えいちゃん(さかい きよたか)

えいちゃんのぶろぐ

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オリヴァー・ハーマナス監督の『生きる-LIVING』を見ました。脚本があのノーベル賞作家のカズオ・イシグロさん。原作はもちろん黒澤明で、この『生きる-LIVING』は、黒澤映画のヒューマニズムが頂点、極北に達したかのような『生きる』の『生きる』と同時代のイギリスに舞台をそのまま移したリメイク映画であった。

黒澤映画では志村喬が主役を演じていたのだけれど、この『生きる-LIVING』ではイギリスのいぶし銀の名優、ビル・ナイ。出色なのが、ビル・ナイ演じる公務員のウィリアムズのかつての部下の一人であったマーガレットを演じるエイミー・ルー・ウッドで、黒澤の『生きる』での小田切とよを演じる小田切みき、その人そのままのようなコケットな演技がまぶしい。

黒澤明をレスペクトしたあくまでも物語と話はそのままであるようなカズオ・イシグロさんの脚本も素晴らしく、イギリスへの愛にあふれている。

オープニング・クレジットは1950年代のイギリス映画を見ているかのように錯覚もしてしまう。

オリヴァー・ハーマナス監督は黒澤明監督の饒舌さと違って、そぎ落とした抑制の演出で、東宝の黒澤明と同時代を競いながら併走したかのような松竹の小津安二郎かのようで、とぼとぼと歩くウィリアムズのその後ろ姿は笠智衆であるかのようなのだ。

とても感動しました。そして、もちろんのこと、何度も見た黒澤明監督の名画『生きる』を劇場の大きなスクリーンで見たくなりました。

映画『生きる-LIVING』公式サイト
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目黒のブルースアレイジャパンに『有山じゅんじ古希になる』を見に行きました。

これで有山じゅんじさんの演奏と歌を聴くのは二回目となります。一回目は日比谷野外音楽堂での西岡恭三の追悼コンサートで有山さんて、ブルースというより、ロックなんだなと少し驚いたような記憶があります。今夜もエレキギターばりばりでぶっとばしていてかっこいい。上田正樹さんのバンドは完璧のソウルマナーで素晴らしい。

ミーハーのぼくは、有山さんが楽屋からステージ歩いていくとき、ぼくの肩になぜか手をかけて、「どうも」と言ってくれたことが妙にうれしかったです。

二部制で、一部は上田正樹さんのこれでもかというほどのソウルフルな歌いっぷりにしびれました。二部では有山さんもたっぷり歌ってくれました。有山さんの独特の歌もぼくは大好きです。

レジェンドの金子マリさんはジャニス・ジョプリンみたいな大きな眼鏡をかけて出てきてくれました。もしかして、ジャニス・ジョプリンが若くして死ななければ、金子マリさんみたくなっていたのかな? マリさんの歌もワン・アンド・オンリーですごくかっこいい。

中西康晴さんのブルース・ブギウギ・ピアノ、おおはた雄一さんのスライドギター、三宅伸治さんのギターボーカル、ダイヤモンドユカイさんのブルースハープ、いろんなミュージシャンが登場し、歌って演奏します。そして、ついに憂歌団の木村充揮さんがかなり酔っぱらって登場して、歌になっていない歌を歌い始める。最高に楽しい時間でした。

けれど、有山じゅんじさんのアコースティックのラグタイムギターを一曲ぐらいは聴きたかったな。まっ、いっか。次の機会でということに。
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町田市立国際版画美術館に『自然という書物 15世紀~19世紀のナチュラルヒストリー&アート』展を見に行きました。版画を通しての西洋から見た人々が自然をどうとらまえていたかを時代とともに追っていくというような内容でした。

大航海時代以前、世界は知られないところにあふれ、自然は人の想像力をかきたてる何かに満ちたところであったのだけれど、船の旅によって、実物の自然の驚異が人の記憶に写しとられ、活版印刷の技術の進化にともなって、西洋の世界にひろまっていったというのが、ぼくの見立てでもあります。さて、世界のすみずみまで自然のありようがあかされると、人は自然の中に顕現する神の現れや物語を発見しようとする。ふと、ぼくは禅の十牛図がこの展覧会のどこかにあるのではないかと期待したけれど、それはありませんでした。桜の散る今の季節、二十一世紀となっても、自然は人の心の内にあり、もちろん外にもあり、それからもたらされる驚き抜きには、人の営みはなく、生きてもいけない。

トマトやトウモロコシは大航海時代に新世界で西洋が発見し、世界にひろまっていった。その不思議さもうっすらと感じつつ、美術館を後にしました。
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伊豆の狩野川で、短い二時間の間だけれど、フライフィッシングをしました。魚の気配も感じることができず、一匹も釣れません。今度はもっと上流の本谷川に行こうかな。伊豆に残されたダムのない美しい川です。
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何かが終わって始まる時、ぼくはいつも伊豆の松崎町へ夕日を見に旅にでかけているような気がします。松崎町の美しい夕日にまた出会えました。
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「奉納靖國神社夜桜能」を観に行きました。満開を過ぎ、葉も見えだした桜のその花びらが、ときおり目の前を舞っていきます。三日、続けて催される今夜の題目は仕舞に「忠度」、「玉之段」、狂言に今をときめく野村萬斎演ずる「成上がり」、そして、能が「鷺」でありました。

「鷺」の話の筋は難しくなく、夕涼みに来られた帝の御一行の前の水上に鷺が現れ、帝は鷺を捕まえて参れと蔵人に命ずる。翼ある鳥を蔵人はなかのか捕まえられないが、帝の勅命だと鷺にいうと、おとなしく鷺は捕まる。帝は神妙であるとお喜びになり、蔵人と鷺に五段の位を授ける。鷺は喜びの舞を舞い、帝の許しを得て飛び去る。帝の御一行も夕涼みの池の庭を後にする。

すべての演者が舞台から去り、後には能楽堂の松の絵のみ残され、その余韻の深さに静まった心の内が感動し、涙のひとしずくもぼくの頬につたわるようなのでした。素晴らしかったです。
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会社帰りに末広亭によりました。笑福亭羽光さんの初の末広亭での主任興行ということで目出度い。羽光さんの新作SF落語、おもしろかった。羽光さんの座右の銘。

守破離。
古典を忘るるなかれ、
新作を切り拓け。

上方落語の輝く星となれ、とぼくはエールを送ります。
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プロフィール
HN:
えいちゃん
性別:
男性
職業:
S.E.
趣味:
音楽
自己紹介:
音楽を演奏したり聴いたりするのが好きです。
歌ってしまいます。そしてギターも少々。
Sam CookeやOtis Reddingなど古いR&Bが好きです。
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