えいちゃん(さかい きよたか)
えいちゃんのぶろぐ

偉大な歌手とその歌手の歌う歌との関係の不思議を思う。例えば、ジャニス・ジョップリンは彼女の歌ったとうりに人生を生きてしまった。歌は歌う人への予言のようなものかもしれない。
歌と歌う人の不思議な関係のことをこのマイケル・ジャクソンの「ベン」というアルバムを聴きながら、やはり思ってしまうのは、1曲目が1972年の「ベン」という映画の主題歌だからなのかも。「ベン」という映画は心臓病の一人ぼっちの少年のダニーと小さな小さな生き物、ねずみのベンとの引きさかれていく友情の物語。たくさんのねずみたちの発生によってパニックになり、ねずみを駆除する大人たちに向かって、ねずみは、ベンは悪くないよというダニーがマイケルと重なってしまう。
このアルバムでのマイケルの声はあまりに美しく、マイケルの真ん中にある魂にもそっと触れる気がして、ぼくの大好きな4曲目の"We've Got A Good Thing Going"をマイケルではなくて、いまやマイケルの歌を聴いたことのあるみんなが歌っている気がして、この詞を意訳してみます。
「悪いニュースだよ
旅立つために荷物をまとめているきみ
すぐにぼくは駆けつけたけど
なにがおこっているのか信じられなかった
信じられなかった
ねえ、気がどうにかしちゃったの?
すべてを置き去りにするってのがわかっているの?
ぼくたちはうまくやっていたじゃない?
ごきげんにやっていたはずさ
ぼくはきみに悪いことをしていないと思う
おちこんだときにひどく叱ったりとか
いつだっていいものをあげていたし
走りまわったりはしなかったよ
走りまわったりは
ねえ、気がどうにかしちゃったの?
すべてを置き去りにするってのがわかっているの?
ぼくたちはうまくやっていたじゃない?
ごきげんにやっていたはずさ
きっと知るときが来ると思うよ
行ってしまう準備をしているのなら
ぼくはきみなしには何にもやっていけない
何にもなんだ
何にもやっていけない
ねえ、気がどうにかしちゃったの?
すべてを置き去りにするってのがわかっているの?
ぼくたちはうまくやっていたじゃない?
ごきげんにやっていたはずさ
ぼくたちはうまくやっていたじゃない?
ごきげんにやっていたはずさ」


夕方、新聞を読んでいると、平岡正明さんが逝かれてしまったらしい。2009年7月9日のこと、脳梗塞という。世間でいうところのジャズ評論家という職業の範疇の人であったけど、この人の書く文章、横浜やジャズをペンで語らせたなら、この上なく面白い文章を書く人であった。うるさい人には、これは評論ではない、論理的ではないと言われたけれど、文章そのものがテーマとアドリブを繰り返すジャズのようでもあり、論を超えて熱い物語の文章であったと思う。イージー・リスニングやバック・グラウンド・ミュージックを軽く超えて、魂としてのジャズを文字に表していたようなのだ。ジャズについて何か読みたいと聞かれれば、ぼくはこの平岡正明さんと油井正一さんの文章を推薦します。日本でのジャズを言葉で支える左の翼が平岡氏で右の翼は油井氏であったと思う。
平岡氏の最新のジャズ評論集が「黒人大統領誕生をサッチモで祝福する」という。読んでみたい。あいかわらずペンという楽器で言葉という音を鳴らしていたのだなぁ。
横浜の世界一ディープなジャズの街をうろいろしていると、いつかどこかのジャズバーかジャズ喫茶で平岡さんにばったり会える気がしていた。平岡さんがこんなふうに休みにつき、ぼくも生活の変化から横浜には、めったに行かなくなった。
平岡さんが目立たないところで支えていた野毛大道芸フェスティバルは、来年も行われるだろう。横浜のそこかしこで今夜もジャズが演奏されている。空の上から平岡正明さんは聴いている。
平岡氏の最新のジャズ評論集が「黒人大統領誕生をサッチモで祝福する」という。読んでみたい。あいかわらずペンという楽器で言葉という音を鳴らしていたのだなぁ。
横浜の世界一ディープなジャズの街をうろいろしていると、いつかどこかのジャズバーかジャズ喫茶で平岡さんにばったり会える気がしていた。平岡さんがこんなふうに休みにつき、ぼくも生活の変化から横浜には、めったに行かなくなった。
平岡さんが目立たないところで支えていた野毛大道芸フェスティバルは、来年も行われるだろう。横浜のそこかしこで今夜もジャズが演奏されている。空の上から平岡正明さんは聴いている。


今週の木曜日、7月16日(木)が初回の雇用保険の初回の説明会があるかと思うと、無性にどこかに行きたくなった。仕事さがし、仕事さがし・・・。高田渡の「仕事さがし」っていい歌だなぁ。
「乗るんだよ 電車によ
乗るんだよ 電車によ
雨の日も風の日も
仕事にありつきたいから
飲むんだよ にがいコーヒーをよ
飲むんだよ にがいコーヒーをよ
履歴書を書く為に
仕事にありつきたいから
新聞を見たよ 新聞だって見たよ
電話だってかけたよ
仕事にありつきたいから
ずい分 歩いたよ
毎日 毎日ね
いろんな奴にもあったよ
仕事にありつきたいから」
いろんな意見を言われた。しっかりさがせ、保険をもらいきるまでプラプラしていていいじない、じっくりさがせ、やばいっすよ、そのうち見つかるんじゃない、・・・。みなさん、励ましのお言葉、ありがとうございます。それで、二つぐらい呼吸をしなくてはと思ったような気もして、どこかへ行きたくなるのはなぜだ? 高田渡、わたりんはコンサートで楽しそうに、放浪ではないんです、流浪なんですと言っていたけど、ぼくには旅じゃ。やっぱ、どこかに行きたくなる。
写真をよく見てください。この古い町並みはどこでしょう? 車でたどりついたのよ。はい、あなたぁ、九州じゃあありませんです。九州はいいとこだし、ぼくも少なからぬ縁があるんですがね。
答えは岐阜県の飛騨高山です。陸の孤島みたいな町です。温泉付きのホテルに泊まり、夜の小さな繁華街の居酒屋へ行く。「いずみ家」というお店に入り、店内にはジャズやソウルがかかっている。雰囲気いいなぁ。おっ、板前さん、若い。もう一人の注文を聞きにくる女性も若い。飛騨牛とか富山湾でとれた蛸の刺身とか食べていると、もう一人の板前さんが登場。で、この人も若い。けれど、お客はぼく一人、この店は、大丈夫なのか、けっこう料理はおいしいのになぁと思っていると、若い女性のみの4人組が入ってくる。次に若い女性が1人。また、女性連れ3人が入ってくる。ぼく以外はお客さんはみんな女性で、なんかハーレムだ。
いろんな町の居酒屋に入ったことがあるけど、いい店を見分ける簡単な方法に、その店にカップルではなくて女同士のお客、とくに若い女性だけで、のれんをくぐるのを見たら、あとをつけて、そのお店に入っても、失敗はない。もちろん、ストーカーに間違われたりはしないので、ご安心を。若い女の人ってシビアなんだよなぁ。雰囲気、店員、味、すべてを感じていて、気に入らなきゃ、二度と来ないって人は多いのじゃないか?
次の日、高速道路じゃない下道を大好きな古いR&Bなぞをカーステでかけながら、いっぱいドライブした。いい天気。梅雨明けかな?


朝ごはん食べて、また寝ていたら楽しい夢を見た。こんな楽しい夢であった。
「どこか長野あたりの方に向けて、ぼくは旅立つ。電車をいくつか乗り換える。ローカル線の古い列車の中、進行方向に対して垂直に向かい合って二人づつ座る横座席の並ぶ前の方で、独特の声が聞こえてくる。のぞきに行ってみると、何人かの友だちらしき人といっしょに忌野清志郎がいる。清志郎は雑誌の中のテレビ番組表を見ているらしく、あっ、おれの追悼番組やってるぞ、おもしろそうだなぁなどと言っている。自分の追悼番組をおもしろそうって、あなたそれ、どうなのと思い、あなた死んだんじゃなかったのと、言おうと思ってやめる。旅の途中の清志郎が笑顔で楽しそうだし、ここでこうして清志郎が生きているのを見れたから、ぼくもうれしくなってくる。生きていてよかった」
「どこか長野あたりの方に向けて、ぼくは旅立つ。電車をいくつか乗り換える。ローカル線の古い列車の中、進行方向に対して垂直に向かい合って二人づつ座る横座席の並ぶ前の方で、独特の声が聞こえてくる。のぞきに行ってみると、何人かの友だちらしき人といっしょに忌野清志郎がいる。清志郎は雑誌の中のテレビ番組表を見ているらしく、あっ、おれの追悼番組やってるぞ、おもしろそうだなぁなどと言っている。自分の追悼番組をおもしろそうって、あなたそれ、どうなのと思い、あなた死んだんじゃなかったのと、言おうと思ってやめる。旅の途中の清志郎が笑顔で楽しそうだし、ここでこうして清志郎が生きているのを見れたから、ぼくもうれしくなってくる。生きていてよかった」


友だちからかなり面白いよと言われていたジョン・レノン・ミュージアムに行って来た。さいたま新都心の駅を降りて、すぐ目の前にさいたまスーパーアリーナという競技場だかコンサート会場だかがあって、その中の一角にある。
ジョンは星になった愛と平和の伝道者みたいな展示だったら嫌だなぁ、かなわんなぁと恐れていたんだけど、そんなことはなかった。
彼の歌のほとんどがプライベートの日記のようだとも思う。例えば、ミュージアムに手書きの歌詞のあった"Dear Prudence "はインドにいろんな友だちと旅した時、自分の殻に閉じこもり、気が変になってしまった女性の友だちに向けて書かれていて、それは本当に私信のようなのだ。訳してみます。
「親愛なるプルーデンスさん 外に出て遊ぼうよ
親愛なるプルーデンスさん 新しい日に出会えるよ
お日さまは昇って 空は青く
きみがそうであるように 美しい
親愛なるプルーデンスさん 外に出て遊ぼうよ
親愛なるプルーデンスさん 目を開いてごらんよ
親愛なるプルーデンスさん 明るい空を見てごらんよ
風はそよぎ 鳥は歌い
きみは すべてのある何かなのかもよ
親愛なるプルーデンスさん どうして目を開かないんだい
見回してごらんよ
親愛なるプルーデンスさん 笑顔を見せてごらんよ
親愛なるプルーデンスさん かわいい子どもみたいにさ
雲がたんぽぽのつながりみたくなるよ
ぼくにもう一度 笑顔を見せてごらんよ
親愛なるプルーデンスさん どうしてぼくに笑ってくれないの
親愛なるプルーデンスさん 外に出て遊ぼうよ
親愛なるプルーデンスさん 新しい日に出会えるよ
お日さまは昇って 空は青く
きみがそうであるように 美しい
親愛なるプルーデンスさん 外に出て遊ぼうよ」
昔見たジョン・レノンをドキュメントした映画の中で、浮浪者風の頭がいってしまっている男がレノン・オノ邸の中にまぎれこんで来て、二人はその男に食事をふるまうというシーンがあった。詞のことを、本当は何を意味しているんだみたいなことをジョン・レノンは聞かれて、詞は単なる言葉遊びだと答えていた。いつも世界平和について考えているのかと聞かれて、考えていないと答え、考えるのは自分のこと、ヨーコのこと、今朝は快便だったとかトーストがうまく焼けたとかみたいなことを考えていると言っていた。同じくその映画の中で、散歩の途中でファンから声をかけられる。ビートルズは活動を再開しないのかいと聞かれて、明日するかもしれないぞ、おれは直感で動くからねって、気さくに答えていた。
ビートルズはタフだと思う。19世紀には奴隷貿易の中継地で栄えた落ちぶれた港町が生んだバンドで、神話のような必然を感じてしまう。そんな町でジョン・レノンはあの子とは遊ぶな、つきあうなと言われていた不良だった。1955年にエルビス・プレスリーがアメリカ南部の黒人の鉱堀で見つけたビートを発破させたロックン・ロールだけが救いだった。そして、この続きは、このミュージアムに来て、見てみるのも良いかもしれない。
楽器やくたびれた包装紙の裏に書かれた手書きの歌詞、衣装や普段のお気に入りの服や愛用の眼鏡を見たぼくは思ったのだった。おれも歌いたいなぁ。ジョン・レノンやビートルズの歌ではなく、自分の歌をね。
ぼくはぼくがいろんな友だちに声をかけて作ったバンドの名前をChairs(椅子たち)としたのだった。けれど、それはジョン・レノンが、自分にはロックン・ロールしかできなくて、それにいつも帰っていく、そのロックン・ロールとは椅子みたいな単純にそこにあるものだと言っていたのに由来している。かっこいいでしょ。まだまだやるぞ。


恵比寿のガーデンシネマに「扉をたたく人(http://www.tobira-movie.jp/)」という映画を見に行った。どんな映画かと聞かれれば、その宣伝コピーには「扉を閉ざしたニューヨーク-移民の青年の出会いと“ジャンベ”の響きが孤独な大学教授の心の扉を開く」とある。音楽っぽい映画はなんだか見に行きたくなるのです。スター不在のこの映画は去年アメリカでわずか4つの映画館で封を切られ、しかしながら口コミで評判となり、最終的には270館で上映されたという。登場人物はわずか4人。大学教授、シリアからの移民してきたパレスチナ人の青年、青年の恋人でセネガルから移民、青年の母親。場所はニューヨーク。
青年の母親がミシガンからニューヨークに青年に会いにきて、青年から恋人を紹介されて、なんて肌の色の黒い人と思うのだが、話しているうちに、わかりあえるというようなシーンがとてもよく、心がほんわかしたりした。ドラムをたたくことは、誰かのハートをノックするということかのように、青年からジャンベを教えてもらい、少しずつ大学教授の心は開き、自らもジャンベをたたく。訪問者の打ち鳴らすアフリカの通信のリズムは誰かの閉じた心をたたいて、扉の開くのを待っている。ぼくも待ってるのだ。


この前、忌野清志郎のインタビューを読んでいたら、天才は生きてるうちは認められないと思っていたって言っていた。そう言えば、絵描きのゴッホやこのまえ展覧会を見たゴーギャンも、ブルース・マンのロバート・ジョンソンも、詩人でたくさんの素敵な童話を残した宮澤賢治も、最近知った俳人の住宅顕信も生きているうちは少ない人しか知らない人であった。ぼくの好きな人はそういう人がけっこういる。
人は思い出を残すのだけど、自分で本を作って残したらどうだろう? なんか、いろんな人に詞はいいねって、よく言われることがあるんだ。きみは天才かいって自問する声が聞こえれば、ぼくの小学生みたいな詞を思い浮かべ、違うと答えるしかないのだけど、それはぼく以外が決めること。しかし、なんのかんの言っても、生きているうちに認められる天才の方がやっぱ、断然多いのは分かっているのだけど・・・。
出版費用のためにも、仕事さがしをしないといかん。早く見つかるとハローワークからいっぱいお金をもらえるらしい。本はCD付きにしたいなぁ。
人は思い出を残すのだけど、自分で本を作って残したらどうだろう? なんか、いろんな人に詞はいいねって、よく言われることがあるんだ。きみは天才かいって自問する声が聞こえれば、ぼくの小学生みたいな詞を思い浮かべ、違うと答えるしかないのだけど、それはぼく以外が決めること。しかし、なんのかんの言っても、生きているうちに認められる天才の方がやっぱ、断然多いのは分かっているのだけど・・・。
出版費用のためにも、仕事さがしをしないといかん。早く見つかるとハローワークからいっぱいお金をもらえるらしい。本はCD付きにしたいなぁ。


カレンダー


カテゴリー


最新コメント
[05/19 Pg Soft]
[05/04 ペコ]
[12/23 ロンサム・スー]
[07/27 gmail account]
[08/29 えいちゃん]


最新記事
(10/07)
(10/07)
(10/07)
(10/05)
(10/05)
(10/04)
(10/03)


プロフィール
HN:
えいちゃん
性別:
男性
職業:
S.E.
趣味:
音楽
自己紹介:
音楽を演奏したり聴いたりするのが好きです。
歌ってしまいます。そしてギターも少々。
Sam CookeやOtis Reddingなど古いR&Bが好きです。
歌ってしまいます。そしてギターも少々。
Sam CookeやOtis Reddingなど古いR&Bが好きです。


ブログ内検索


最新トラックバック
