えいちゃん(さかい きよたか)
えいちゃんのぶろぐ
『戸井十月 全仕事』を読んだ。
浅野典子という人に興味を持ち、戸井の著した『シャコタン・ブギ 暴走族女リーダーの青春』が読みたくなり、『全仕事』に所収されているだろうと思い、読んでみたけれど、一部の抜粋であった。そのうらみはありつつも、浅野典子さんの戸井さんに関する文章も『全仕事』に「信頼、失望、そして感謝」と題されて掲載されていて、浅野さんは、『シャコタン・ブギ』ではあること、ないことを書かれ、その続編の『デッドエンド ジルバ』ではないこと、ないことを書かれたと述懐し、袂を分かちしたという。後に浅野さんはDJ KRUSHをプロデュースしたり、そして、アフリカの子どもたちを支援する「African Jug」を始める。袂を分かちながらも、二人はどこか地下で交差しているかのようだ。
しかして、この『シャコタン・ブギ』と『デッドエンド ジルバ』の若書きは戸井さんの中で最も重い後悔として残り、後にバイクで地を人の目の視線よりも低いところから旅をするルポルタージュとなっていったのではないか? などと考えつつ、とまれ、ぼくはCSの旅チャンネルでの戸井さんが世界をバイクで旅をする番組はいつも見ていたし、『遥かなるゲバラの大地』は何度も読み返し、その感銘から"Havana"という曲すら作っていた。僭越ながらもぼくの作った詞です。
♪♪♪
ハバナから旅に出よう
リスボンの港に立ち寄ろう
あの古いジャカルタの町で知った
ブンガ・ワン・ソロを歌おう
ハッカとマドロス・パイプをふかして
海の青さが知りたいだけさ
暗い夜の海の航海では
お月様だけがたよりなのさ
こんな僕の人生の中では
君の愛だけがたよりなのさ
ニュー・オーリンズの港を目指して
オールド・デリーの町を出たところさ
アフリカ・コンゴーで負けて
ボリビアの森の中に消えた
風と波の白さを受けて
舟は海の青さに溶けだした
暗い夜の海の航海では
お月様だけがたよりなのさ
こんな僕の人生の中では
君への愛だけがたよりなのさ
世界は僕の言葉と見たものに
驚きの声をあげるだろう
マストのてっぺんとデッキのへさきから
流れていく星や雲が消えた
舟よ、なつかしいハバナへ向かえ
マンボやチャチャチャを踊りたいだけさ
暗い夜の海の航海では
お月様だけがたよりなのさ
こんな僕の人生の中では
君の愛だけがたよりなのさ
暗い夜の海の航海では
お月様だけがたよりなのさ
こんな僕の人生の中では
君への愛だけがたよりなのさ♪♪♪
戸井さんはバイクの上では一人だからいいんだよとも言っていたな。
チェ・ゲバラは男の中の男と呼ばれたけれど、戸井十月も男の中の男だ。世界を旅したかっこいい人がいたんだよ。
新海誠監督の『すずめの戸締り』を見ました。
はじめのほうは地震を起こすような荒ぶる自然の力を平定しようとするなんて、そんな力は人には与えられていようはずもないじゃないかと、ぶちぶつと心の中でひとりごちつつ、映画を見ていたのですが、いつの間にか、もっていかれ、感動しておりました。ぼくの眼にうっすら涙も。
この前、見た『天間荘の三姉妹』と同じく地震ということがが物語の重要なモチーフとして出てきます。そして、『すずめの戸締り』はロードムービー、旅する物語。「平家物語」や「方丈記」の昔から日本人は、目の前のどうしようもない絶望のような悲しみを物語によって、それを語り聞くことによって、前を向いてきたような気がします。
映画を見て、映画館を出てくると、女子の声であのシーンがよかった、云々すんぬんという、後ろの方で友だち同士が話している声が聞こえました。学校で、見た、見たと聞ききあう声、こういうのっていいなと青春をはるか昔に過ぎたぼくは思うのでした。でも、こんな映画を見て、感動しているなんて、ぼくも心は古びていないのさ。
映画『すずめの戸締まり』公式サイト
伊豆の松崎を夕日を見に旅しました。
着いたら、まずは土地の神様にお参りだと思い、伊那下神社に足を運んで行くと、町のほうぼうににしめ縄が張られて、秋のお祭りが催されており、御神楽が演ぜられておりました。子どもの舞う神楽を隣で見ていたお年を召した女のおかたは友だちに、いいねぇ、なんか涙が出てきちゃうよ、とおっしゃられておられ、本当に涙ぐんでおられました。すばらしくて、ぼくも感動したことはもちろんです。ふと、この舞っている子どもの大人になるころには、ぼくもこの涙ぐんでおられる人もこの世界にいないのかもしれない、などと思ってしまいます。そして、また、その時の子どもが神楽を舞うのでしょう。ささやかな町のお祭りです。こういうのを見ると、日本って素敵だなと思います。紅白のお餅がくばられておりました。
そして夕日です。
いつもと変わらぬ松崎町です。この静けさも好きです。
また来ますね。
着いたら、まずは土地の神様にお参りだと思い、伊那下神社に足を運んで行くと、町のほうぼうににしめ縄が張られて、秋のお祭りが催されており、御神楽が演ぜられておりました。子どもの舞う神楽を隣で見ていたお年を召した女のおかたは友だちに、いいねぇ、なんか涙が出てきちゃうよ、とおっしゃられておられ、本当に涙ぐんでおられました。すばらしくて、ぼくも感動したことはもちろんです。ふと、この舞っている子どもの大人になるころには、ぼくもこの涙ぐんでおられる人もこの世界にいないのかもしれない、などと思ってしまいます。そして、また、その時の子どもが神楽を舞うのでしょう。ささやかな町のお祭りです。こういうのを見ると、日本って素敵だなと思います。紅白のお餅がくばられておりました。
そして夕日です。
いつもと変わらぬ松崎町です。この静けさも好きです。
また来ますね。