えいちゃん(さかい きよたか)

えいちゃんのぶろぐ

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本村雅宏さんの著した『宇奈月小学校フライ教室日記 先生、釣りに行きませんか。』を読みました。およそ20年以上前、富山県黒部川の上流の小学校である先生がフライフィッシングを教え始めた、その記録の本で、子どもたちのキラキラ輝く瞳や笑顔が胸にせまってくるような読みものでした。本の帯にはこんな言葉もあります。

「富山県黒部川最上流の小学校で、とある教師がフライフィッシングの教室を開いた。身近な自然が、とたんにまぶしく輝き始めた。──いま注目の「環境教育」、時代に先駆けた9年間のリアルなドキュメント。せんせ。ほら。おさかな。つるよ。」

読みながら、何度も感動してしまいます。今、ぼくはフライフィッシングにはまりかけてもいるからね。もっと早くにフライフィッシングに出会っていれば、とも思いますが、ものごとはいつ始めてもいいんだし、ぼくの人生の中で、西の方へお日様の傾きだした今でよかったんだ。

宇奈月小学校も今はなくなり、この本の釣りに熱中した子どもたちのその後をつづった「あとがきにかえて」はちょっとほろ苦い。その「あとがきにかえて」を読みながら、ぼくはサン・テグジュペリの「星の王子さま」の有名な書き出しの一文を思い出してもいたのです。

「大人は、だれも、はじめは子どもだった。(しかし、そのことを忘れずにいるおとなは、いくらもいない。)」

けれども、ぼくは、フランスの偉大な小説家にして飛行機乗りのこの言葉にこう反駁したいのです。

「みんな、おぼえているよ。」






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清水ハン栄治監督の『トゥルーノース』を見ました。北朝鮮の政治犯やそれに類すると当局が決めつけた人たち強制収容所をすこしだけ古っぽいアニメで描いた映画でした。

目をそむけたくなる地獄の環境の中でもヒューマニティの輝きがあって、それを描いた清水ハン栄治監督は素晴らしい。いくつもの映画賞を受賞しています。清水ハン栄治さんは横浜生まれの在日コリアンの四世だそうで、自身にとっても、とても切実な問題を深くリアルに取り上げるべく、この映画は取材に十年かかっているそうです。

一党独裁の国、この映画で描かれた国やその隣に広がる大きな国の残酷な指導者におれは疑問を投げかけたい。人権ということに関して、内政干渉ということはあるのかね?

それから、日本も入国管理局でのあいつぐ死亡が報道されていて、G7の会合などに首相は出席しているけれど、本当に日本は民主主義と人権の価値観を共有できているのかね?

ほぼ二年前の板門店での北朝鮮の金正恩国務委員長、米国のトランプ大統領、韓国の文在寅大統領の三者会談って何だったのかね?

この『トゥルーノース』にこそ真実の欠片はあって、世界中で見られるべき映画だと思います。

映画『トゥルーノース』公式サイト
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スパイク・リー監督の『アメリカン・ユートピア』を見ました。デイヴィッド・バーンの2018年の最新アルバム「アメリカン・ユートピア」を基にした70歳まじかの白髪のデイヴィッド・バーン自身が11人ものミュージシャンたちと歌い、演奏し、踊るブロードウェイのミュージカルをそのまま、スパイク・リーがキャプチャした映画。

デイヴィッド・バーン、元気です。

なぜ、スパイク・リー監督なのかな、と疑問にも思って見てるいると、映画のラストの方で、その疑問も氷解しました。二人には熱い連帯があります。それは見てのお楽しみ。

デイヴィッド・バーンというとポストパンクの名バンド、Talking Heads。セカンドアルバムの"More Songs"とサードアルバムの"Fear of Music"は高校生のころ、よく聴いておりました。ライブの映画「ストップ・メイキング・センス」が評判のころ、デイヴィッドは、ぼくが演じているのはニューヨークの良き共和党員なんだよ、などと言っていて、しゃれのきつい人だな、とぼくは思っていたっけ。

この『アメリカン・ユートピア』で一番かっこいいのは、それまで、歌えや、踊れで、演奏していなかったバーンがギターを手渡されて、"I Zimbra"を鋭すぎるカッティングで弾き始めるところかな。ニューヨークの薄汚れたライブハウス、CBGBで演奏するTalking Headsって、どんなだったのだろう? ティナ・ウェイマスのベース、最高で大好きでした。けれど、再結成とかして欲しくはないよ。それよか、この「アメリカン・ユートピア」のミュージカルの客席に笑いながらティナとジェリー・ハリスン、クリス・フランツの三人がいて欲しい、などと思っていたのです。

映画『アメリカン・ユートピア』公式サイト
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フライフィッシングの初心者セットを買い、うらたんざわ渓流釣場に行って、フライフィッシングをしてみました。うらたんざわ渓流釣場は、山道の車でしか行けないようなところで、それはそれは辺鄙なところで、自然の景観も美しく、人もがやがやしてなくて、とてもいいところでした。

写真は初めの一匹で、その後、アタリはあるのだけど、釣れません。もともとは釣れなくてもいいや、という気持ちで釣行に出かけたのですが、始めてしまうと、狩猟本能が目覚めます。

釣りをしている時は、魚のことを思っていて、仕事とか会社とか社会とかの人生のつまらないことを考えていなくて、これはストレスフリーだと実感します。

難しいといわれているフライラインをロッドで振って、虫に似せた小さな疑似餌を投げ飛ばすのも、それなりに慣れてきました。鱒がライズしてフライ食いつこうとするシーンを何度も見てしまい、あっ、と小さく声をあげているぼくがおり、ふと向こう岸を見ると、同じくフライフィッシングをしている女子が、入れ食い状態的に、何度も釣りあげて、さもこなれた手つきでランディングネットで魚を取り込み、そして、リリースしています。かっこいいなぁ。

ぼくが釣竿を携えて渓谷や山中のフィールドに出るのもそう遠い未来ではないはず。

うらたんざわ渓流釣場 【公式サイト】
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シェリダン・アンダーソンさんと田渕義雄さんの共著の『フライフィッシング教書』を読みました。

読み始めると、以前にいつかこの本は読んだことがあるような、デジャブ(既視感)を感じてしまいました。魚釣りを少しだけかじって、昔、魚釣りの本を読んだことがあるとしても、難しそうなフライフィッシングをしようと思ったことはなく、この『フライフィッシング教書』は決して読んだことはないのに、何か不思議さを感じます。

1979年に初版が出され、2021年の今年で34刷となる、ロングセラーの教科書的名著なのです。シェリダン・アンダーソンさん、田渕義雄さん、二人とも悲しいことにすでに故人となっておられます。この本は「PART1 カーティス・クリーク宣言書」、「PART2 日本のカーティス・クリークのために」、「PART3 わがカーティス・クリークのほとりで」の3つのパートに分かれていて、「PART1」をシェリダン・アンダーソンさんが書かれておられ、「PART2」と「PART3」を田渕義雄さんが書かれておられます。「PART1 カーティス・クリーク宣言書」が初心者にも分かるロバート・クラムの漫画のような楽しいイラスト入りの入門編をかねた実践編。「PART2」と「PART3」はとても専門的で、今のぼくには書かれていることがあまりピンとこないのですが、何年か後に読み返せば、なるほどと溜飲を下げることもできるのでしょうか?

さて、「カーティス・クリーク」とは何でしょうか? シェリダン・アンダーソンさんによればこういうことらしい。

「カーティス・クリークは、文字通りには“カーティスの川”ということ。そして、これはこっそりと釣りにいく川という意味。カーティス・クリーク、それは、冷たい流れにマスたちが泳ぐ、喜びに満ちたどこまでにつづく川の広がり……、誰にも教えない秘密の川、心の川」

「カーティス・クリーク宣言書」のおしまいにシェリダン・アンダーソンさんは、この宣言の読者のぼくにこう課しています。

「きみの最期のレッスンとしてぼくはきみに、きみ自身のカーティス・クリークを発見する仕事を課す。それは喜びに満ちた、汚されていない、何処までもつづく川の広がりであり、きみはその川を他の何物よりも大切にするだろう。この人生には、カーティス・クリークはいくらも存在しない。だから、きみがそれを発見したら、秘密にしなさい」

ぼくはカーティス・クリークを探しにいくぞ。







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テニスプレイヤーの大坂なおみさんはチャンピオンだと思う。大江健三郎さんによれば、「チャンピオン」の語義はよく知られた「勝者」以外に、語源をさかのぼれば、「チャンピオン」の定義は、「ある人のために代わって戦う者。」「大切なことを他の人の代わりにやる役目」というようなことでもあるらしい。心貧しくもぼくは大坂なおみさんを応援しております。
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こんな夢を見た。ぼくは派遣先の人から月末に派遣終了を言い渡される。派遣先の人は、もっといて欲しいのだけど、新しく来た上司が、なぜだかこれを決定してしまった、わけがわからない、と言う。今日は感謝のしるしに車を用意しました、ご自宅まで車でお帰りください、とも言われる。終業の時間となり会社を出ると、黒い高級そうなハイアーが停まっていて、ぼくはそれに乗り込む。家に向かう車の中で、次の派遣先が決まらなければ、このまま会社を辞めてしまって、リタイアしよう、と考えている。後は好きなこと、やりたいと思っていてできなかったことだけをして人生を過ごそう、と思い浮かべている。車の窓からの夕暮れを見ながら、歌って旅をすることを思い浮かべている。やってみたくて、していなかった渓流釣りのことを思い浮かべていると、深い森の中の川面で魚が跳ねているのを見た気がした。

そこで目が覚めた。今日は月末でこの夢は正夢にならなかったのだけれども、フロイトは夢を欲望だといい、ユングは夢を予見だという。

ゆめゆめうたがふことなかれ
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プロフィール
HN:
えいちゃん
性別:
男性
職業:
S.E.
趣味:
音楽
自己紹介:
音楽を演奏したり聴いたりするのが好きです。
歌ってしまいます。そしてギターも少々。
Sam CookeやOtis Reddingなど古いR&Bが好きです。
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