えいちゃん(さかい きよたか)
えいちゃんのぶろぐ

1970年代のボブ・ディランのアルバムの中でこの「激しい雨 Hard Rain」は何とも言葉で表現できない異様さがただよう裏の名盤であるような気がするのです。ディランはアメリカ合衆国の建国を祝した"Rolling Thunder Revue"と称する自らの楽団を見世物小屋の芸人に見た立てた全米ライブ・ツアーを始めるのだが、このアルバムはそのライブ盤。4人のギタリストと2人のドラムス、ピアノとヴァイオリン、ピアノ、2人のバックヴォーカルの演奏は、その打ち合わせのまったくないかのようなバンドの無政府状態のインプロヴィゼーションによって混沌に向かい、爆発して、ありきたりな秩序を壊していく巨大な渦を巻く宇宙であるかのようだ。ちなみにこのライブのタイトルでもある"Rolling Thunder"とは被征服民であるネイティブ・アメリカンの祈祷師の呼び名。
こんな長い歌詞をよく憶えられるなと感心し、ボブのノーベル文学賞の受賞を祝しつつ、なぜか強く魅かれてしまうラストの長尺曲は「愚かな風 Idiot Wind」"。下のムービーのラスト10分で詞の日本語字幕付きで見られてしまいます。


ランディー・ニューマンって反骨の人だなぁ。ぼくの中ではライ・クーダーと並ぶ、背骨のまっすぐな人でもあるのです。作る歌は諧謔に満ちていて、しかも、真ん中には愛があって、どこか世捨て人で、まるでチャップリンがアメリカのL.A.のスタジオに現れたかのうよう。しかも、2008年のアルバム"harps and angels"が今の世界を予言しているかのようでもあって、その中のこれは"A Few Words In Defense Of Our Country"という曲です。
意訳してみました。
♪♪♪
ちょっとだけ
国を守るってことについて言わせておくれ
悪い人のことでもなければ、
意地悪な人の話でもないけれど、
ぼくたちのリーダーが
最悪の人だったなら
本当にどうしようもないやつだったなら
なんてばかげた貧しい世界が見えはしないか
例えば、ジュリアス・シーザーというローマの皇帝
彼がが現れてはじめのうちなら娘たちはうたたねをしていて
子どもたちがプールで泳いではしゃぐみたいに
町から町を次々に
焼き払っていった
皇帝の同意と皇帝の馬を駆けて
自分たちが副大統領か何か特別のものであるかのように
ちょっと待ってくれって、そんなの極端なたとえ話だって
そうさ、待つとも、さらにもう一つ
スペインの宗教裁判では
人びとを恐怖の奈落に突き落とす
なんてことはもう今はないと思うけど
時々なら、そんなことを考えてしまうのさ
国を守るってことについてちょっとだけ語るなら
今、トップにいるやつは誰なんだ
終わりまでできるつもりらしいが
おれたちはおまえのの愛は欲しくない
このことについてはいろいろと疑問の余地もあろうがね
こんな時ならば
ぼくたちは確かな一人の友だちが必要なのさ
ヒットラー
スターリン
なんの予告もなく登場した
ベルギーの古い王様、それでもいいけれど
みんなは彼を偉大だと褒めたたえた
コンゴ―でも彼はやってくれたな
ダイアモンドを彼は持ってきた
シルバーを彼は持ってきた
黄金を彼は持ってきた
その後に残ったものが何だか知っているか
マラリアさ
大統領はこう言ったこともある
「恐れるからそれが怖いのだ」って
今じゃ本当に怖いのさ
それは人種差別の愛国心
それこそ怖くないか
どうして怖いかって
テロが怖くないか
そうは思わないか
この小便みたいなさえない歌は終わりにするるよ
さもなきゃ、最高裁判所におれは連れていかれる
イタリア系の若いカップルと黒人の兄弟が裁判中なのさ
どこにいたってやれるものならやってみろだ
あのいかした尻の穴のイタリア人をよく知っているからね
あの黒人のブラザーもね
冥王星は今や惑星じゃないいんだとよ
やっかいものの皇帝
もう終わりにするさ
おやすみ
スペインの無敵艦隊が亡霊となってさまよっている
おれたちもこの名誉と自由の国でさまよっている
さようなら
さようなら
さようなら♪♪♪










おはよー。なかむらとうようさん選曲の"The Best Of Johnny Otis"を聴いています。すごく昔に見た日比谷野外音楽堂でのコンサートを思い出したりします。
なかむらとうようさん選曲のアルバムにはずれなしです。数年前のその死にはひとごとではないような気もして、ショックを受けてしまっていました。武蔵野美術大学のなかむらとうようさんが収集した世界各国の民族楽器やアナログ・レコードの展示も見に行ったことがあるよ。その時、古い蓄音機でなかむらとうようさんの遺品の78回転のレコードを聴くコンサートにもあったな。
さて、このアルバムにもどって、なかむらとうようさんのこのアルバムの裏ジャケに載っている宣伝文です。
「ロックの父、R&Bの創始者、ファンクの元祖
白い黒人(?)ジョニー・オーティスの足跡を
7社への録音を網羅して、初めて集大成」
Johnny Otis、ギリシャ系移民のアメリカ人。「白い黒人」とはよく言ったね。このJohnny Otis、黒人とばかりバンドを組んで、嫁さんも黒人で、天才ギタリスト、Shuggie Otisは息子さん。
ぼくの好きな白人ミュージシャンは黒人と結婚する人が多いような気もします。David BowieとかLowell Georgeのことです。
たまにこんな黒人みたいな白人のミュージシャンがいますね。Dr. JohnことMac Rebennackとかさ。たしか、お父さんがアイルランド系の移民でレコード店を経営していたんだよ。それで子どものころからたくさんの音楽を聞き、遊びが高じて、ニュー・オーリンズのレコーディング・スタジオに入りびたり、ティーン・エイジャーにしてスタジオ・ミュージシャンで白人なのに黒人音楽家協会にも入っていたという。Booker T. & the M.G.'sのDonald "Duck" DunnとかSteve Cropperもそうか。ぼくもLou Reedが"I Wanna Be Black"で歌っているみたく黒人になりたかった。
さて、"The Best Of Johnny Otis"にもどり、このアルバムから"Stardust"の名演を紹介しこの項を了とします。サックスはBen Webster、ヴィブラフォーンはJohnny Otisです。


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プロフィール
HN:
えいちゃん
性別:
男性
職業:
S.E.
趣味:
音楽
自己紹介:
音楽を演奏したり聴いたりするのが好きです。
歌ってしまいます。そしてギターも少々。
Sam CookeやOtis Reddingなど古いR&Bが好きです。
歌ってしまいます。そしてギターも少々。
Sam CookeやOtis Reddingなど古いR&Bが好きです。


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