えいちゃん(さかい きよたか)

えいちゃんのぶろぐ

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ジョージ・オーウェルの「一九八四年」に続いて、もう一冊のユートピアならぬディストピアもののSF小説としてレイ・ブラッドベリの「華氏451度」を読了した。どのような小説かは扉の言葉に詩的に表現されていもする。

「華氏四五一度―この温度で書物の紙は引火し、そして燃える」

これは近い未来にすべての書物が読むことを禁止され、それが見つかれば、消防士ならぬ昇火士によって本は燃やされ、もしも、それを拒めば、命すら奪われてしまう、そんな世界の物語なのです。

想像してみてください。三島由紀夫も大江健三郎も深沢七郎も谷崎潤一郎も中上健次もヘミングウェイもヘルマン・ヘッセもハーマイン・メルヴィルもエミリー・ブロンテもアルチュール・ランボーもルイ・フェルディナン・セリーヌもニーチェやフロイトやユング、レビ・ストローフ、アーサー・C・クラーク、スティーブン・キング、そして、もちろんレイ・ブラッドベリ、あぁ、あげていけば、きりがないのだけど、それらのない世界なのです。本好きのぼくとしては恐ろしいというか、何かを読んで感じることを禁じられる世界のおぞましさよ。

そいいえば、焚書といえば、ナチスのドイツ学生連合会が非ドイツ的と決めつけ、フロイト、ケストナー、ハイネ、マルクスなど二万冊を広場で焼いて灰にしたと、この「華氏451度」の解説にもあったが、それを忘れないための図書館「本のない図書館」がベルリンにあるというのだが、その図書館の小さな石碑にハイネのこんな言葉が刻まれているそうだ。

「これは序幕の出来事に過ぎなかった。書物が焼かれるところでは、最後には人間までもが焼かれるのだ」

加えて、18世紀のフランスの啓蒙思想家、ヴォルテールの言葉にこんなものもある。

「私はあなたの意見には反対だ、だがあなたがそれを主張する権利は命をかけて守る」

さて、「華氏451度」に戻れば、訳者、伊藤典夫さんの力量よるところも大きいとは思うのだけど、この本の中の文は、韻を踏まない詩のように美しく、かっこいい。物語は支離滅裂の一歩手前のようなところもあるのだけど、かすかな希望を感じさせるファイナルもあって、「一九八四年」と同じく傑作だと思った。

そして、もちろん、自由に考えたり、自由に感じたり、自由に想像することって大切なことだと思います。






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えいちゃん
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男性
職業:
S.E.
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音楽
自己紹介:
音楽を演奏したり聴いたりするのが好きです。
歌ってしまいます。そしてギターも少々。
Sam CookeやOtis Reddingなど古いR&Bが好きです。
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