えいちゃん(さかい きよたか)
えいちゃんのぶろぐ

写真家の藤原新也が、大江健三郎などではなく、石牟礼道子こそ、ノーベル文学賞にふさわしいと言っていたのが気になり、彼女の最も有名な著作である「苦海浄土 わが水俣病」を読んだ。南の国、九州の熊本での公害病を告発する書は、身もだえするような息づかいの郷土とその郷土にうち捨てられるかのようにいまわす人たちへ愛み満ちた枕経のような物語でもあった。
この本を読みながら二人の作家を思い出しもした。その二人とは中上健次と深沢七郎。石牟礼さんよりも若い中上健次にいたっては文体すら影響を受けているように感じた。それは、中上が紀州の被差別部落を旅したルポルタージュ「紀の国・根の国の物語」。
石牟礼道子さんに戻れば、その文章の力は三島由紀夫を越え、谷崎潤一郎のように美しく、柳田国男のような口碑の夢と現が表れ、それらが読後感として久方ぶりの重たい言葉の芸術を読み終えた疲労感すら感じさせる。まさに文学です。ぼくも、石牟礼道子さんこそ、ノーベル文学賞にふさわしい、と思う。


弁ブルースの元祖といわれるコージー大内さんのセカンド・アルバム「ばってんブルース」が気にいって、毎晩、聴いている。弁ブルースとは、地方なまりの言葉で歌うカントリー・ブルースのことで、大内さんは翻訳が必要なほどの強い九州筑後地方のなまりでブルースを歌う。ブルースの流派としてはテキサスのライトニン・ホプキンス流だけれど、そのリアルさと深いフィーリングでブルースというジャンルをも越えてしまっているのは、このアルバムに入っている涙なしには聞けない「大鶴村のサイレン」。それでもやっぱこれはロックするブルーズだ。
また近いうちに、ライブバーみたいなところに生のコージーブルース、コージーのロックを聴きに行きたいのです。RESPECT!
コージー大内さんのホームページ
http://kozyouchi.adliv.jp/


今年のアカデミー賞が全編モノクロのサイレント映画だという。ノスタルジックなものの好きなぼくは見に行ってしまった。その映画ミシェル・アザナヴィシウス監督の「アーティスト」の題名の意味は映画の途中であかされるのだけど、この前に見た「ヒューゴの不思議な発明」と同じく、この「アーティスト」も自己言及的なテーマで、それは、映画による映画についての映画なのであることを考えると、もしかして、映画という芸術表現は終焉を迎えつつあるのかもしれない、と思った。それんついては、こういうことです。例えば、ジャズという音楽表現を思い出し、1970年代にアート・オブ・アンサンブル・オブ・シカゴがジャズによるジャズについての、総括をするような音を奏でていたことを連想したからでもある。いいや、そういことでもないのかな、と考えなおすのは、フェリーニ監督の「8 1/2」もフランソワ・トリフォーの「アメリカの夜」も映画による映画の映画ではないか。そして、この「アーティスト」という映画を見すすめてていくと、この映画が古いサイレント、モノクロ映画の焼き直しではなくて、むしろ、アバンギャルドな実験的な映画でもるような気がしてきた。あっ、初めの方に出てくるシーンは、明らかにフリッツ・ラングへのオマージュだ。けれども、この映画のシンプルでスウィートな物語はとても素敵だ。映画は時代を映す鏡のようなものでもあって、世界の未明はノスタルジーによって明けるのかもしれません。ビューティフルなラスト・シーンに乾杯。おやすみZZZzzz.....


この前の日曜日、近所の鹿沼公園に咲く桜の花を見に行った。大きな池のある公園、見過ごかされがちな癒しのスポットかもしれない。鯉とか亀の住む水に白鳥が涼しげに泳いでいる。人通りもそれほど多くない。あぁ、久しぶりに昼から酒を飲んでしまったよ。極楽、極楽。
その足で自転車をこいで、市民祭りが開かれているという市役所のあたりにまで行ってみる。祭りの人ごみにワクワクし、そこにいるだけで元気をもらいます。そこでは、いくつもの和太鼓の音が響きわたっていた。相模原市だけで、こんなにたくさんの太鼓の連があるのなんて知らなかった。しかし、辛辣なことを言ってしまうと、たかが叩くだけの太鼓ではなくて、そこにはピンからキリまでありましたよ。しょぼいなぁみたいなのから、これは凄いってものまで、いろんな和太鼓の連を聴いてまわる。すると、ふと昔が甦り、NON BANDの玉垣くんのドラムが聴きたくなったのです。最近、また活動しているらしい。あと、フェラ・クティーのバンドのドラマー、トニー・アレン、最高です。両者とも、お祭り系、お囃子系なのです。
NON baNd


横浜美術館の「マックス・エルンスト展」に行ってきた。マックス・エルンストは前世紀の前半に活躍したシュールリアリズム絵画の最も有名は一人です。一枚、とても気になり、惹かれる絵があった。それは「自由の賞賛」という絵で、暗い森に真っ白い鳩が光りながら、翼を休めているというもの。エルンストの絵にたくさんの鳥をモチーフにしたものがあるのだけど、ウィキペディアによると、高校生時代(1906年)、愛鳥であるインコのホルネボムが死んだ次の朝に、母親が妹ロニを出産した、少年マックスは妹が鳥の精気を吸収してこの世に生を受けたと信じ、それ以後鳥のイメージが彼の重要なモチーフとなった、ということだ。この「自由の賞賛」の絵の数年後、エルンストの絵は、軽く、明るく、自由になり、ユーモアすら満ちている、そんな自由を謳歌するような絵になるのを、ぼくはこの展覧会で見つけたのだった。その謳歌するような自由をエルンストが絵を描いて見つけたように、ぼくは歌を歌って見つけたい、とふと思った。


見そこねていた映画をDVDで借りて見た。クリント・イーストウッド監督の「インビクタス‐負けざる者たち‐」です。アパルトヘイト廃止後の初代大統領となったネルソン・マンデーラのラグビー・ワールド・カップにかける実話のエピソードを通して、南アフリカの未来、それは、ぼくたちの希望でもあるような何かでもあるのだが、そのような何かを見通す感動の物語でした。やはり、ネルソン・マンデーラって、偉大な人なのです。あと、マット・デーモン演じるタグビー選手、フランソワ・ピナールも讃えたい。ぼくが、ある歌で、ガンジーが行進しているよ、キング牧師も行進しているよ、ネルソン・マンデーラも行進しているよ、と歌ったのは、きっと正しかったのだ、と思う。


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プロフィール
HN:
えいちゃん
性別:
男性
職業:
S.E.
趣味:
音楽
自己紹介:
音楽を演奏したり聴いたりするのが好きです。
歌ってしまいます。そしてギターも少々。
Sam CookeやOtis Reddingなど古いR&Bが好きです。
歌ってしまいます。そしてギターも少々。
Sam CookeやOtis Reddingなど古いR&Bが好きです。


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