えいちゃん(さかい きよたか)

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松村雄策さんの訃報を聞き、松村さんの著した本『僕を作った66枚のレコード』を読み、アルバム『UNFINISHE REMEMBERS』を聴く。

松村さんは渋谷陽一さんのロック雑誌「ロッキング・オン」のライターで、ぼくが松村さんの文をよく読んでいたのは中学生の頃だった。その雑誌の中で、岩谷宏さんの文と松村雄策さんの文が好きだった。松村さんもぼくもアイドルはジョン・レノンとジム・モリソン。岩谷宏さんのイギー・ポップの詞の訳と文はかっこよかったな。

その後、パンクロックが登場して、それとは関係なく、高校生の頃は「ニュー・ミュージック・マガジン」を読むようになり、「ロッキング・オン」はあまり読まなくなっていた。「ニュー・ミュージック・マガジン」ではアメリカンロックが多く取り上げられ、「ロッキング・オン」ではブリティッシュロックが多く取り上げられていた。「ニュー・ミュージック・マガジン」でブルースやらのロック以外の記事も多くて、「ロッキング・オン」的にいうと、その選択は必然だった。ぼくは世界中のポップミュージックを聴きたかった。「ロッキング・オン」が「ニュー・ミュージック・マガジン」の点数を付けたレコード評を、学校の成績表か、ロックは点数で付けらるようなものじゃないだろ、などと批判していたのは、なるほどと思った。なるほど、と思いながら、ぼくは「ニュー・ミュージック・マガジン」で10点満点の付いたロバート・ジョンソンのレコードを買っていた。

『僕を作った66枚のレコード』は2017年に出されていて、ぼくが松村雄策さんの文を読んでいたあの頃のままなのだ。渋谷陽一さんは松村さんの訃報に際し、松村さんのことを「永遠の青春」と述懐していた。この『僕を作った66枚のレコード』が面白くて、一気に読んでしまったぼくも「永遠の青春」じゃん。

そして、ぼくは『UNFINISHE REMEMBERS』を聴いている。松村さんの歌って透明なガラスのようだ。けれど、そのガラスに近づけば、それが無数に傷だらけなのに気づく。ロックンロールってそういうことじゃん、とぼくはひとりごちる。それは完全に正しい、と松村雄策さんの声が聞こえたような気がした。

ロックンロールを胸に松村雄策さんは70歳で逝ってしまった。冥福をお祈りいたします。






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えいちゃん
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音楽を演奏したり聴いたりするのが好きです。
歌ってしまいます。そしてギターも少々。
Sam CookeやOtis Reddingなど古いR&Bが好きです。
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