えいちゃん(さかい きよたか)
えいちゃんのぶろぐ

国立能楽堂で能楽鑑賞をしました。
狂言は大蔵流の「鬼ヶ宿」。女を訪ねて来た男を追い払おうと、女は鬼の面を着けるという話。昔の人のおおらかな笑いが何ともいい。
能は宝生流の「志賀」。江州の志賀の山中で一人の翁と帝の臣下が出会う。翁は背に薪を持ち、それに一本の桜の枝をさしておりおり、何か様子がおかしい。その翁は「古今和歌集」で紀貫之に六歌仙にも選ばれた大伴黒主であった。大伴黒主は、今や志賀大明神に化身しており、山桜を咲かせ、和歌の心を称え、帝の治世による平和を言祝ぎ、神楽の舞を踊る。この能に込められた願いに今の世界とのシンクロニシティを感じました。曲が終わり、演者も去った舞台の鏡板の松を見ながら、いつものように胸がじーんとしてしまいます。この不遇でもあった大伴黒主の読んだ歌。
春雨の降るは涙か桜花散るを惜しまぬ人しなければ

<< 浅草演芸ホールの令和六年上席昼の部
HOME
ノスタルジア >>
[2752] [2751] [2750] [2749] [2748] [2747] [2746] [2745] [2744] [2743] [2742]
[2752] [2751] [2750] [2749] [2748] [2747] [2746] [2745] [2744] [2743] [2742]
この記事にコメントする