えいちゃん(さかい きよたか)

えいちゃんのぶろぐ

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本の帯から引用するに、多くの権力者を敵にまわすと同時に多くの民衆から愛された、パレスチナの風刺漫画家、ナージー・アル・アリーの『パレスチナに生まれて』を読む。この本の原題は『A Child in Palestine』で、この「A Child」とは難民として祖国から逃れざるえなかった子ども時代のナージー・アル・アリーその人ではなかったか? その少年にナージー・アル・アリーは「ハンダラ少年」と名付けていて、どのような少年であるかというと、この本を翻訳した四方田犬彦さんの解説から引用するに、「パレスチナの人たちの本当の姿はテロリストではなくて、貧しく無防備な、しかし誇りを失わずに状況を見すえる存在なのだということを知ってほしい」というような少年だ。ナージー・アル・アリーは五十歳で1987年に再びパレスチナの地を踏むことなく、ロンドンで銃撃され暗殺された。

ぼくがイスラエルという国に問題があり、イスラエルによる暴力とイスラエルがシオニズムと名付けた土地の収奪によるパレスチナ人の絶えざる受難と受苦を知ったのが、二十歳のころガッサン・カナファーニの小説を読んでからだから、その時から何十年も経ち、何の解決も見れず、ガザで最悪の事態にまでなっている。ぼくは、ぼく自身の数十年もの間の無関心を悔やんでもいて、漫画を描くナージー・アル・アリーのようなペンの力、文化の力、そして、ジョン・レノンが「Power to the People」で歌いもした大衆の力も信じつつ、パレスチナの人たちが、チリのビクトル・ハラの歌った「平和に生きる権利」を当然のものとする日がくるまで、力なくも、祈り、書き、言葉を発し、暴力に反対し、平和を歌いたいのです。

書籍: パレスチナに生まれて: いそっぷ社
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山崎貴監督の『ゴジラ-1.0』を見る。

よく批判されている終戦後の焼け跡の日本に進駐してきた米軍がいないのは、愛国をどこかしら謳おうとするこの映画にとっては、アメリカは何らかの雑音、夾雑物であるからだろうか? 主人公の名前の「敷島」とは日本を指す古語であったりすることの符丁。ぼくは特攻ということにどうしても嫌悪を感じてしまい、ゴジラという怪物以上に、この映画の登場人物にどこか、不穏な何かを感じてしまう。

最近、なぜかよく思うのだけれど、戦争を経験してしまったものにとって、戦争が終わることはないのかもしれない。それほど戦争とは邪悪で恐ろしいものだ。その中で最も恐ろしいものがすべての生物を大量に焼き尽くす原爆や水爆の核兵器であるだろう。水爆によってそのようにならざるえなかったゴジラ。

ラストの物語のエンターテイメントの映画としての回収の仕方はそれは見事なもので、思わず予想外の感動をおぼえてしまった。そして、続編すらありそうなエンドロールへの続き方。その続編では、むしろ、『オッペンハイマー』のアメリカに反訴してほしい。

ぼくはやっぱり本多猪四郎監督の初代の『ゴジラ』が好きです。

映画『ゴジラ-1.0』公式サイト
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相模大野のアコパで『American Roots Music Ragtime Guitar Show』と題されたダコタ・デイヴ・ハルさんと浜田隆史さんのライブを見ました。ぼくはアメリカのオールド・タイム・ミュージックが大好きです。約二時間、素晴らしい音楽を堪能しました。ちらっと聞いてしまったギタークリニックでのぼくが感銘を受けたダコタさんの言葉。

「タブ譜通り弾くことより、プレイヤーにとってその曲の音楽そのものを理解することの方が大切です」

音楽に対する深い愛を感じます。その愛から、テクニックすら越えたギターやギターバンジョーの深い響きがたちのぼるかのようでした。
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山梨県の忍野へ一泊の釣り(フライフィッシング)の旅をしました。




一日目は午後に釣りをして、二日目には午前に釣りをつるという案配。一日目に尺越えの虹鱒が一匹釣れて、ボーズ(一匹も釣れないこと)じゃなくて、よかった。川を去るとき、橋の上から眺めるに、釣り人のいない対岸に魚が多いことを発見してしまいました。そうだ、ロールキャストをもっと練習しなきゃ。

釣りも面白いけれど、里の川の自然に癒され、今日は富士山もよく見えて、とても美しかった。

次は梅雨前ごろに来ようかな。
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上野の鈴本演芸場の令和六年三月中席の昼の部を見に行きました。

見た演目を書き出してみます。前座の柳亭市助くんの「たらちね」、二つ目の三遊亭伊織さんの「寄合酒」、三遊亭歌扇師匠の漫談と小話、柳亭燕路師匠の「安兵衛狐」、林家八楽さんの紙切り、柳亭こみち師匠の「茗荷宿」、五街道雲助師匠の「強情灸」、すず風にゃん子さんと金魚さんの漫談、三遊亭歌奴師匠の「片棒」で中入りとなりました。ストレート松浦さんのジャグリング、三遊亭歌武蔵師匠の相撲漫談、古今亭文菊師匠の「やかん」、江戸家猫八さんの動物ものまね。主任は三遊亭志う歌師匠の「居残り佐平次」でありました。

印象に残ったのは古今亭文菊師匠のおなじみの「やかん」、またの名は「無学者」ともいいますな。文菊師匠が古典落語を話す時の放つ独特の空気と時間の流れに惹き込まれます。文菊師匠の独演会はそのうち見てみたいと思います。今日も寄席はパラダイスでした。
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高橋源一郎さんの著した『一億三千万人の『歎異抄』』が面白くて一気読みしました。浄土真宗にとって最も重要な文章の一つ『歎異抄』は唯円によって親鸞の述べたことを書いた書物で、それを小説家の高橋源一郎さんが現代語訳したものがこの本で、とても平易な言葉で書かれつつも、原文を損なわず、歪めもしない優れた分かりやすいものでもあります。巻末に原文も掲載されていて、高橋さんの現代語訳を読んでから、原文を読むと、すっきりと胸に落ちます。「宗教って何だ(『歎異抄(タンニショウ)』を「翻訳」しながら考えたこと)」と題された高橋源一郎さん自身による解説も面白い。新しく優れた『歎異抄』の現代語訳本が出来上がっており、浄土真宗に何か縁を感じ、興味をいだいた人にお奨めの一冊であります。

一億三千万人のための『歎異抄』 - 朝日新聞出版
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三上知恵監督の『戦雲(いくさふむ)』を東中野ポレポレで見ました。

南西諸島のドキュメンタリー映画を見ながら、ぼくは撮影期間の七年間でのその地域のあまりの変貌に驚きます。いい方にではなく、悪しき戦争の暗い雲が垂れ込めているような方への変貌に胸がふたがれる思い。

ヘミングウェイの『老人と海』に登場するかのようなカジキマグロを追う漁師のおじいが、この『戦雲』にある種のヒーローとして出てきます。南の島の神話すら心と体の奥に秘めているかのようなその人は、もとは基地や自衛隊が島に来ることを容認していたそうなのだが、軍用車両が我が物顔で行き交うようになった島に、与那国の人間だけだったら、平和なままだったのではないかと心は揺れ、考えてこんでしまう。

次から次へと約束は反故にされ基地は拡張され、夜遅くまで演習の騒音が家々に響く。映画を見つつ、ぼくには内地の人間の沖縄への差別もあるように思えてしまう。パンフレットから三上監督の三つの文を引きます。

「住民まで玉砕を強いられた沖縄戦で勇気を振り絞って命乞いをした「白旗の少女」を今こそ全力で肯定し、「立派な死」という概念が甦ろうとした時代に抗していかなければならない。」

「国を守るために「やむをえない多少の犠牲」になっていい地域など、どこにもない。」

「濃紺に透き通る海に囲まれた、あの豊かな自然と誇り高い文化を紡いできた人々に送られるべきは、敬意と称賛であって、島外避難命令であってはならない。」

この映画『戦雲』にあるように、ぼくはまず、平和を祈ることから始めたいと思います。

映画『戦雲 -いくさふむ-』公式サイト|三上智恵監督最新作
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プロフィール
HN:
えいちゃん
性別:
男性
職業:
S.E.
趣味:
音楽
自己紹介:
音楽を演奏したり聴いたりするのが好きです。
歌ってしまいます。そしてギターも少々。
Sam CookeやOtis Reddingなど古いR&Bが好きです。
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