えいちゃん(さかい きよたか)
えいちゃんのぶろぐ

世界的な言語学・文化人類学者である西江雅之さんの「自選紀行集」を読んだ。この人の著すエッセイは本当におもしろくて、心に響くなぁ。本の中のこんな言葉にうれしくなる。
「世の中には、思い描くだけで心が躍るものがある。様々な形、色、そして音が、この地上には溢れていて、それらが自由気儘に動いている。」
100人いれば、100通りの性、セックスがあるというのは精神分析の始祖、フロイトの言葉だけど、この本を読むと、100人いれば、100通りのもの思い描く幸せ、ハッピーがあると思うし、そうであって欲しい。この本ではなく、最近、知ったメキシコの先住民の権利回復運動のサパティスタ民族解放軍のリーダーとされるマルコス副司令官(司令官は先住民)は、世界に辺境というのはあるのだろうかと問い、世界はまるくて、隠れるすみっこはないのだと続ける。世界のいたるところで、人は幸せを求めて生きているのだ。アフリカ、アメリカ、アジア、・・・。こんなことも西江さんは書いている。
「人間はお互い持ちつ持たれつの関係にある。他人を信じてしか生きられない。しかし、そのことは、頭で理解出来てはいても、実際の場で考えることとは逆であるのも確かである。」
地球は丸くて、東京もニューヨークもロンドンも世界の中心でないのかもしれない。世界は幾層にも重なった、複雑な網のようなものかもしれない。
1997年に発表された「国境の町*与那国」はこれからの世界を思い巡らすとき、予言的である。国境は、旅をして越えるためにあると西江さんは短く書くけれど、その旅をするのはぼくやきみなのだと思う。旅をしよう。


日曜日の午後、到着したのは午後2時すぎ、屋台でソーセージとコロッケもたいなものを買い、階段のところに座り、ビールをお腹に流し込む。よっぱらいはじめて、一緒にきた人が、太鼓のポリリズムとともに合唱する歌を聴きながら、サンバって、リズムは踊れて楽しいけど、メロディーは哀愁系だなどという。その通り、ブラジルの名曲、名歌のほとんどが失恋の歌だと思い、ブラジル人ってのは恋に破れてメソメソするのが好きなんだよと答えた。きみは、しかし、いい耳をしているねぇ。それはブラジルの文化から生まれた、胸を引き裂くような素敵すぎるることば"saudade"。この"saudade"についてはまた別の機会にと思うが、多分、"saudade"を語るならば、ブラジルの心について語るようになり、それは普通に訳される郷愁というより、得られなかったもの、帰れることのない何かへの愛のこと。しかも、必ず涙が伴うということだそう。
今日は「ブラジルフェスティバル」。たくさんの日本で働くブラジル人の舞台挨拶みたいなことが続いている。全編ポルトガル語。なんと言っているのか分からんが、なんか楽しそうでよろしいなぁ。周りの人の半分以上はブラジル人みたいなのだ。
午後の4時きっかりに、ジョルジ・ベンが登場。すごい。フルメンバーでフリーで代々木の小さいステージにいる。今日は入場料もないフリーのコンサートでもあるけれど、ブラジルに戻れば、ポール・マッカートニーやスティービー・ワンダーのように知らぬ人がいないようなミュージシャンなのだ。しかも手抜きなしの管楽器3本、キーボード、パーカッション、ドラム、ベースを連れてきている。あぁ、ジョルジが前奏でギターを弾きだすと、リズムがうねる、うねる。若いミュージシャンのように溌剌として、たくさんのヒット曲を次々に完璧に演奏し、歌い、オーディエンスがポルトガル語で合唱する。ここはどこだ? そして、ジョルジのはじめてのヒット曲「マシュ・ケ・ナーダ」を演奏していたころ、合唱になり、空がピカピカ光っている。大雨が降りだした。大粒の雨は思いっきりのシャワーのよう。気持ちいい。その時、すべてが水と音に洗われ、過去も未来もなく、幸せな今しかなかったよ。


急遽、友だちに誘われBlue Note TokyoにSam Mooreを見に行く。一番、一番というお友だちの言葉は、まさしくその通り、ステージの真ん中のまん前。すごいです。かぶりつきってやつだろうか。Original Dynamite Soul Duo="Sam & Dave"のSamをこんな間近、つばきが飛んできそうなところで、見れたし、聴けたのだ。そして、Samにマイクを向けらられ"I'm a soul man"と歌ってしまった。そう、おれは魂の人間なんだ。
何度もSamと目が合いドキッとした。ラストの"You Are So Beautiful"で目が熱くなった。
疲れきったおれは新しく生まれて、Samのマブダチブラザーになってしまった。30年もブランクしてしまったSamの人生。けれど、今のSamはとっても幸せそう。幸せが生きて歩いて歌っている。おれだって曲がり角もまがるし、まっすぐも歩くさ。けれど、もう迷わない。これなんだ。
Samの歌を聴いて胸が騒ぐおれは幸せだし、幸せになれるさ。本当だよ。


土曜とか日曜に地元の音楽の寺子屋みたいな学校「グルーブ」で歌のレッスンを受けるのが数年、続いている。その「グルーブ」のサマーキャンプが数年ぶりにあったので、参加したのであった。楽しかったです。
思えば、高校生のころ音楽を演奏する楽しさに目覚め、今までこの楽しいことをつづけてきたのだった。数年前、この音楽を演奏するという趣味というか楽しみを棄てようかと思ったこともある。長年こんなことをしつづけると、変な騒音といか雑念というかつまらんことを考えてしまって、歌うこともギターを弾くこともやだなぁなどと思ったこがあるのです。その時、このプライベートな雰囲気、クラブやサークルのような空気の「グルーブ」という場での忘年会とかサマーキャンプ、セッション会などのイベントに参加して、音楽ってのはまず楽しくやることだなぁと思って、なんかふっきれた。うまい、へたを越えたものも音楽にはある。そういう意味で、とても楽しくて幸せな音楽をするということを棄てようとしていたぼくを、その楽しみを忘れさせなかった「グルーブ」に恩義があり、感謝しています。演奏の下手な初心者の方々にぼくは、「グルーブ」の先生方とともにユニゾンでこう歌いたいとも思うのです。
「音楽って楽しいだろ」
思えば、高校生のころ音楽を演奏する楽しさに目覚め、今までこの楽しいことをつづけてきたのだった。数年前、この音楽を演奏するという趣味というか楽しみを棄てようかと思ったこともある。長年こんなことをしつづけると、変な騒音といか雑念というかつまらんことを考えてしまって、歌うこともギターを弾くこともやだなぁなどと思ったこがあるのです。その時、このプライベートな雰囲気、クラブやサークルのような空気の「グルーブ」という場での忘年会とかサマーキャンプ、セッション会などのイベントに参加して、音楽ってのはまず楽しくやることだなぁと思って、なんかふっきれた。うまい、へたを越えたものも音楽にはある。そういう意味で、とても楽しくて幸せな音楽をするということを棄てようとしていたぼくを、その楽しみを忘れさせなかった「グルーブ」に恩義があり、感謝しています。演奏の下手な初心者の方々にぼくは、「グルーブ」の先生方とともにユニゾンでこう歌いたいとも思うのです。
「音楽って楽しいだろ」


地元の相模大野の食と音楽の祭り、「もんじぇ祭り」でボランティアをした。みんな、テキパキとよく仕事、できるなぁ。なんか、要領を得なくて、ぼくは戸惑ったり、まごまごしたりする。だめだなぁ。来年もすると、今年の経験が生きて、少しはまともなボランティアになれるかしら?
主な仕事はテントの設営とゴミ袋回収でした。そんなことをしながら大江健三郎の「河馬に噛まれる」という小説があったのを思い出した。話の筋を少しだけ思い出した。それは連合赤軍事件でトイレ係(山中のアジトを転々としながら、多分、仲間のもっとも嫌がる仕事、トイレの設営と始末みたいなこと)をしながら、友だちのリンチによる悲惨な死を目の当たりにし、なぜか生き延び、その青年が刑期を終え、心に深く傷を負いながら、アフリカにボランティアに行き、そこで事故で河馬に噛まれるという話であった。
ぼくは地味な下働きをする人を尊敬する。みんな、偉い。


1970年代のSouthen Deep Soulの素晴らしい一枚です。泣きわめくように歌っているのです。やっぱ8曲目の"Precious Precious"が好きです。O. V. Wrightとタメをなす名唱。詞がいいです。全編意訳でご披露。
「大切さ、大切さ、大切さ、大切さ
ぼくの大切なきみなのさ
愛してくれなくいなら、生きのびるよ
必要とされなくても、なんとかする
ぼくを欲しくなくても、大丈夫
もうけんかなんかしたくないだろう
いつでもきみを愛していることで満足さ
無視されても、待ち続けて
きみが大切さ、きみが大切さ
ぼくの大切なきみなのさ
ぼくの外にだって内側にたってきみはいる
それがいつもチクチク刺すのさ
いろんなやつといっしょに街にいたね
どうでもいいゲームをしていた
どうでもいいゲームさ
分かれる道に愛を見た
いいことも悪いことできみは受け入れた
苦いことも甘いことで受け入れたね
きみが大切さ、きみが大切さ
ぼくの大切なきみなのさ
人はきみについて言っている
いいことは何もないよって
本当は誰も知らないだけさ
いいことも悪いこともきみなのさ
狙いをさだめて
射止めようよ
チャンスがあるからものにしよう
きみが大切さ、きみが大切さ
ぼくの大切なきみなのさ」
こんなのを泣きわめきながら歌われたら来ますな。
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ではYouTubeからの付録です。
1983.11.5 国立一橋大学にて その一
http://jp.youtube.com/watch?v=MFUv9wy3i0c
1983.11.5 国立一橋大学にて その二
http://jp.youtube.com/watch?v=y4I4xA4di2w
Christian Tabernable - Pastor Maceo Woods, Otis Clay
http://jp.youtube.com/watch?v=X8Rx0Z9W2pY
Trying To Live My Life Without You - Otis Clay 1972
http://jp.youtube.com/watch?v=3hQ37rocXf8


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プロフィール
HN:
えいちゃん
性別:
男性
職業:
S.E.
趣味:
音楽
自己紹介:
音楽を演奏したり聴いたりするのが好きです。
歌ってしまいます。そしてギターも少々。
Sam CookeやOtis Reddingなど古いR&Bが好きです。
歌ってしまいます。そしてギターも少々。
Sam CookeやOtis Reddingなど古いR&Bが好きです。


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