えいちゃん(さかい きよたか)

えいちゃんのぶろぐ

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東京文化会館でジョージア国立バレーによるバレー『くるみ割り人形』を見ました。観客席には子どもがいっぱいいて、というのも、この公演はたくさんの子どもたちが抽選により、無料で招待されていたからです。楽しいクリスマスの前夜を舞台にした二幕ものでした。

ジョージア国立バレーのジョージアはロシアと国境を接する国で、『くるみ割り人形』の作曲はロシア人のチャイコフスキー。チャイコフスキー、偉大なり。ぼくにも耳なじみのメロディーもたくさん出てきます。ストーリーの中にくるみ割り人形の兵士たちとねずみの軍隊との戦争も描かれ、その戦争は子どもが投げた靴だかスリッパで終わるということもあるのです。子どものクララが、あんたたち何やってんんのよ、といったとか、いわなかったとか。今の時代になんと意味深なことでしょう。

バレー『くるみ割り人形』では、その後、傷ついたくるみ割り人形が変身し、王様となり、子どものクララは女王様となり、楽しいお菓子の国に旅をするのだけれど、今、ヨーロッパや中東で暗い雲がおおい、子どもたちが殺されていくことに、涙せざるえないぼくたちもいて、実際の戦争が一刻も早く終わることを祈るばかりなのです。ぼくは感動し、カーテンコールに何度も何度も、拍手をしていました。そして、繰り返すも、世界よ、平和なれ。
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国立能楽堂で能楽を鑑賞しました。見た狂言は「川上」で、能は「正尊 起請文 翔入」。

「川上」は狂言にしては珍しく滑稽話でなはく、夫婦の愛とそれにまつわる悲劇的な成り行きを描いたもので、真の幸福とは何かを問う名作でございます。シテの夫が人間国宝であらせられる野村万作さんで、アドの妻が万作さんの息子の野村萬斎さん。圧巻の狂言でございました。演者が舞台から引くと、後ろの方から、何やら、女の人のひそひそ声が聞こえます。すごいねぇ、野村万作は人間国宝だよ、ずっと見てきているけれど、九十を越えた今が一番いいよ、八十代はまだひよっこだよ、などと囁いておられます。芸の道は限りなしです。みんな、どうか長生きしてくださいませ。

能の「正尊」で初めて能面をかぶらない能を見ました。剣の舞いがダイナミックで素晴らしい。シテの土佐坊正尊の起請文の日本の神々を称える起請文も素晴らしく、それに応える子方の静御前の真っすぐな哀切さが心に残ります。武蔵坊弁慶の悪いもの退治の二幕ものに心がすーっとしました。
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上野の鈴本演芸場で令和六年十二月下席昼の部です。見た演目を書き出してみます。前座の柳家しろ八くんの「転失気」、二つ目の柳亭一童くんの「子ほめ」、ストレート松浦さんのジャグリング、古今亭文菊師匠の「初天神」、桃月庵白酒師匠の「権助提灯」、風藤松原のお二人の漫才、弁財天和泉師匠の「女の鞄」、古今亭菊之丞師匠の「ふぐ鍋」で仲入りとなりました。柳家小菊師匠の三味線弾きの唄いの粋曲、林家さく麿師匠の「歯ンデレラ」、林家二楽師匠の紙切り、主任は柳亭こみち師匠の「音曲噺 文七もっとい」でした。

古今亭文菊師匠の「初天神」、桃月庵白酒師匠の「権助提灯」、古今亭菊之丞師匠の「ふぐ鍋」がとてもよくて、おおいに笑いました。主任の柳亭こみち師匠の「音曲噺 文七もっとい」は「文七元結」の元型をとどめていないような噺で、おおいに笑いましたが、元の「文七元結」も聴きたくなるのが人情というものでしょう。

ところで寄席に入る前に、不忍池辯天堂でお参りをし、御神籤をひくと「大吉」であった。

「運勢 大吉

 思うようにみえて心にまかせないことがある。思わぬ幸福があるようですが、よく気をつけないとあとになって損をすることがあります。女難あり、女性は金難あり。気をつけることです。

 第42番

 おみくじ

「言」
 天の時は地の利に如かず。
 地の利は人の和に如かず。」

ゆめゆめうたがふことなかれ
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中田秀夫監督の『ふしぎ駄菓子屋 銭天堂』を見ました。お客さんの半分ほどが小学生で、あたりにお菓子を食べている音がどことなく響いておりますが、大人が見ても何か感じるところのあるようないいような内容の映画でございました。

食べると夢がかなうという駄菓子屋の「銭天堂」に猫の霊力か何かで、たまに招待される人がいて、騒動となります。ばかばかしい話が面白い。落語の噺みたいでもあります。

銭天堂の女主人の紅子を特殊メイクをして演ずる天海祐希さんが面白い。「銭天堂」の紋をちりばめた美しい着物を着て、なぜか「ござんす」とかのの怪しげな吉原の花魁言葉をしゃべります。「ヤマ缶詰」とか「もてもてもち」とかの駄菓子屋で売られている駄菓子のネーミングも洒落ていて、面白い。動き始めた黄金色の招き猫がかわいい。招き猫は特殊な駄菓子を作る職人のようなのです。

いろいろと見どころのたくさんな『ふしぎ駄菓子屋 銭天堂』ですが、そこでの駄菓子を食べた人が幸せになれるか否かは、食べた人の心次第のようなのです。

面白かった。

映画「ふしぎ駄菓子屋 銭天堂」公式サイト
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岸田秀さんの著した『続 ものぐさ精神分析』を読了した。この本は高校生のころ読んだことがあって、二度目ということとなるだろうか? 半世紀近く前に出された『二番煎じ ものぐさ精神分析』と『出がらし ものぐさ精神分析』の2冊の単行本から、よいと思う論文、批評文を岸田さん自身が選び、1冊の単行本にまとめたものが『続 ものぐさ精神分析』で、ぼくが高校生のころはよく読まれていたのだけれど、その内容の多くが古くなっていないことに驚いてしまう。

高校生のころも「性的唯幻論」などと称し、すべては幻想だと説く和光大学の教授であった岸田秀さんに、何やら胡散臭いものを感じながら、面白く読んでいたという記憶がある。ぼくはこの後、二十歳を越えたころから、岸田さんが師とするフロイトの精神分析ではなく、河合隼雄の説くユングの心理学に惹かれるのだけれど、『続 ものぐさ精神分析』の一章をさかれて書かれたユング心理学を批判である「ユングの元型について」は確かに鋭く、根本からの批判となっている。

しかし、今、ぼくがこの本で最も読みたかったのは、それではなく、来年の三島由紀夫百年生誕祭を控えての、岸田秀さんの「三島由紀夫の精神ははじめから死んでいた。この現実の世界に生きているという実在感の欠如に、彼の文学、その他の活動を解く鍵がある。」の書き出しから始まる「三島由紀夫論」なのだ。岸田秀さんの「三島由紀夫論」は、百年生誕祭を前に盛り上がるぼくの三島由紀夫熱を、甘いか、苦いかは分からぬが、良薬となってほどよく冷ましてくれるようなのだ。

ぼくは高校生のころから三島由紀夫の小説を面白いと思ったけれど、三島由紀夫の『金閣寺』よりも水上勉の『金閣炎上』の方が高く評価できると思った。三島文学マニアの瀬戸内寂聴さんはインタビューで「三島さんの作品って、文学というより、工芸品みたいなのよね」とおっしゃっていた。三島由紀夫の文学を愛するポール・シュレイダー監督の日本では公開されなかった『Mishima: A Life In Four Chapters』では、その背景が、市ヶ谷の自衛隊でのシーンを除いて、すべてハリボテのリアリティのないものとなっていた。ハリボテのおもちゃのような金閣寺やハリボテのおもちゃのような靖国神社が出てくることに、ぼくはなるほどと首肯した。

最近、三島由紀夫の『金閣寺』の題がもともとは「人間病」であったことが書簡によって発見されたが、どうしてぼくが三島由紀夫に惹かれるのだろうかといえば、正確には分からぬが、それはニーチェのいわんとする「病者の光学」といったものかもしれない。

続 ものぐさ精神分析 -岸田秀 著|中公文庫
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遠足をかねて、御殿場の「麦畑」というバイキングとビールのレストランで飲み食い。年齢がら、もうあまりたくさん食べられないと分かっていながら、たくさん飲み食いしてしまう。御殿場からの富士山がきれい。楽しかった。
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山と溪谷社の本『多摩ハイク』の「01 長沼公園・平山城址公園」をたよりに俳句の吟行も兼ねてハイキングをしました。なかなかの山道もあり、気持ちがいい。猫に出会うと写真に撮ってしまいます。それに山羊もいた。詠んだ俳句が二つ。

 森の道落葉踏みしは絨毯か

 山羊の鳴く冬の夕暮道の柵

オムロンの万歩計を見ると、今日、歩いた歩数が22,215歩。やった。
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プロフィール
HN:
えいちゃん
性別:
男性
職業:
S.E.
趣味:
音楽
自己紹介:
音楽を演奏したり聴いたりするのが好きです。
歌ってしまいます。そしてギターも少々。
Sam CookeやOtis Reddingなど古いR&Bが好きです。
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