッシングが大好きです。
1日目の桂川での夕まずめがはじまったころ、魚が盛んにライズをし始める。いろんな小さな浮くドライフライの毛鉤をライズの辺りをめがけて毛鉤を投げ込むけれど、数回を除いてすべて、魚たちに無視され、無視されなかった数回も簡単に見切られてしまう。小さなゲジゲジみたいな沈むニンフフライの毛鉤を投げ、下流に流れ切り、ゆっくりひっぱたら、釣れました。尺越えではないけれど、それなりの大きさ虹鱒でした。写真を撮ろうとして、その前にネットの中で毛鉤を外すと、ぴょんと魚は跳ね、魚は逃げてしまい、写真は撮れませんでした。確か、養沢毛鉤専用釣場で初めて釣れた時も写真を撮り逃してしまったな。釣って放つ。
泊まりは何度目かの忍野高原ホテルでした。顔をおぼえられたらしく、ここでぼくは「釣りの人」などとも親しく呼ばれます。お風呂に入りました、そして、今日か明日は、何でもトレイルランニングの大会の開催日だったらしく、けれどもコロナウィルスの関係で中止になったらしく、夕餉の食堂では、中止になっても旅行に来た、トレイルランの愛好家の女子二人が楽しく話しておりました。「酒井さんもトレイルランはどう?」などと給仕をしてくれる女将さんに聞かれ、「あんな過激なスポーツはぼくにはできないですよ」と答えておりました。廊下には忍野村にフライフィッシングをしに来られたアメリカのジミー・カーター大統領が忍野村の子どもたちと微笑む姿の写真が飾られております。日本に来て、新橋の焼き鳥屋さんに行ったり、面白い気さくな大統領だったな。もしかして、この忍野高原ホテルに泊まったのかしら?
夜が明け、朝になり、早朝、歩いて桂川にフライフィッシングをしに行きます。それなりの朝まずめです。魚が川の表面に上がってきて、何かの虫を盛んに食べています。今度こそドライフライで釣りたいと投げ込むのですが、やっぱ、ことごとく魚に無視されてしまいます。朝まずめも終わりそうなころ、昨日と同じニンフフライを流すと、釣れました。昨日と同じくらいのサイズの虹鱒です。釣って、放つ。ネットから逃れ、去っていく魚を見ると、いつも、なぜか、映画「カッコーの巣の上で」のラストシーンを思い出してしまう。
一旦、宿に帰り、朝餉を食べ、お風呂に入り、出発しました。みたび、桂川へ。川の表層下を泳がすように流す、白いマラブーのストリーマーのウェットフライでチビ山女魚が釣れました。こんなストリーマーで釣れるとは思っていなくて、少し驚きました。それで、今度の釣りの旅では三匹も釣れた。やったー。そして、釣って放つ。
釣りは楽しく、忍野村は美しい。
1日目の桂川での夕まずめがはじまったころ、魚が盛んにライズをし始める。いろんな小さな浮くドライフライの毛鉤をライズの辺りをめがけて毛鉤を投げ込むけれど、数回を除いてすべて、魚たちに無視され、無視されなかった数回も簡単に見切られてしまう。小さなゲジゲジみたいな沈むニンフフライの毛鉤を投げ、下流に流れ切り、ゆっくりひっぱたら、釣れました。尺越えではないけれど、それなりの大きさ虹鱒でした。写真を撮ろうとして、その前にネットの中で毛鉤を外すと、ぴょんと魚は跳ね、魚は逃げてしまい、写真は撮れませんでした。確か、養沢毛鉤専用釣場で初めて釣れた時も写真を撮り逃してしまったな。釣って放つ。
泊まりは何度目かの忍野高原ホテルでした。顔をおぼえられたらしく、ここでぼくは「釣りの人」などとも親しく呼ばれます。お風呂に入りました、そして、今日か明日は、何でもトレイルランニングの大会の開催日だったらしく、けれどもコロナウィルスの関係で中止になったらしく、夕餉の食堂では、中止になっても旅行に来た、トレイルランの愛好家の女子二人が楽しく話しておりました。「酒井さんもトレイルランはどう?」などと給仕をしてくれる女将さんに聞かれ、「あんな過激なスポーツはぼくにはできないですよ」と答えておりました。廊下には忍野村にフライフィッシングをしに来られたアメリカのジミー・カーター大統領が忍野村の子どもたちと微笑む姿の写真が飾られております。日本に来て、新橋の焼き鳥屋さんに行ったり、面白い気さくな大統領だったな。もしかして、この忍野高原ホテルに泊まったのかしら?
夜が明け、朝になり、早朝、歩いて桂川にフライフィッシングをしに行きます。それなりの朝まずめです。魚が川の表面に上がってきて、何かの虫を盛んに食べています。今度こそドライフライで釣りたいと投げ込むのですが、やっぱ、ことごとく魚に無視されてしまいます。朝まずめも終わりそうなころ、昨日と同じニンフフライを流すと、釣れました。昨日と同じくらいのサイズの虹鱒です。釣って、放つ。ネットから逃れ、去っていく魚を見ると、いつも、なぜか、映画「カッコーの巣の上で」のラストシーンを思い出してしまう。
一旦、宿に帰り、朝餉を食べ、お風呂に入り、出発しました。みたび、桂川へ。川の表層下を泳がすように流す、白いマラブーのストリーマーのウェットフライでチビ山女魚が釣れました。こんなストリーマーで釣れるとは思っていなくて、少し驚きました。それで、今度の釣りの旅では三匹も釣れた。やったー。そして、釣って放つ。
釣りは楽しく、忍野村は美しい。


原研哉さんの著した『低空飛行―この国のかたちへ』を読みました。雅楽を聴きながらこの本を読み終え、これを書いています。
原研哉さんはデザイナーで日本デザインセンターの代表取締役社長でもあられる人。日本の残され脈々と息づく伝統についてこの本で述べられておられ、それが資源として日本の未来も照らす、というような内容に、ぼくの元気をもらいました。生花、旅館、石庭、温泉、自然、挙げていけば、いくらでもある日本の美しさにぼくも共感します。それは書き物の、書かれた大きな物語の歴史からは見えにくい何かでもある、とぼくは思う。ちいさきものにある美しさ。ほどよい遠さ、近さの景色にある美しさをよく見れば、ちいさな美しさはたくさん見えてくる。だから「低空飛行」なんだろうか? この『低空飛行』を読みながら、昔、たしか岡本太郎の書いた本で読んだ、日本の庭園に特徴的な借景とその美しさというようなことも思い出しました。カラーも含めたたくさんの写真付きの楽しい本でもあります。
ゆっくりと日本のいろんなところを旅したくもなりますね。


日比谷公園の野外音楽堂にブルースカーニバルを見に行きました。10年ぶりのブルースカーニバルは「ジャパン・ブルースカーニバル」から「東京ブルースカーニバル」と名前は変わりつつ、外国のミュージシャンが来なくとも、濃いブルースに溢れておったよ。
三宅伸治さんのRed Rocksがブギやロックンロールを決めて、ゲストで入った鮎川誠さんがギターをかきむしるようにガンガン弾きまくる。
コージー大内さんの弁ブルースが最高で、夕暮れの中、名曲「大鶴村のサイレン」でぼくの目に涙がにじむ。
blues. the-butche-590123のモダンブルースの素晴らしさ、コテツさんのハーモニカ、永井ほとけ隆さんの歌声にニューオーリンズから帰国した山岸潤史さんのハードエッジな泣きのギターがからむ"First Time I Met the Blues"。
吾妻光良& The Swinging Boppersのフルバンドに入ったゲストの伊東妙子さんの日本語訳ブルースの"Send Me To The Electric Chair"はえぐくて最高じゃった。
さて、帰り道、誰か、外国でブルースをする人で、呼んでほしい人っている、と友だちに聞かれて、ぼくは最近、ライ・クーダーとアルバムを出したタジ・マハールと答えたよ。M&Iカンパニーさん、よろしくたのんます。
Blues never die! Blues is all right!
