えいちゃん(さかい きよたか)

えいちゃんのぶろぐ

entry_top_w.png

吉行和子さんが亡くなられました。深く哀悼いたします。吉行和子さんというと大島渚監督の『愛の亡霊』での主役が忘れられません。藤竜也さんの演ずる不倫相手役とともに処刑される場面が衝撃的です。殺されて車引きの幽霊となって出てくる田村高廣さんもよかった。カンヌ国際映画祭のグランプリを受賞したハードな名作です。子どもは見てはいけません。夜中に一人でVODか何かで、ひっそりと見ることをお勧めしたく存じます。
entry_bottom_w.png
entry_top_w.png
石破茂さん、首相をやめてほしくなかったな。次は変な女の極右政権じゃねーの。石破さん、数年後に保守のど真ん中の首相として返り咲いてください。(独り言)
entry_bottom_w.png
entry_top_w.png


新国立劇場の中劇場で歌舞伎を見ました。初めての歌舞伎の観劇です。役者は敬称を略させていただき、中村梅玉、中村鴈治郎、中村扇雀、市川門之助、中村虎之介、中村玉太郎、中村寿治郎らの面々。演しものは仮名手本忠臣蔵の二幕三場で、二段目から「桃井館力弥使者の場」と「松切りの場」、九段目の「山科閑居の場」。

9月5日から9月27日までのロングランの中の平日の一日、客席は満席。この混みように驚いてしまいます。ぼくもその中の一人なのですが、有閑なじじ、ばばがたくさんいますな。

「山科閑居の場」では悲劇が三つどもえとなっており重なって、容赦ない。子と親の間、妻と夫の間の愛ゆえの悲劇に、ぼくは、ワーグナーのオペラのようだ、とも思いました。とても感動しました。それにしても、日本の伝統芸能の舞台芸術は半端なく凄い。二つ隣の席のフランス人の中学生ほどの女子が親に連れられて観劇しているようで、この重たい悲劇に涙を溜めて、終幕後、立ち上がれないようでした。
entry_bottom_w.png
entry_top_w.png

石川慶監督の『遠い山なみの光』を見ました。かなり面白かった。この映画の序破急の構成は長い序によって、緊張が少しづつましていって、ラストのところで破となり、急となる。謎を観客に問うようなエンディングにカズオ・イシグロさんの原作を読んでみたくなります。映画は推理小説の要素の入った女性映画の名手、成瀬巳喜男監督の映画のようでもあります。

映画の中の長崎の街並みに小津安二郎監督の『お茶漬の味』と黒澤明監督の『生きる』のポスターがある。ということは、これは1952年ぐらいの物語で、長崎の原爆の光景は表されずとも、戦争を生きて、敗戦をむかえ、戦後を生きるということが、どういうことなのか、自ら経験した戦争を語らないということが、どういうことなのか、ぼんやりと、だがある確信をもって浮かび上がるかのようなのです。そして、これは、もしかして、ぼくの父や母の物語でありえるかもしれない、と想像してしまって、戦慄すらするのです。それこそが近ごろのぼくがとても知りたいことでもあるのです。

その戦争、敗戦、戦後を生きた女たちを演じた三人女優、広瀬すずさん、二階堂ふみさん、吉田羊さんの演技も素晴らしい。監督の石川慶さんも原作のカズオ・イシグロさんも恐るべし。わからないところもたくさんあって、もう一度、見てみたい、そのような映画でもあるのです。

映画『遠い山なみの光』 - GAGA
entry_bottom_w.png
entry_top_w.png

九月四日、上野の鈴本演芸場で令和七年九月上席昼の部です。見た演目を記します。前座の柳家小じかくんの「道灌」、二つ目の柳亭市若くんの「平林」、翁家社中のお二人の太神楽曲芸、隅田川馬石師匠の「元犬」、柳家花ごめ師匠の「人の恩返し」、ロケット団のお二人の漫才、林家正蔵師匠の「一眼国」、林家はん治師匠の「鯛」、ウクレレえいじさんのウクレレ漫談 、三遊亭圓歌師匠の「夜間工事中」で仲入りです。ダーク広和さんの奇術、松柳亭鶴枝師匠の「七段目」、柳家小満ん師匠の「あちたりこちたり」、柳家小菊師匠の三味線弾きの唄いの粋曲、主任は五街道雲助師匠で「妾馬」でした。

特に印象に残った演目です。隅田川馬石師匠の「元犬」で爆笑。馬石師匠の「元犬」は面白いね。ロケット団の漫才で大爆笑。ウクレレえいじさんのウクレレ漫談の映画「七人の侍」とか「ゴジラ」の志村喬のもの真似が似ているようで、似ていないようで面白い。三遊亭圓歌師匠のいつもの「夜間工事中」で大爆笑。松柳亭鶴枝師匠の「七段目」も面白くて、大いに笑う。真打になったばかりだそうで、新しい実力派の登場ですな。柳家小菊師匠の都々逸が好きです。作者不詳のものが多いのですが、七七七五の定型をもつ都々逸とはこんなものでございます。

 惚れて通えば 千里も一里 逢えずに帰れば また千里

 岡惚れ三年 本惚れ三月 思い遂げたは 三分間

 恋し恋しと 鳴く蝉よりも 鳴かぬ蛍が 身を焦がす

 人の恋路を 邪魔する奴は 馬に蹴られて 死んじまえ

 夢に見るよじゃ 惚れよが薄い 真に惚れれば 眠られぬ

五街道雲助師匠の「妾馬」は、粋でいなせできっぶがよくて、おっちょこちょいがたまにきずの噺。気持ちのいい江戸の風が吹いてきておりましたよ。

暗いこの世のつらさ忘れ、寄席は心のオアシスです。


さて今日はここでは終われない。「たる松」で冷やしトマトとか穴子のにこごりをいただきながら、ビールや日本酒を軽く呑みます。



その後、電車で鶯谷に移動しました。東京キネマ倶楽部で「Hosono Haruomi - I'm back from London!」とタイトルされた細野晴臣さんのコンサートです。敬称を略しますが、以下の面々です。


細野晴臣 with くくく(原田郁子・角銅真実)、 シャッポ(福原音・細野悠太)、海老原颯
opening DJ : Yuka Mizuhara

細野さんは孫ほどの世代のバックバンドも引き連れての「もうぼくは七十八歳だよ」などとぼやきながら、楽しく演奏してくれました。容貌は少しは老いたけれど、出てくる音はまったく若々しく、客席にぼくのような老年にさしかかった人はあまり見ず、お客さんは若い人ばかりなのです。ぼくにとって初めての細野さんのコンサートは、近頃の曲から昔の曲まで素晴らしかった。一曲だけ演奏してくれたアンコール曲は、短い歌詞の世界平和を願い、祈る新曲のメッセージソングでございました。客席は静まり、ぼくの眼に涙すら浮かびました。
entry_bottom_w.png
entry_top_w.png

国立能楽堂で能楽を見ました。狂言は和泉流の「才宝」、能は観世流の「玄象」でした。

「才宝」は三人の孫が成人し、烏帽子を授かりたく、祖父に訪問するという話。祖父は孫に滑稽な名前をつけたりします。孫は面白がり、車に乗せ大盛りあがり。滑稽な話というより、祝いの話のでした。祝われているのは孫たちの方ではなく祖父の方のようでもあるのです。楽しいなぁ。

「玄象」は、琵琶の名手の菅原師長がその奥義を極めようと唐土に渡ろうとする、その須磨の浦で漁師の老夫婦と出会います。その老夫婦に琵琶を披露すると、老夫婦は菅原師長よりさらに素晴らしい「越天楽」を合奏し、自分たちは村上天皇と梨壺女御の霊であることを明かし、消えてしまいます。さて、その後、どうなるかは明かしますまい。その後半の舞いがダイナミックで素晴らしい。

能には天皇や皇室の話が頻繁に出てきます。芸と血筋みたいな「玄象」の話にぼくは映画の「国宝」を思い出しました。芸人が最下層の職業だとされたとするならば、紀州、熊野の物語作家の中上健次はその最下層は一番の上の皇室はつながっている、などと昭和天皇の崩御の際に発言していたことなども思い出します。そんなことを考えつつ、能楽に親しむぼくは、近頃に伸長している右派の政党には何の共感も感じないのだけれど、今のような文化としての、政治や権力に距離を置く皇室は続いたほうがいいと思ってもいる、変節した社会主義者なのかもしれません。この変節が転向なのか、進化なのかは、ぼくには分かりませぬ。
entry_bottom_w.png
entry_top_w.png

犬童一心監督の『六つの顔』を見ました。人間国宝の狂言師の野村万作さんをとらまえたドキュメンタリー映画です。

前半は野村万作さんの人となりをとらまえたインタビューと昔の写真や残された動画などとなります。インタビューでは野村万作さんは、自らの人生を語っておられます。東京で受けた空襲のこと、父の野村万蔵のこと、祖父の野村万造のこと、兄の野村萬のこと、どの方も既に逝去されておられる狂言師です。子の野村萬斎さんや孫の野村裕基さんも狂言師で、野村万作さんのことを語っておられます。そこから見て取れるのは、野村万作さんの人となりの清廉さと静かさに秘めた古典芸能への情熱であります。

後半は狂言「川上」の全編となります。盲人であるシテが目をあけてくれるという奈良の吉野の川上の地蔵菩薩に参り、目が見えるようになるのですが、地蔵菩薩はシテに、悪縁である妻が目の病の原因である、といい、妻と離縁しなさいと説き、さもなくばまた目が見えなくなる、といいます。さて、どうなるかは、ここでは申すのを控えたく存じます。

狂言「川上」の全編の後、演じた野村万作さん自身の解題、感想、要諦となり、その言葉にぼくは深く感じ入りました。愛しかないのですね、とぼくはこの狂言の巨匠に首肯する次第であります。

映画『六つの顔』公式サイト
entry_bottom_w.png
<< 前のページ 次のページ >>
[16]  [17]  [18]  [19]  [20]  [21]  [22]  [23]  [24]  [25]  [26
plugin_top_w.png
カレンダー
01 2026/02 03
S M T W T F S
2 3 4 5 6 7
8 9 10 11 12 13 14
15 16 17 18 19 20 21
22 23 24 25 26 27 28
plugin_bottom_w.png
plugin_top_w.png
えいちゃんのお奨め

ライブのお知らせ

ぼくのTwitter

plugin_bottom_w.png
plugin_top_w.png
最新コメント
[05/04 ペコ]
[12/23 ロンサム・スー]
[07/27 gmail account]
[08/29 えいちゃん]
[08/29 みさき]
plugin_bottom_w.png
plugin_top_w.png
プロフィール
HN:
えいちゃん
性別:
男性
職業:
S.E.
趣味:
音楽
自己紹介:
音楽を演奏したり聴いたりするのが好きです。
歌ってしまいます。そしてギターも少々。
Sam CookeやOtis Reddingなど古いR&Bが好きです。
plugin_bottom_w.png
plugin_top_w.png
ブログ内検索
plugin_bottom_w.png
plugin_top_w.png
最新トラックバック
plugin_bottom_w.png
Copyright えいちゃん(さかい きよたか) by えいちゃん All Rights Reserved.
Template by テンプレート@忍者ブログ