えいちゃん(さかい きよたか)

えいちゃんのぶろぐ

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東京国際映画祭で小津安二郎監督の『麦秋』と『宗方姉妹』を見ました。

小津安二郎生誕百二十年、没後六十年の催しで、本編の始まる前に短い小津安二郎のイメージ映画「Shoulder of Giants」とヴィム・ヴェンダーズのインタビュウーも放映されます。「Shoulder of Giants」を見ただけでワクワクしてきて、ぼくの目頭は熱くなります。

英語字幕付きで少なからぬ外国人の観客もいらっしゃっておられるようで、映画が終わって劇場が明るくなると、外国の人が涙をためておられるようでした。本当にこんな日本的な映画が日本を越えて人の心を打つのですね。

ぼくも小津の映画を見ると胸が締めつけられるようです。死を悟ったらしき坂本龍一さんは生前のインタビューで小津の映画を見ると涙が止まらなくなるとおっしゃっておりました。

さて、ぼくは、この東京国際映画祭て小津安二郎の映画を、これから一週間余り、たくさん見ようと思っています。

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相模大野のアコパで打田十紀夫さんのライブを見ました。打田さんはギターも凄いが、おしゃべりも面白い。ふと、寄席に出ている打田さんを夢想してしまいます。ラストの曲「思い出の鱒釣り」は心が澄んでいくようなギターの響きでした。
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宮脇式植樹祭に行って、植樹しました。四年前に亡くなられた、横浜国立大学の名誉教授であられた宮脇昭さんが提唱し確立した宮脇方式の植樹です。「宮脇式」とは何か、この植樹祭で配られたパンフレット「ドングリは千年の森をつくる」の言葉をご紹介いたします。

「現在の人間の影響のすべて停止したと仮定した時、その土地の自然環境の総和が最終的に支えうる植生を「潜在自然植生」といいます。そうした土地本来の森、ふるさとの木によるふるさとの森は、地震や火事などの災害を防ぎ、千年、二千年と長持ちする「いのちの森」となります。それが、今や世界共通語ともなっている「鎮守の森」なのです。 
 日本の場合、その「ふるさとの森」を支えるのは、タブノキ、シイやカシ類等の照葉樹です。
 ただ、一口に森を作ると言っても、それらの樹種のみを植えれば良いというものではありません。土地本来の潜在自然植生の主木群を自然の森の掟に従って、「混植・密植」する。そうしてお互いが競争し・少しづつ我慢しながら。それが、4,000万の木を植え、本物の森を作り続けてきた宮脇先生の方式なのです。」

そうか、森には掟があるのか。そして、それによって、森は力ををもって、生成変転していて、宮脇式植樹はそれを手助けして、森を再生するのだと思いました。具体的には、斜面に土が流れるのを防ぐ竹の簡単な土防を作り、その土地のいろんな木を植え、藁を敷いていきます。服が藁だらけになりました。

さてどんな雰囲気の植樹祭だったのか、ぼくは俳句を二つ読みました。

 秋晴れに苗木の並ぶ籠の中
 
 植樹祭新藁渡すみなの笑み
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東京ドームシティーホールに世界一ブルースギターの上手い夫婦、Susan TedeschiとDerek Truchsのバンド、Tedeschi Trucks Bandを見に行きました。

1960年代から抜け出してきたソウルシンガーのようなSusan Tedeschiが凄いかっこいいです。音楽は黒人とか白人とか黄色人種とか、肌の色なんて関係ない。そして、Derek Trucksの変態みたいなギターはスライドブルース(Derekはほとんどの曲をEオープンのチューニングで弾いているそう)の域をはるかに超える、その多彩なフレーズはMiles Davisのモード奏法のようになってフリーに突き進む。コーラスの三人はSuzanに負けぬソウルの熱さで迫ってきます。ずしんとくるベースと二人のドラム、多彩で土臭さからモダンまで弾きこなすキーボードとぶっ飛ばす三人のフォーン隊。

そんなバンドが南部のどこかの町の町内会で結成されているかのような飾らない風情が素敵です。近所の寄り合いでメンバー同士のこんな昔の会話もあったのではないかしら?

「あなた、トロンボーンをやっていたそうじゃない。ちょっとバンドで吹いてみない。来週、公民館の講堂でみんなで集まって練習しているわ」
「あらあたし10年間吹いていないわ。でもやってみようかしら」

なわけないか。いや、あるかもしれませんぞ。

コンサートのことに戻り、すごく興奮したいいコンサートだった。ラストの一曲はNina Simoneも歌った自由のメッセージの込められたゴスペルみたいな曲で、今の時代にあって、胸に凄く迫るものがあって、目頭が熱くなりました。でも、やっぱ、一曲でいいからオールドブルースを聴きたかったな。
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日本人は記憶していると思う。そして、いつまでも忘れないでください。今、イスラエルがパレスティナの地でしていることは日本が中国に行った侵略のよう。今、イスラエルがガザの人々のしていることはアメリカが日本人にした無差別の爆撃のよう。憂鬱です。平和を祈り、心貧しくも、国境なき医師団に寸志ながら寄付しました。

ガザ、日本人スタッフの声 「爆撃音が聞こえます。被害を受けているのは一般市民です」 | 活動ニュース | 国境なき医師団
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『大人の遠足BOOK 駅からウォーキング 関東』という本をたよりに多摩の南、町田との境にある小山田緑地というところを散歩しました。別に発句のために散歩しているのではないのですが、そこでできた一句。

 蜘蛛の巣を掃いつ秋の竹の藪



さらに散歩していると、もう一句、浮かびました。

 秋桜は小さな棚田の畦に咲く



俳句というのは五七五のたった十七文字の短さで有季という縛りもあって、だからこそ、今、読んだ句は昔に誰かが読んでいる句ではないかとも思わせます。すると、ありきたりな句が、数え切らない過去の誰かと接続し、親和し、輝きはじめ、言葉は無名となり、無名だからこその普遍を得るようにも思われるのです。不思議だな。
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石井裕也監督の『月』を見ました。辺見庸さんが相模原のたまゆり園での凄惨な事件から着想を得た小説を原作にした映画です。

この映画はあくまでもフィクションであるとぼくは理解し、その描かれた人間ドラマは社会批評を越えて思想劇でもあり、そのテーマは、小説家や思想家、宗教学者が生涯をかけて答えを求め、答えられずにいるようなものでもあって、そのような深刻なことを二時間半の時間で映画化したものでもあります。否定的なものも含めていろんな見方が議論されていて、それでこそ、この映画が今という時代に必要とされているとぼくは思います。

主人公、堂島洋子役の宮沢りえさんの演技が圧巻ですが、その夫の堂島昌平の役のオダギリジョーさんの演技も素晴らしいです。洋子の同僚の坪内陽子を演じる二階堂ふみさんは、ふと、小津安二郎の映画の杉浦春子のようでもあります。小津安二郎は杉浦春子を自分の映画における四番バッターと呼び、杉浦春子がいなければ、映画が始まらないとも言っていたそうです。誰もが嫌がるであろう全うの汚れ役、悪役のさとくんを演じた磯村勇斗くんの熱演にエールを送りたいと思います。

問題作を次々に世に送り出し、この前、急折された異色のプロヂューサー、河村光庸さんが最後に残してくれたこの映画『月』がぼくを含む見た人に問いかける、そのような映画です。

10月13日公開、映画「月」オフィシャルサイト
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プロフィール
HN:
えいちゃん
性別:
男性
職業:
S.E.
趣味:
音楽
自己紹介:
音楽を演奏したり聴いたりするのが好きです。
歌ってしまいます。そしてギターも少々。
Sam CookeやOtis Reddingなど古いR&Bが好きです。
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