えいちゃん(さかい きよたか)
えいちゃんのぶろぐ



二月二日の新宿末廣亭令和七年二月上席昼の部を見に行きました。いつものように見た演目、その他を書き出してみます。名前を名のらなかった前座くんの「転失気」、二つ目の春風亭だいえいくんの「好きと怖い」、柳家福多楼師匠の「反対俥」、ウクレレえいじさんのウクレレ漫談、桂扇生師匠の「厄払い」、神田茜師匠の講談の「でもね」、松旭斉美智さんと・松旭斉美登さんのお二人の奇術、三遊亭歌る多師匠の「替り目」、三遊亭吉窓師匠の「山号寺号」とかっぽれの踊りの「茄子と南瓜」、寒空はだかさんの漫談、むかし家今松師匠の「天狗裁き」で仲入りです。柳家三枝師匠、橘家竹蔵師匠、桂文楽師匠、桂ひな太郎師匠の座談会、いろんな演者による節分の豆まき、立花家あまね師匠の三味線弾きの唄いの俗曲、柳家小団治師匠の「ぜんざい公社」、金魚さんとにゃん子さんのお二人の漫才、主任は古今亭文菊師匠の「稽古屋」でした。
柳家福多楼師匠の「反対俥」や三遊亭歌る多師匠の「替り目」でおおいに笑い、柳家三枝師匠、橘家竹蔵師匠、桂文楽師匠、桂ひな太郎師匠の座談会の昔の話に花が咲き、節分の豆まきで寿ぎます。ここには鬼はいないと「福は内」のみの掛け声に、ほんわかした寄席とはどういうところかを見た思いでもあります。金魚さんとにゃん子さんのお二人の漫才の大爆笑。そして、古今亭文菊師匠の、テレビとかの笑いにはない、どぎつくない、毒や刺激のない、そこはかとない、ほのかなおかしみ、温かみの笑いの「稽古屋」は最高でした。寄席はパラダイス。






恵比寿駅から歩いて15分ぐらいのところにある山種美術館で『HAPPYな日本美術
―伊藤若冲から横山大観、川端龍子へ―』を見ました。日本の吉祥の絵を見て、寿ぎましたよ。
横山大観って、何か、オリエンタリズムの画家というようような気がして、どこか軽蔑していたのだけれど、実物の絵を見ると、全然、違うのですね。富士山を描いた「心神」の飾りのない美しさよ。やはり、絵は本物を見なくてはなりませんな。反省いたします。岡倉天心らとともに西洋化の波に抗い、日本美術の再興を志した大観の心はいかに? 小松均の見事な「赤富士図」を見ながら、ぼくには伝統は変わりながら受け継がれるもののような気がするのです。
『HAPPYな日本美術』には、かわいい絵もいっぱい。川端龍子の象を描いた「百子図」と鯉を描いた「鯉」が、とうてい同じ画家の描いたものとは思われないのです。幅広い作風だのう。
余談ながら、山種美術館の中にあるカフェで抹茶をたのんでみました。抹茶がこんなに甘くて、美味しいものだとは知りませんでした。
あー、七福神、松竹梅、富士、鷹、茄子、鶴、雉、鶏、象、蛇、蛙、鯉、鯛、蛸、牛、獅子、鹿、たくさんの幸せの絵をありがとう、おめでとう。


小泉堯史監督の『雪の花 ともに在りて』を見ました。吉村昭原作のど真ん中の時代劇映画です。
主演の福井の町医者を松坂桃李さんが演じ、その妻を芳根京子さんが演じています。芳根京子さんが可憐でいい。町医者に西洋医学を授ける京都の蘭方医を役所広司さんが演じています。役所広司さんはかっこいい。
天然痘という疫病に立ち向かった医師にまつわるヒューマンドラマの物語は、乱れることなく真っすぐにめでたし、めでたしの大団円に向かっていきます。ダイナミックな事件が静かに、静かに結末に向かいます。何か昔の日本映画のようなので、けれん味なく、破綻なく進んでいくのが、逆に素晴らしいと思いました。
小泉堯史監督は、黒澤明監督に最も遅れて教わった高弟で、美しい日本映画を撮りたかったそうで、この『雪の花』は黒澤明というより小津安二郎監督の映画のようでもあって、デジタルではなく、フィルムで撮られたすべてのシーンが美しい絵のようでもあるのです。いい映画を見たという嬉しい感動すらあったのです。
映画『雪の花 ―ともに在りて―』大ヒット上映中 - 劇場公開作品


五木寛之さんの著した『忘れ得ぬ人 忘れ得ぬ言葉』が面白くて、一気に読みました。五木寛之さんがさまざまな人との交流の中で、対談の時などに聞いた何気ない言葉を思い出しつつ、書いたエッセイです。46人もの人との交流と印象に残った言葉が記されております。
例えば、批評家の小林秀雄さんは「人間は生まれた時から、死へ向かってとぼとぼ歩いていくような存在です」。例えば、女優の八千草薫さんは「激しい豪雨ではなく日本らしい雨期になって欲しいです」。例えば、C・W・ニコルさんは「きちんとひげを剃る。そんなタイプの男が、いざという時に強かったんです」。ぼくは読みながら、この本に書かれた今はもう亡くなってしまった人の気配にたじろいでしまいそうになります。
最後の章は、五木寛之さんの父君、信蔵さんの言葉「寝るより楽はなかりけり。浮き世の馬鹿が起きて働く」。戦中、戦後と時代に翻弄され苦労つづきで、早くに亡くなった父のことを五木さんは述懐し、父の「浮き世」は「憂き世」ではなかったのか、と慨嘆する。ぼくの亡き父も「寝るより楽はなかりけり」とよく言っていたのだけれど、その後の「浮き世の馬鹿が起きて働く」は、この本『忘れ得ぬ人 忘れ得ぬ言葉』で知った。などと思うと、生きているかのようなぼくの父の気配を少しだけ感じてしまい、恐れおののいてしまうのです。
『忘れ得ぬ人 忘れ得ぬ言葉』 五木寛之


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プロフィール
HN:
えいちゃん
性別:
男性
職業:
S.E.
趣味:
音楽
自己紹介:
音楽を演奏したり聴いたりするのが好きです。
歌ってしまいます。そしてギターも少々。
Sam CookeやOtis Reddingなど古いR&Bが好きです。
歌ってしまいます。そしてギターも少々。
Sam CookeやOtis Reddingなど古いR&Bが好きです。


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