えいちゃん(さかい きよたか)
えいちゃんのぶろぐ

町田市立国際版画美術館に『自然という書物 15世紀~19世紀のナチュラルヒストリー&アート』展を見に行きました。版画を通しての西洋から見た人々が自然をどうとらまえていたかを時代とともに追っていくというような内容でした。
大航海時代以前、世界は知られないところにあふれ、自然は人の想像力をかきたてる何かに満ちたところであったのだけれど、船の旅によって、実物の自然の驚異が人の記憶に写しとられ、活版印刷の技術の進化にともなって、西洋の世界にひろまっていったというのが、ぼくの見立てでもあります。さて、世界のすみずみまで自然のありようがあかされると、人は自然の中に顕現する神の現れや物語を発見しようとする。ふと、ぼくは禅の十牛図がこの展覧会のどこかにあるのではないかと期待したけれど、それはありませんでした。桜の散る今の季節、二十一世紀となっても、自然は人の心の内にあり、もちろん外にもあり、それからもたらされる驚き抜きには、人の営みはなく、生きてもいけない。
トマトやトウモロコシは大航海時代に新世界で西洋が発見し、世界にひろまっていった。その不思議さもうっすらと感じつつ、美術館を後にしました。

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