えいちゃん(さかい きよたか)

えいちゃんのぶろぐ

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村上春樹さんの『猫を捨てる 父親について語るとき』を読む。今をときめく長年のノーベル賞候補の作家、村上春樹が父について書いた珍しい私小説。

ぼくは、父と男の子の間には何かの物語が生まれる揺り籠のようなものがあるとも思う。歌だってそうだ。ロック・ミュージックには特に父との葛藤を生涯の一つの歌うべきテーマとなってしまったシンガーもいて、浜田省吾から尾崎豊、ブルース・スピリングスティーンを思い出す。

村上春樹さんはどうのように父親を語るのだろうか? それは前の大戦の記憶をも呼び覚まし、この読書は、ぼくの身もつまされる。

父さん、あなたは戦争に行ったのですね。父さん、あなたはどうしてそんなに速く走るのですか? あなたの背中しか見えないではないですか。本を読みながら、そんなぼく自身の声を聞いたような気もするのです。

台湾の新進のイラストレーター、高研さんの表紙やカラーの口絵も何かを思い出させるかのようで、素敵な小さな本です。





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この前、テレビで横浜の街のぶらぶら歩きをするみたいな番組の中で、バンクシーの展覧会を紹介していた。有名な花束を投げようとする男の作品を見て、そのタレントさんは、石ではなく花を投げろというメッセージかなと言っていたのに、ぼくは驚いた。この花束を投げる絵のメッセージは、命すらも脅かされる抑圧の中にいるパレスチナの人々にとって、せめてもの石つぶてを投げることは、花を投げているに等しいことなのだというようなことだと了解していたのだが、タレントさんとぼくとの感じ方はまったく逆で、だからこそアートは素晴らしい。

ぼくも「バンクシー展 天才か反逆者か」に行ってみた。若い人たちがいっぱいで、びっくりした。バンクシーのような左よりの作家の展覧会などは、今時はがらがらだろうと思っていたのだが、新型コロナウィルス禍の中、事前予約の入場制限はあるものの、若い人たちでごったがえしてした。ちなみに「左より」とういうのは、バンクシーが自身の作品を指して言った言葉でもあります。

展覧会を見ながら、このようなアーティストを生み出したイギリスという国はなんて自由な国なんだなと思う。もしかして、アメリカよりも自由であるのかもしれない。昔、ユーチューブで、BBCにどうしてBBCは公共放送にもかかわらず、番組の放映終了の時、国歌を放送しないのかという抗議に、BBCのアナウンサーは、では私たちの「God Save The Queen」を放送しましょうと言って、セックスピストルズの「God Save The Queen」をかけたのには、びっくりした。

イギリスの半世紀前の小説家、ジョージ・オーウェルの名作「1984」や「動物農場」、「カタロニア賛歌」を思い出し、それらと同じく、バンクシーの鋭い批評眼が作品を芸術にまで高めているとも思える。

壁に塗りたくっているジョー・ストラマーみたいなバンクシー。自由じゃなければ、生きていられない。

Stay Free!

バンクシー展 天才か反逆者か
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Alan Elliott、Sydney Pollack監督の"Amazing Grace"のDVDを見ました。Aretha Flanklinの1972年のロスアンゼルスの教会でのライブです。教会は思ったほどにはそんなに大きくなく、コンサートというより、ゴスペルを歌い演奏する日曜礼拝。バックの演奏は、ギターがCornell Dupree、ベースがChuck Rainey、ドラムスがBernard Purdie、鉄壁の完璧です。Southern California Community Choirのゴスペル・コーラスの素晴らしさと天使や神さまが降りてきてもいるだろうArethaの神がかりの歌。見ているうちに鳥肌が立ち、何度もぼくの眼から涙がこぼれ落ちました。

(アマゾンでDVDを買ったのですが、リージョン・エラーでDVDプレイヤーでは見れず、パソコンで見ました。御注意あれ。そして、ヘッドフォンでけっこう音量をあげて視聴すること、お勧めします。映画館で見たかったな。どうして日本公開しないんだろう?)

AMAZING GRACE - Official Trailer - Aretha Franklin Concert Film
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こんな夢を見た。ぼくは市のひばり放送の音で目を覚ます。窓を閉めて、外には出ないでくださいと放送している。ばくは窓を閉めようと窓際まで歩く。窓のを閉めて、外を眺めると、あたり一面に小さな色とりどりのほどけた小さなリボンの雲のようなものがただよっている。これが危険なものなのかとぼくは思い、危険なものは以外に奇麗で美しいものでもあるんだなと思って、その色とりどりのあたりに漂うリボンの雲を眺めている

そこで目が覚めた。これは昨今の新型コロナウィルス禍の世界を視覚化したものであろうか? もしかして、これは、あちこちで美しいひとりぼっちが漂い、ひとり歩きしているというこなのかしら? わかりません。
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東京藝術大学大学美術館に「あるがままのアート −人知れず表現し続ける者たち−」展を見に行った。何を見てもおもしろい。何か、やさしいような、鈍器のようなものが心に深く刺さってきて、見ていると鳥肌が立ってきた。

特別展「あるがままのアート -人知れず表現し続ける者たち-」
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「木喰五行明満上人道歌抄」を読みました。たった二十二頁の木喰上人の歌集で、この前、訪れた木喰の里微笑館で購入したものです。木喰上人とはどんな人か? この本というより冊子に書かれた「木喰上人略伝」から引用すれば、こんな人だったらしい。

「心願として八宗一見を志し、日本全国中普く霊仏霊者を参して其法印を印せざる所なく、永き遍路の一生を随所に一夜の説教と、一切四百衆の病を見る事と、而て因縁のある所に千体仏を遺す事とを以て特に優れたる行蹟として、今尚ほ国々の全土に其跡が残って居る」

木喰上人は生涯の旅の途中でたくさんの書画も残した人で、この「木喰五行明満上人道歌抄」の歌はその一部であるとのこと。ありがたき、いくつかの歌をご紹介いたします。

日月の。心の神の。天てらば
     祈る心も。おなし日月

皆人の。心に咲きし。白蓮花
     花は散りてもたねはのこらむ

我心。にごせばにごる。すめばすむ
     すむもにごるも。心なりけり
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近所でたくさん百日紅の花が咲いています。葛飾北斎が愛した花「百日紅」は「百日紅」と書いて「さるすべり」と読みます。木がつるつるでお猿さんも滑って落ちるのかも。散っては咲いて、散っては咲いて、夏中、咲きつづけます。




「百日紅」という杉浦日向子の描いた劇画があって、よかったな。それを原作にした原恵一監督のアニメ「百日紅」もよかった。

夏です。







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プロフィール
HN:
えいちゃん
性別:
男性
職業:
S.E.
趣味:
音楽
自己紹介:
音楽を演奏したり聴いたりするのが好きです。
歌ってしまいます。そしてギターも少々。
Sam CookeやOtis Reddingなど古いR&Bが好きです。
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