えいちゃん(さかい きよたか)
えいちゃんのぶろぐ
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彬子女王殿下の著しになった『日本美のこころ』を読了しました。この『日本美のこころ』は、先に出版されていた単行本の二冊『日本美のこころ』と『日本美のこころ 最後の職人ものがたり』を文庫本の一冊にまとめたものであります。彬子女王殿下が親しんでもこられた、さまざまな伝統工芸品や建物、古くからの日本の儀礼、それらを受け継いだ人たちを取りあげられておられ、近頃、日本の伝統の素晴らしさに目覚めたぼくには、垂涎の一冊となっております。
そういえば、この前、彬子女王殿下は黒柳徹子さんのテレビ番組『徹子の部屋』にお出になられ、皇室の一員であることについて語られておりました。今、彬子女王殿下は京都産業大学日本文化研究所の特別教授であられ、「日本文化の伝統を伝える土壌を作りたい」、「子どもたちに日本文化を伝える場を作りたい」という趣旨のもと一般社団法人「心游舎」の発起人代表として立ち上げられておりますが、その設立の際に、自ら銀行に出向かれ、法人の口座を作られたそうです。その口座を作る時、その提出書類に姓の欄は空欄にし、名に「彬子」とのみ記され、提出すると、姓が記されていなくては、口座をお作りすることはできない、と銀行の係の人はおっしゃり、彬子女王殿下は、わたしには姓はないのですが、と問答となり、困った銀行の係の人が、そのうち青ざめて、皇室の方ですか、失礼いたしました、と謝意を述べられた、とユーモアを交えて語っておられたのが、印象的でありました。
能楽を観ていると、古く皇族の方々や皇族に近い方々が主人公となっている話もたくさんあり、ぼくも、いつの間にか、日本が共和制になることに違和感を感じるようになりました。皇室の継承に関しては、いつかは消えるかもしれませんが、今は、政治と権力の汚濁に触れぬような形での、変えるべきところは変えつつも、その素晴らしき伝統を三島由紀夫のいう「伝統と文化の国、日本」として後世まで残すほうに行けばいい、と感じるものでございます。
日本美のこころ | 書籍
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