えいちゃん(さかい きよたか)

えいちゃんのぶろぐ

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ニコラス・ジャック・デイヴィス監督の『ルードボーイ トロージャン・レコーズの物語』を見ました。ドキュメタリーと俳優らによる再現ドラマ、レジェンドたちのインタビューによる、Ska、Rocksteady、Reggaeと急激に変わっていったジャマイカの音楽と、スキンヘッドと呼ばれる不良に人気であったそれをイギリスでリリースしたTrojanという音楽レーベルの物語でした。いまだにぼくはクラブのようなところで大きな音でレコードがかかっていて、それに合わせて踊るのが好きだけれど、そこで一番かかって欲しいレコードはDuke ReidのTreasure Isleのレコードだったり、Coxson DotのStudio Oneのレコードだったりします。この映画『ルードボーイ』はそのTreasure IsleやそれをイギリスでリリースしたTrojanにまつわる興味深く楽しい音楽映画でした。家に帰って、TrojanやTreasure Isleのレコードを聴きたくなりますわな。

この映画を見て、イギリスでのジャマイカの音楽の貧しい不良たちの踊りながらの受容の仕方を振り返りつつ、音楽が人種やらを越えて、人を結びつける愛のような力はまさにあるとも思った次第です。そして、どっかに踊りに遊びに行きたいな。

映画「ルードボーイ トロージャン・レコーズの物語」公式サイト
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Robbie Robertsonが亡くなってしまったという悲しい知らせを受け取りました。The Bandの"Music From Big Pink"と"Northern Lights - Southern Cross"は本当によく聴きました。Robbie RobertsonはドラマーのLevon Helmとの対立など毀誉褒貶もあったけれど、まさしく偉大なミュージシャンだった。カナダのネイティブアメリカンの居留地の極貧の中で育ったRobbieは生粋の南部人であったLevonとは不思議とよく気があったと思うのだけれど、ぼくは二人が天国で和解することを祈るばかり。

The BandはRobbie Robertsonの作った架空のアメリカ南部の物語の中の架空のバンドのようでもあった。そのバンドの旅は"Music From Big Pink"の"The Weight"の歌詞にあるように始まった。敬意を込めて拙くも意訳してみました。

♪♪♪
ナザレに入ってきておれはなかば死にかけていた
どこか休める場所はないかと尋ねると
旦那さん、ベッドの一つでもお探しですかと言い
やつはにたっと笑い、ないねと応える

おかしなやつだな、荷物を置いていけよ
ただで荷物を運んでいるのか
その荷物を置いていけよ
その重たい荷物をおれにあずけちまいな

おれは隠れる場所を探して荷物を持ちあげて
するとカルメンと悪魔が並んで歩いている
カルメンにダウンタウン行こうぜと声をかけると
彼女は友だちってやつにつけまわされているのって言う

おかしなやつだな、荷物を置いていけよ
ただで荷物を運んでいるのか
その荷物を置いていけよ
その重たい荷物をおれにあずけちまいな

ミスモーゼスはもう何も言うことはなくなって
老いたルークは審判の日を待っている
ルークさん、若いアンナリーはどうしかたって聞くと
若いの、親切にありがとうなって、アンナリーの面倒をみてくれないかって

おかしなやつだな、荷物を置いていけよ
ただで荷物を運んでいるのか
その荷物を置いていけよ
その重たい荷物をおれにあずけちまいな

気狂いチェスターがおれについて来て、おれは霧の中でつかまっちまった
犬のジャックをちょっとあずかってくれるなら、あんたのぼろい布団を直してやるぜ
ちょっと待ってくれ、チェスター、おれは平和で穏やかな男だよ
まあ、それでいいさ、ちょっとおれの犬に食いものをくれないか

おかしなやつだな、荷物を置いていけよ
ただで荷物を運んでいるのか
その荷物を置いていけよ
その重たい荷物をおれにあずけちまいな

砲弾に撃たれ、おれは死にかかっている
おれの背中がずきずき痛んでくる
ファニーっていうおかしな女のところに戻るんだろう
あいつだけはおれをきちんと送り届け、みんなによろしくねって言ってくれるのさ

おかしなやつだな、荷物を置いていけよ
ただで荷物を運んでいるのか
その荷物を置いていけよ
その重たい荷物をおれにあずけちまいな♪♪♪

そして、そのバンドは"Northern Lights - Southern Cross"の"Acadian Driftwood"のカナダで旅を終えた。"Northern Lights - Southern Cross"の次のラストアルバム"Ilands"は"Northern Lights - Southern Cross"の補遺のようなもので、それはそれでいいのだけれども…。"Acadian Driftwood"を以前、ぼくは訳したことがあって、記してみます。

♪♪♪
戦争は終わって、精神は壊れてしまった
足をひきずって歩く男たちの丘に煙は立ち込め
俺たちは絶壁にたたずんで
舟がランデブーしながら
静かに沈んでいくのを、じっと見ていた
彼らは条約に著名をし、俺たちの家や故郷は取り上げられ
愛するものも見捨てられたけけど
彼らは何一つくれはしない
家族を守るために
敵に降伏し
アブラハムの平原までやってきた

アカディアの流木よ
ジプシーの追い風よ
彼らは俺の故郷を雪の国だという
カナダの寒冷前線が入ってくるぞ
その道に四つんばにまたがって
その道を進んでいこう

そして、あるものは祖国に帰り
高邁な命令は退けられ
あるものは最後までやりとおし
彼らを分かつことはできなかった
彼らはその道を建設し
俺たちは南の国境線に居をかまえることとなった
彼らも少しは年をとり、けれど、うろつき
少しづつ人生はよくなったと手紙を送ったけれど
賭け金は取り上げられ、子どもたちは打ちひしがれていった

マイナス15度の冷気に脅かされ
衣服は湿り凍てつき、骨の髄まで濡れていった
氷上の釣りは得るものもなく繰り返され
男は家を出ることを余儀なくされた
セント・ピエロに向かい、湾を目指しけれど
何も明らかにされず
俺たちのすべてはむなしく過ぎていった
海岸ぞいに砕け散り
痛みだけは激しくなっていったけれど
人々は
進みつづけた方がまだましだと言った

終りのない夏に病は充満し
政府は俺たちを足かせや鎖につなぎ、まだ歩かせようというのか
これは俺の芝生でもなくて
俺の季節などは来はしなかった
残っている一つの希望も思わず
俺はニュー・オーリンズの北の砂糖きび畑で働いていたけれど
そこは呪いのような
洪水が来る前までは、永遠と続く緑だったのだ
おまえが行こうとしているところ
北の方角に羅針盤を合わせ
あの冬を俺の血の中に入れてしまおう

アカディアの流木よ
ジプシーの追い風よ
彼らは俺の故郷を雪の国だという
カナダの寒冷前線が入ってくるぞ
その道に馬乗りにまたがって
その道を進んでいこう

Sais tu, A-ca-di-e j'ai le mal du pays(わかるだろう、アカディアよ、すっかりホームシックだよ)
Ta neige, Acadie, fait des larmes au soleil(おまえのあの雪、アカディアよ、涙を太陽に溶かしてくれ)
J'arrive Acadie, teedle um, teedle um, teedle ooh(俺はアカディアにたどり着くよ)♪♪♪

Robieの死の知らせを受け、とても寂しく、敗北と挫折から希望を歌ったロックの世紀が終わっていくような虚無にまたがり、ぼくは泣いています。


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再び、横須賀美術館の『new born 荒井良二』を見に行きました。





初回とはまた違った感動があるような気がします。「きょうはそらにまるいつき」の原画に目がウルウルしてしまう。そして、こんな絵もあったとよくよく見てしまいます。

併設された谷内六郎館では荒井良二さんの選んだ絵が荒井良二さんの書いたキャプション付きで展示されていて、天才は天才に通ずるところがきっとありそうです。

同じ展覧会に何度も行くというのもいいものですな。9月3日(日)まで開催されているもようです。お勧めです。
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夜は新宿の末廣亭で落語を聴きに、夜は大久保のスタジオМによしだよしこさんとよねやまたかこさんの歌を聴きに行きました。



今日の末廣亭、「笑点」の大喜利の司会者の春風亭昇太さんというお茶の間の人気者が出演しているからか満席で、ぼくは立ち見で見ておりました。三遊亭遊雀師匠の「熊の革」、神田伯山師匠の「三方一両損」、春風亭昇太師匠の「鷺とり」とか、滑稽話、暑い夏を笑いで吹き飛ばそうということでしょうか、笑った、笑った。それから、最近、江戸時代の音曲に興味津々のぼくには、桂小すみさんの都々逸もすごくよかったよ。

夜はよしだよしこさんとよねやまたかこさんの二人も歌を聴きに大久保のスタジオМに行きました。よしだよしこさんの「高野くんの焼き鳥屋」で、ついこの前に行った福島の旅が懐かしく思い出されもします。いい歌がたくさん聴けました。お二人とも、ありがとう。
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福島の旅をしました。










この旅は山内若菜さんの絵が見たくてという動機がはじめにあった。山内若菜さんの絵は、何年も開かれ全国を巡回していた「もやい展」を形に残すそうと作られた、南相馬の「おれたちの伝承館」に天井画として飾られているということだけれど、館長で写真家の中筋純のインタビュー記事での勧めもあり、その前にもうひとつの「伝承館」である双葉にある「東日本大震災・原子力災害伝承館」を訪ねた。

行く常磐道の高速道路で福島に入ったあたりから放射線量の電光掲示板があり、場所によっては決して低くない数字が表示されていて、車のエアコンが換気になっていないか、見てしまう。車で事故を起こし、外に出て、森の中に入ってしまえば、被爆してしまう数値。

東京電力は処理水を海に放出するというけれど、魚を食べるのが好きで、毎日、刺身を食べているぼくは、はっきりいって不安だが、老境にさしかかったぼくはもういいかという気もする。水俣の公害病の歴史を振り返れば、大企業や日本政府は取り返しのつかない嘘を何度もついてきた。

閑話休題、「東日本大震災・原子力災害伝承館」に戻り、故郷は一度は津波で失われ、すぐに再び原発で失われた。決して楽しい展示ではないけれど、日本人はこれを忘れないほうがいいと思う。

その後「おれたちの伝承館」に行く。天井画を見上げて見ていると、ここを訪れ、鑑賞していた女の人から、ここに敷かれた畳に寝そべって見るとよくわわかりますと教えてくれる。寝そべって見る山内若菜さんの描いた大きな天井画は過去からやって来て、未来へ向かう命の輝く曼荼羅のようだと思った。

車で宿泊のビジネスホテルのある会津若松に向かう。福島を横に山越えする道は長くやっと到着する。

夕食は居酒屋でと思い、会津若松駅近くの「いろはにほへと」という店に入る。入ったらチェーン店風のお店であった。もっと歩いて小さい個人店を探すべきだったと後悔するも、そこで飲んだ福島の銘酒「国権」の純米吟醸酒はとてもおいしかった。このお酒の切れ味は会津の武士の刀だろか?

なにか、もの足りなく、七日町の方まで歩き、ロック酒場らしい「Dog House」というキッチンバーに入る。若いバーテンとぼくと同じぐらいの年に見えるマスターがカウンタの中にいて、客席はぼくと同じぐらいの人で賑わい、音楽はモータウンがかかっている。ロックとか今の若い人は関心ないのかな? バーボンウイスキーの「Maker's Mark」に果物を漬け込み、それをソーダで割った不思議なカクテルを飲む。それから「Maker's Mark」のダブル。お店の雰囲気の含めて、くつろげて、なんか面白かった。

翌日はフライフィッシングをしに、奥会津の「たのせヤマメの里」に向かう。数軒の家しかなく、民家の玄関をノックし、釣券を買わなくていけないらしい。三軒目でおじいさんからやっと買えた。

釣りの支度をしていると、車の後ろで用意していると、隣に地元の漁協らしき人の乗った車が停まる。二日前、たくさん放流したとのこと。階段があり、簡単に入渓できたが、なかなか魚が見つからない。上流の方に毛鉤を投げつつ、歩いて行くと、やっとヤマメらしき魚を見つけ、そこでいろんな毛鉤をとっかえひっかえ投げるが、釣れなかった。後で気づいたのだけれど、放流したのはヤマメではなくイワナであったらしい。流れのゆるいすみっこのもっと違うところを探すべきだったのだ。しかし、始めていくところは、ぼくの場合、ボーズ(一匹も釣れないこと)が多いなー。

奥会津は「たのせヤマメの里」の舘岩川以外にもフライフィッシングによさそうな川も多くありそうで、また来たい。

たった一泊でしたが夏らしい楽しい旅でした。
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東中野の映画館ポレポレで『ミャンマー・ダイアリーズ』を見ました。

今の軍政下のミャンマーで生命に危険がおよぶために匿名で映画を撮った10人の映画監督のクーデターのあった2021年の10編の物語に市民の撮影したドキュメンタリー映像がさしはさまれるこの映画は映画史に残るような傑作となっているような気がします。別々に撮られた10編の顔が秘匿された映像が生々しく同時代性を強く呼吸し、あたかもつながった連作のようでもあり、強靭な物語を喚起し、ドキュメタリーの映像とも有機的に連携し、驚くべき作品になっております。

ドキュメタリー部分の戒厳令下の街で人々の抗議の意味を込めての家の窓から鍋を叩く姿に、ぼくの眼に涙が溢れ出ます。この映画に感銘しめずらしく買ったパンフレットから引用します。

「さらに、誰でも比較的容易におこなえる抵抗と団結の意志の示し方として、決まった時刻と緊急時に一斉に鍋やフライパンなどの金物を打ち鳴らすことも繰り返された。これは、悪霊を追い払うという儀礼的な意味を持つ、人々の精神世界に深く根差した行為であった。」

あー、昔、ぼくの勤めていた会社に派遣社員として来ていたミャンマーの若者たちはどうなったのだろうかと安否が気になります。ぼくも映画を見ながら心の中で鍋やフライパンを鳴らしておりました。そして、人々に暴力をふるう軍の政府を未だに支援している日本政府にここで抗議し、ミャンマーの自由と平和を祈り、ミャンマーの人たちのことを忘れずに応援していきたいと思います。

ミャンマー・ダイアリーズ
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近頃の横浜の定番コースの昼はにぎわい座で落語を聴いて、夜は横浜スタジアムてフレーフレーベイスターズ。



三遊亭遊喜師匠の「お菊の皿」や柳屋小袁治師匠の「ちりとてちん」を聴きながら、落語という話芸の奥深さを知る思いです。あたりまえのことのようでもありますか、やっぱ、咄家さんによって、それぞれの味わい、趣があるのですね。面白かった。

横浜スタジアムはベイスターズ対阪神戦。シーソーゲームの末に負けた。微妙なものもあったけれど、ベイスターズのエラーの4個にため息。けれども、いいところもあった。今年は千載一遇の25年ぶりのチャンピオンのチャンスだと今も思います。もう一度、ベイスターズの優勝が見たい。夏、秋と先はまだまだ長い。明日からの巻き返しを頑張れ。また応援しに行くぜ。
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プロフィール
HN:
えいちゃん
性別:
男性
職業:
S.E.
趣味:
音楽
自己紹介:
音楽を演奏したり聴いたりするのが好きです。
歌ってしまいます。そしてギターも少々。
Sam CookeやOtis Reddingなど古いR&Bが好きです。
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