えいちゃん(さかい きよたか)

えいちゃんのぶろぐ

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五木寛之さんの著した『忘れ得ぬ人 忘れ得ぬ言葉』が面白くて、一気に読みました。五木寛之さんがさまざまな人との交流の中で、対談の時などに聞いた何気ない言葉を思い出しつつ、書いたエッセイです。46人もの人との交流と印象に残った言葉が記されております。

例えば、批評家の小林秀雄さんは「人間は生まれた時から、死へ向かってとぼとぼ歩いていくような存在です」。例えば、女優の八千草薫さんは「激しい豪雨ではなく日本らしい雨期になって欲しいです」。例えば、C・W・ニコルさんは「きちんとひげを剃る。そんなタイプの男が、いざという時に強かったんです」。ぼくは読みながら、この本に書かれた今はもう亡くなってしまった人の気配にたじろいでしまいそうになります。

最後の章は、五木寛之さんの父君、信蔵さんの言葉「寝るより楽はなかりけり。浮き世の馬鹿が起きて働く」。戦中、戦後と時代に翻弄され苦労つづきで、早くに亡くなった父のことを五木さんは述懐し、父の「浮き世」は「憂き世」ではなかったのか、と慨嘆する。ぼくの亡き父も「寝るより楽はなかりけり」とよく言っていたのだけれど、その後の「浮き世の馬鹿が起きて働く」は、この本『忘れ得ぬ人 忘れ得ぬ言葉』で知った。などと思うと、生きているかのようなぼくの父の気配を少しだけ感じてしまい、恐れおののいてしまうのです。

『忘れ得ぬ人 忘れ得ぬ言葉』 五木寛之
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南青山MANDARAでannフィーチャーリング寺島しんごを見ました。弦楽器弾きの寺島くんのがギター、バンジョー、ズブーキ、ウードを弾いてすごく進化している。ぼくにはまったくたちうちできないけれど、変則チューニングのギターってこう弾くのかって、思いましたよ。annさんは、去年、声帯の整形手術をしたということで、どうなっているんだろう、と思っていたら、声とか歌の感じとか、あまり変わりなかったのです。安心しました。これって褒めているのか? まっ、いっか、と自分に言う。
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一月二十七日、新宿末廣亭令和七年一月下席昼の部を見ました。例のごとく、見た演目を書き出してみます。前座の桂れん児くんの「鶴」、二つ目の三遊亭美よしさんの「狸さい」、桂枝太郎師匠の「薬違い」、やなぎ南玉師匠の曲独楽、笑福亭羽光師匠の「初天神」、三笑亭可龍師匠の「ぞろぞろ」、宮田陽さんと宮田昇さんのお二人の漫才、松林伯知師匠の講談「名月若松城」、桂南なん師匠の「壺算」、三遊亭圓丸師匠の「猫の皿」、林家今丸師匠の紙切り、立川談幸師匠の「茶の湯」で仲入りです。笑福亭べ瓶師匠の「河豚鍋」、国分健二さんの漫談、三遊亭遊吉師匠の「道灌」、三遊亭遊雀師匠の「悋気の独楽」、マグナム小林さんのバイオリン漫談、主任は三遊亭遊三師匠で「火焔太鼓」でした。

本日はお馴染みの噺が多かったような気がします。その中で、三遊亭美よしさんの「狸さい」がよかった。期待の女流、また登場か? 早く真打ちになれるよう、精進しろよ。三遊亭圓丸師匠の「猫の皿」もよく笑いました。主任の三遊亭遊三師匠の「火焔太鼓」は直球、王道をいく噺で素晴らしかった。寄席はパラダイス。
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安達もじり監督の『港に灯がともる』を見ました。震災、双極性障害、アルコール依存症、民族、国籍、アイデンティティ、差別、故郷、町、家族、いろんなことが微妙に絡まりあいながら、映画の物語は進んでいきます。面白い。それに、主人子の金子灯を演じる富田望生が素晴らしい。透明感のある自然な演技。胸に深く染み入るような感動をおぼえました。

映画『港に灯がともる』公式サイト
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月に一回の父の墓参りに行ってきました。お墓参りに行き、きれいに花を墓前に供えるというのは、供養ということもあるけれど、ぼくにとっては、自分のための大いなる慰めのためというような気がしております。帰りの足で亀ヶ池八幡宮に寄り、お詣りをし、御神籤をひくと「大吉」。

「第四十三番 御神籤

 風吹けば
  風吹く
   ままに
 港よしと
 百舟千舟
    うち
 つどいつつ

 何事も繁昌して心のままになるけれど
 心に油断があってはならない
 只今より来年の事をよくよく考えて
 やりそこなわぬ様十分の注意をしておきなさい

 運勢 大吉」

ゆめゆめうたがふことなかれ
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伊豆半島の西の方を一泊の旅をしました。

土肥で「土肥桜まつり」という日本で一番早咲きの桜のための祭りをしていて、五つ神社仏閣、青雲寺、安楽寺、土肥神社、妙蔵寺、最福寺の御朱印を求めて、散歩をしました。土肥神社で御神籤をひくと、なんと「愛」で「運勢 吉」だったのです。

「第一番

 愛

 愛とは何か様々な形を変えてあなたの元にやってくるだろう
 人は誰もが愛する力を備えて生まれてくる
 その力を如何に活かすか
 あなたの人生愛に溢れている

 運勢 吉」

「ゆめゆめうたがふことなかれ」でございます。濃いピンクの桜は、ほとんどが蕾でありましたが、歩くのは楽しい。






泊まりの宿の伊豆まつざきホテルのある入り江の町、松崎を散歩しました。この町は三十年間、変わりません。とある山梨の山間の温泉の町は、あまりにすたれすぎてしまったけれど、松崎は変わらず、すたれず、うるさくならず、あのころのままなのが奇跡のようです。変わらないことが、ぼくには嬉しく、ほっとしてしまいます。宿からの夕日の美しさも三十年前のままなのです。何か、時を止めるかのような不思議な力が働いているのではないかしら? そして、宿の夕飯の地元でとれた魚の金目鯛の煮付けがおいしい。









次の日、黄金崎クリスタルパークでたくさんのガラスの美術品、工芸品を見ました。こんなに多くのガラスに魅せられた芸術家がいることを知りませんでした。ミュージアムショップで硝子の和風のコップを買ってしまいました。お店の人に、黄金崎にも行った方がいいですよ、といわれ、車で足をのばし、岬を散歩しました。海が美しい。





車を海岸線沿いに南に走らせて、やっと、うすぼんやりと見えた富士山。



旅には癒されます。
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エマニュエル・トッドさんの著した『西洋の敗北 日本と世界に何が起きるのか』を読了した。

この『西洋の敗北』読みながら、寺山修司がシュペングラーの『西洋の没落』を起点にし、1968年のフランスでの学制蜂起のスローガン「敷石の下は砂浜だ」を引用しつつ、西洋の歴史もただの敷石一枚だったと慨嘆したことを思い出した。けれども『西洋の敗北』はそんなロマンチックなものではなく、とても厳しくリアルなものらしい。

エマニュエル・トッドさんはウクライナの対ロシア戦争の敗北は、もう見えている、という。本当だろうか? アメリカ合衆国を含む西洋の倫理、道徳の崩壊によって、ニヒリズム、虚無主義が跋扈し、それが際限のない暴力と戦争をひき起こし、さまざまな統計を見れば、西洋は崩壊しつつあるのは明らかだ、という。

この『西洋の敗北』と文藝春秋の二月号でのエマニュエル・トッドさんのインタビュー『イスラエルは神を信じていない』を読めば、このフランスの先祖にユダヤ人の出自を持つ歴史人工学者、家族人類学者の目に何が見えているかは、明らかだ。イスラエルもアメリカ合衆国と同様に西洋で、西洋は「宗教のゾンビ状態」から「宗教のゼロ状態」に向かい、そのニヒリズムの腐敗は世界に堕落した暴力をもたらす、というのだった。そして、日本はかろうじて西洋からは逸脱しているらしいのだ。

米国と欧州は自滅した。 日本が強いられる...『西洋の敗北 日本と世界に何が起きるのか』エマニュエル・トッド 大野舞 | 単行本 - 文藝春秋
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プロフィール
HN:
えいちゃん
性別:
男性
職業:
S.E.
趣味:
音楽
自己紹介:
音楽を演奏したり聴いたりするのが好きです。
歌ってしまいます。そしてギターも少々。
Sam CookeやOtis Reddingなど古いR&Bが好きです。
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