えいちゃん(さかい きよたか)

えいちゃんのぶろぐ

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蔦哲一朗監督の『黒の牛』を見ました。禅の「十牛図」にインスパイアされた日本・台湾・アメリカの合作映画であります。ぼくは「十牛図」が好きで、いろんな解説本も読んでみましたが、本当に納得した本には未だ出会っておりません。近ごろでは、あなたにはあなたの「十牛図」があり、わたしにはわたしの「十牛図」があるのではなかろうか、などと思ってもおります。けれども、いつか京都の相国寺に伝わる「十牛図」は見てみたいものです。

この蔦哲一朗監督の『黒の牛』の「十牛図」ですが、「一、尋牛(じんぎゅう)」、「二、見跡(けんぜき/けんせき)」、「三、見牛(けんぎゅう)」、「四、得牛(とくぎゅう)」、「五、牧牛(ぼくぎゅう)」、「六、騎牛帰家(きぎゅうきか)」、「七、忘牛存人(ぼうぎゅうぞんじん/ぼうぎゅうそんにん)」、「八、人牛倶忘(じんぎゅうぐぼう/にんぎゅうぐぼう)」とたどりながら、空気すらも感じさせるモノクロの映像が美しく、なかなかのものでごさいました。セリフのほとんどない映画にもかかわらず、以外に眠くもなりませんでした。そして、「九、返本還源(へんぽんかんげん/へんぽんげんげん)」と「十、入鄽垂手(にってんすいしゅ)」では映画的な驚きの展開ともなり、また一つ、新たな「十牛図」が、ぼくの胸に深く響いたようでもあったのです。

映画「黒の牛」公式サイト - alfazbetmovie.com
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VODで大島渚監督の『日本の夜と霧』を見ました。1960年の映画です。公開開始後、4日目に会社の自主規制により、上映禁止とされた映画は、その後、数年間、日の目を見なかったという。結婚披露宴を舞台に1960年の安保反対闘争の敗北へとつらなる学生運動が告発されながら語られる会話劇は、「若者よ 身体を鍛えておけ 美しい心が 逞しい身体に からくも支えられる時が いつかは来る その時のために 身体を鍛えておけ 若者よ」という歌詞が何度もリフレインされつつも、異様な緊迫感で、ぼくは圧倒されてしまう。学生運動が肯定的には描かれてはおらず、その内部から批評的、批判的に描かれていて、その内実は、1970年の学生運動の内ゲバと連合赤軍同士リンチ殺人事件により、終焉していく、それを予言しているかのようなのだ。『日本の夜と霧』の上映禁止を受け、大島渚は松竹を抗議のために退社する。所謂「松竹ヌーヴェル・ヴァーグ」の崩壊。そして、大島は1960年代に、自主製作により、猛スピードで何本も映画を作り続け、時代を疾走する。
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東京証券会館ホールで『師弟四景〜雲助一門〜』でした。見た演目を書き出してみます。前座の隅田川わたしくんの「狸の札」、蜃気楼龍玉師匠の「鹿政談」、五街道雲助師匠の「二番煎じ」で仲入りです。隅田川馬石師匠の「締め込み」、主任は桃月庵白酒師匠の「抜け雀」でした。

主任はてっきり人間国宝の五街道雲助師匠がとるものかと思っていたのだけれど、そうでもないのですな。そういう飄々とした無頼の心の雲助師匠が素敵だし、その師匠ぶりも素晴らしく、桃月庵白酒師匠、隅田川馬石師匠、蜃気楼龍玉師匠という別々の味の名人を育てたなんざ、まさしく国宝だ。さて、今日の落とし噺、どの噺もはしょらない長講で語ってくれたのが嬉しい。とくに桃月庵白酒師匠の「抜け雀」は大好きな噺です。楽しかった。

暗いこの世のつらさ忘れ、落語は心のオアシスです。
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ほねごり杜のホールはしもとにて『第25回さがみはら若手落語家選手権』の第2回予選会を見に行きました。見た演目を記します。はじめは予選枠外で開口一番ということで前座の柳亭すわ郎くんの「平林」、二つ目の桂小右治くんの「小間物屋政談」、二つ目の柳家あお馬くんの「風呂敷」、二つ目の三遊亭兼太郎くんの「堪忍袋」で仲入りとなりました。二つ目の三遊亭小とりくんの「すべて夢の中」、二つ目の金原亭杏寿さんの「たらちね」でした。

この『第25回さがみはら若手落語家選手権』は二つ目のコンクールで本選に進める人をお客さんの投票で決めます。ぼくは金原亭杏寿さんの「たらちね」に投票しました。「たらちね」は、寄席で何度も数限りなく聴いた、ありふれた耳馴染みの噺ですが、金原亭杏寿さんの「たらちね」は、コンクールにありがちな、人を無理に笑わせようとするような、嫌みなところもなく、一番、楽しく聴けました。全体の投票でも、金原亭杏寿さんが一番となり、本選に進むということでございます。おめでとうございます。しかし、若い人(といってもみんな三十過ぎだが)が夢を追いかけるのを見るのって、まぶしいものがありますな。

暗いこの世のつらさ忘れ、落語は心のオアシスです。
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VODで小津安二郎監督の『浮草』を見ました。1959年の映画です。小津の映画としては松竹ではなく大映の映画で、松竹の雨はしとしと降るのだけど、大映の映画がざーざー降るのだな。二代目中村鴈治郎の演ずる旅芝居の一座の座長と京マチ子の演ずる一座の花形のどしゃぶりの雨の中、言い合いをする場面が激しくて、すごい。座長の隠し子をめぐって、何やかやと起こる。その隠し子を川口浩が演じています。その隠し子と恋仲になる一座の若い女役者が、若尾文子でとても可憐で素敵です。そして、京マチ子はあくまでも妖艶です。隠し子の母を杉村春子が演じていて、さすが大女優、やっぱ上手いなぁ。静かで淡々とした物語の多い小津作品の中で、この『浮草』は動の名作です。
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一月二十三日、新宿末廣亭にて令和八年一月下席昼の部です。見た演目を書き出してみます。前座のやなぎ弥七くんの「他行」、
二つ目の三遊亭遊子くんの「ぜんざい公社」、六華亭遊花師匠の「転宅」、山上兄弟のお二人の奇術、橘ノ圓満師匠の「つる」、神田陽子師匠の講談「中江藤樹と母」と「徂徠豆腐」、コント山口君と竹田君のお二人のコント 、三遊亭遊雀師匠の「熊の皮」、三遊亭遊之介師匠の「ふぐ鍋」、林家今丸師匠の紙切り、桂枝太郎師匠の「おすわどん」、三笑亭夢太朗師匠の「替り目」でお中入りです。桂三四郎師匠の「MOMO」、国分健二さんの漫談、三遊亭遊吉師匠の「天神山」、桂南なん師匠の「安兵衛狐」、ボンボンブラザースのお二人の曲芸、主任は三遊亭遊三師匠の「蛙茶番」でした。

今日は三遊亭遊三師匠の一門がたくさん出演しておられました。巨大ファミリーです。そんな中でコント山口君と竹田君のコント からつづく三遊亭遊雀師匠の「熊の皮」がぼくの笑いのピークでございました。三遊亭遊三師匠の「蛙茶番」は貫禄の大きなめでたし、めでたしの笑いにほぼ満席の末廣亭がつつまれておりましたね。あとで調べると「蛙茶番」は戦時中の禁演落語。三遊亭遊三師匠の「蛙茶番」はおおらか、猥雑、骨も筋もある、見事さでございました。

暗いこの世のつらさ忘れ、寄席は心のオアシスです。
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VODで小津安二郎監督の『お早よう』を見ました。1959年の映画です。軽いコメディーです。当時の世相への批評精神もありますな。音楽はいつもの斎藤高順ではなく黛敏郎です。その音楽の軽みのある不思議さがこの映画にとても合っています。子ども中心のコメディーで、小津安二郎は子どもを撮るのがうまいなぁ。1959年という時代の風俗、うつりかわっていく何かも、たっぷりと映されています。俳優はいつもの面々で、その中に異色の闖入者のような若い夫婦の大泉滉と泉京子が異彩を放っています。とくに大泉滉はいるだけで怪しい。小津安二郎のこういう肩のこらない映画もいいなぁ。
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プロフィール
HN:
えいちゃん
性別:
男性
職業:
S.E.
趣味:
音楽
自己紹介:
音楽を演奏したり聴いたりするのが好きです。
歌ってしまいます。そしてギターも少々。
Sam CookeやOtis Reddingなど古いR&Bが好きです。
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