えいちゃん(さかい きよたか)
えいちゃんのぶろぐ

オンデマンドで黒澤明監督の『羅生門』を見ました。戦国時代の殺人を四者の視点でそれぞれ描いているこの映画は、芥川龍之介の小説『藪の中』を本案したものだそうで、このある出来事を別々の視点で描くことを「羅生門効果」と今では呼ぶそうです。是枝裕和監督の最新作『怪物』でもこの「羅生門効果」は使われておりましたな。
さて、閑話休題、何度かぼくは映画『羅生門』を観ていますが、今、見ればこの映画は敗戦を被った日本人の心の内を描いたものだとも思われました。当時の日本では、誰もが心の内にうすら暗い見ることの忌避される闇のようのものを抱えていたのではありますまいか? そして、ラストにヒューマニスト、黒澤明の希望の明かりが灯されています。ヴェネツィア国際映画祭で金獅子賞を受賞した1950年の『羅生門』は映画の歴史にも残る名作だと実感しました。


鞍掛伍郎さんと角田陽一さんが執筆し、関根健司さんがアイヌ文化・アイヌ語監修をし、瀬川拓郎さんが監修した『カラー版 1時間でわかるアイヌの文化と歴史』を読みました。アイヌについて様々な方面からの概説入門的、網羅的な本でありますが、豊富なカラーの図や絵が楽しい一冊でありました。
自然を神としたアイヌの哲学、神話、宇宙は今の時代に新たに発掘され、生かされるべきとことも多いのではないかなどと思います。しかも、交易の民であったアイヌが日本文化の一つのルーツとなったことは容易に想像できるような気もします。叶わぬ夢ではありますが、ふと、文化人類学の祖であるクロード・レヴィ=ストロースがアイヌについて著述したならばどんな本となってであろうかとぼくは想像してしまう。






オンデマンドで小津安二郎監督の『浮草』を見ました。1959年の大映でのカラー映画。
二代目中村鴈次郎と妖艶な今日マチ子の凄みのある演技は文句なく惹き込まれ、その映像美に異様な何かも感じてしまう。脇をしめる杉村春子、若尾文子、川口浩も素晴らしい。物語は崩壊していく旅芸人一座の物語で、舞台を日本に翻案したジェームズ・ジョイスの中編か短編の小説かのよう。小津安二郎の芸術のもう一つの極北を見た。
これで、戦後の小津安二郎の映画をすべてを見ました。どれも素晴らしい。
今年の10月23日(月)から11月1日(水)に開催される東京国際映画祭では小津安二郎生誕120年、没後60年ということで、小津安二郎監督特集もあるらしい。大きなスクリーンで見る小津調が楽しみです。


暑い、暑いということで川崎大師こと平間寺の風鈴市に出向き、風鈴を買ったのです。わが家にベランダやまったく様にならない縁側はあるのだけれど、つるす気にならず、さてどうしたものか。
ふといつもの想像やら空想やらで、田舎に古い日本家屋の別荘を手に入れてらどうだろう。障子に廊下で、時おり風が吹き抜ける縁側に風鈴をつるす。犬と猫を飼い、一人ぼーっと庭を眺めていると、隣の家のおばあさんが西瓜を差し入れしに来てくれて、ぼくは、まっ麦茶をどうぞ、などと世間話。そして、近くに山女魚や岩魚の泳ぐ渓流もあり、朝や夕に釣りにいけども、釣れたり、釣れなかったり。
買ってきた風鈴を眺め、涼しい音を鳴らしながら、そんな別荘があったらいいなと思い浮かべて楽しんでおります。




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プロフィール
HN:
えいちゃん
性別:
男性
職業:
S.E.
趣味:
音楽
自己紹介:
音楽を演奏したり聴いたりするのが好きです。
歌ってしまいます。そしてギターも少々。
Sam CookeやOtis Reddingなど古いR&Bが好きです。
歌ってしまいます。そしてギターも少々。
Sam CookeやOtis Reddingなど古いR&Bが好きです。


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