えいちゃん(さかい きよたか)

えいちゃんのぶろぐ

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ちひろ美術館・東京に『ヒロシマトマト 司修展』を見に行きました。同時開催の『アンデルセン生誕220年 ちひろと見つめるアンデルセン』展も見ました。ぼくにとって司修というと書籍の装丁家のイメージが強いのは、若いころに読んだ本の装丁にあまりにたくさんの「司修」という名前を見ていたからなのです。昔、友だちの彼女だかお嫁さんだかに、司修さんの本の装丁の事務所で働いている人から、毎日、終電で帰る日々だと聞かされて、大変だな、などと思っていました。その人はしばらくして、さすがに司修さんのオフィスは辞められたそうです。バブル経済も後半のあの頃は「24時間働けますか」などと栄養ドリンクのCMが喧伝していて、そのような過残業が当たり前の時代でした。人生の短さを近ごろは感じ、もう二度と戻りたくははない、とぼくは考えます。さて、司修さんの話にもどり、この展覧会で原画が展示されていた広島の子どもにみまう原爆禍を描いた絵本『まちんと』は、いつまでも読まれ記憶されるべき本である、と思いました。司修さんが装丁家だけではなく、小説家でもあり、画家でもあって、どの分野でも素晴らしい作品を残していて、今でも現役であることが嬉しい。

ちひろ美術館は岩崎ちひろさんの絵本の原画を残すことを目的に設立された美術館であるとのこと。今では絵本の原画や資料の収集では世界一の美術館であるらしく、35の国と地域228人のアーティストによる約28,000点を所蔵している。青春時代に戦争を体験したちひろさんは「世界中のこども みんなに 平和としあわせを」という言葉を残しています。岩崎ちひろさんの描いた子どもの絵を見ながら、ぼくはこういうのが芸術の根本であるような気もするのです。それは、大切なものを心をこめて描く、ということだと思うのです。
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平塚市美術館で『原良介 サギ子とフナ子 光のそばで』展を見ました。シュールリアリズムとは違っているけれど、森の中で魚が泳いでいて、女子が魚に変容しつつあるというどこか不思議であり、清々しくもある絵にぼくは惹かれてしまいます。



ワークショップの「どうぶつを描こう!」の山内若菜さんが子どもたちに指導した絵も見ました。子どもたちが牛や馬の動物の絵をカードに描いて若菜さんの描いた巨大な牧場の絵に貼り付けてあります。これぞ、子どもが参加する絵だろうか? 大胆にして素晴らしい。


入場料の無料のエリアで岩崎ちひろの展覧会も開催されておりました。閲覧可能なかたちで展示されていた岩崎ちひろの絵本『戦火のなかの子どもたち』をめくってみる。今でもガザなどで、同じことが繰り返されていることに涙が出てくる。ちくしょう。



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上野に行き、国立科学博物館で『氷河期展 〜人類が見た4万年前の世界〜』を見ました。展示を見ながら、クロマニョン人を直接の祖先に持つホモサピエンスという種に属しているらしい人類がネアンデルタール人のように絶滅してしまうことも大いにありうる、とぼくは考えてしまいます。地球は生きものを育む宇宙の中で稀な星であるから、また別の種が現れ、知性を身につけ、その知性が邪悪でないことを願いもするのです。(人類ではなく、)生きものよ、永遠なれ。

その後、鈴本演芸場に行きました。七月十五日、上野鈴本演芸場令和七年中席夜の部なのです。いつものように見た演目を書き出しでみます。前座の隅田川わたしくんの「道具屋」、二つ目の林家あんこさんの「北斎の娘」、林家勝丸師匠の太神楽曲芸、林家たけ平師匠の「源平盛衰記」、三遊亭武蔵丸師匠の漫談 、立花家橘之助師匠の唄いの、三味線弾きの浮世節、弁財天和泉師匠の「匿名主婦只野人子」、林家正蔵師匠の「一文笛」で仲入りとなりました。如月琉さんの手品、林家百栄師匠の「寿司屋水滸伝」、江戸家猫八師匠の動物ものまね、主任は林家つる子師匠の「鴻池の犬」でした。

印象深く、心に残った噺です。三遊亭武蔵丸師匠の漫談はまたとない大爆笑で客席を暖めてくれましたね。弁財天和泉師匠の新作「匿名主婦只野人子」もいい感じ。林家正蔵師匠の「一文笛」はいぶし銀の素晴らしい人情噺。主任の林家つる子師匠の「鴻池の犬」も笑い、泣き、また笑い、堪能しました。ちなみに、つる子版「鴻池の犬」に出てくる犬が人に連れられてではない単独でする伊勢参りとは、本当にあったことらしいですよ。

暗いこの世のつらさ忘れ、寄席は心のオアシスなのです。
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黒澤明監督の『羅生門』をVODで見ました。1950年の日本映画です。

原作は芥川龍之介の『羅生門』ではなく、芥川の『藪の中』。ラストの捨てられた赤ん坊を志村喬の演じる杣売りが自ら育てると受け取るシーンは映画化により付け足された話であると思い、そこはいかにもヒューマニストの黒澤らしい。それ以外のこの映画の話はまったく芥川龍之介らしく、事件の当事者の三船敏郎の演じる盗賊の語ることも、森雅之演じる武士の語ることも、京マチ子演じる武士の妻の語ることも、本質的には交わらず、誰もが孤立した夢の中にいるように思えるのはどうしてだろう? このような話を書いた天才の小説家は、悲劇の最期を遂げるしかなかったようにも思えたのです。

松竹の雨はしとしと降り、大映の雨はざーざー降るといわれたらしいけらど、一級の演出家である黒澤明が『羅生門』に降らせた雨はまったくの豪雨で、曖昧なハッピーエンドでは小雨になっている。

京マチ子は妖艶で、志村喬は悩み、それは後の黒澤作品の『生きる』を先行するかのようだ。そして、盗賊の三船敏郎は『七人の侍』の千代丸を思わせるところもある。

ヴェネツィア国際映画祭の金獅子賞に輝く名作です。この映画は敗戦国の日本に日本人であることへのある種のプライドを感じさせたというのです。ここから豊穣の日本映画の1950年代が始まったのかもしれません。
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故・宮脇昭先生による宮脇メソッドでの植樹祭に行ってまいりました。秦野の震生湖近くの森の小さな一隅の植樹によってできたそこは、若木たちの楽園ができあがったかのような、そんな夢を見るかのようでした。
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SILENT POETSは下田法晴さんのソロ・プロジェクトで、その最新アルバム“HOPE”がCOOLで素晴らしい。chill outします。SILENT POETSは川村祐介さんによるこのアルバムのライナーノーツによると、「ダブとブレイクビーツ/ダウンテンポを表現の土台としながら映像的な唯一無二のサウンドを紡いできた」とある。さらにライナーノーツを引用します。

「ここ数年、下田個人のSNSには、不公正な社会を作り出す政治、そして紛争によって、激化する暴力(ウクライナ紛争、イスラエルによるパレスチナ・ガザ民衆への一方的な暴力)への憤り、さらにはそうした暴力やはまざまな人権軽視や不公正に対する抵抗運動(BMLや#MeToo、そしてもちろんパレスチナ解放運動 etc.)への連帯へや自らのアクションが綴られている。」

日本にもこのようなミュージシャンがいたのか、と少し驚きつつも、嬉しい。この“HOPE”には平和を願い連帯する世界中のミュージシャン、アーティストも参加し、そのクオリティは抜群に上質です。HOPEを忘れない世界中の見えない何かでつながっている仲間たちの一人でも多くに聴いてほしい傑作なのです。
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町田の柿島屋の馬刺しは美味い。柿島屋は、昔は本屋の久美堂の隣だかにあったんだよな、などと思い出します。光陰矢の如しだよ。店内に入ると半世紀ほど時代をタイム・スリップして、昔に戻るかのようです。
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プロフィール
HN:
えいちゃん
性別:
男性
職業:
S.E.
趣味:
音楽
自己紹介:
音楽を演奏したり聴いたりするのが好きです。
歌ってしまいます。そしてギターも少々。
Sam CookeやOtis Reddingなど古いR&Bが好きです。
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