えいちゃん(さかい きよたか)

えいちゃんのぶろぐ

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中堅のぼくの大好きなもっともあぶらの乗りきった二人の咄家、春風亭一之輔師匠と古今亭文菊師匠が出演するというので、上野の鈴本演芸場に馳せ参じました。

寄席が始まり、しばらくして、三味線と浮世節の立花家橘之助姉さんの後の桃月庵白酒師匠の「代書」あたりから笑いのグルーヴに会場はつつまれはじめておりました。そして、中入りにはいり、再び幕が上がり、ニックスの姉さん二人の漫才の後、江戸衆の呑気で純朴な笑いの世界に突入してゆきます。古今亭文菊師匠の「親子酒」、春風亭一朝師匠の「湯屋番」の定番に笑い、林家楽一師匠の紙切りでほんわかして、春風亭一之輔師匠の「富久」でめでたくしまいとなりました。「富久」で大笑いながら、その噺にちなんで、おいらも年末宝くじかなんか、当たるといいなとかって思ってしまいます。嫌なことばかりの世の中ではありますが、落語は残された心のオアシスです。
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伊豆半島をドライブして旅をしました。伊豆長岡の韮山反射炉、修善寺、いつもの夕日の町、松崎。松崎町では奇麗な夕日が見れませんでしたが、この静けさに心洗われますな。読んだ俳句が五つ。

 分離体続くよ続く寒椿

 反射炉は冬徳川家夢始末(徳川家:とくせんけ)

 冬の午後いつも松崎静かなり

 曇り空見えぬ夕日に冬惜しむ

 木枯しの吹かぬ鈴の音夢なのか(音:ね)

修善寺で御神籤をひいたら、大吉でした。

「運勢大吉

 災害は自然に去り、よい事があつまります。
 目上の人の助けによって喜びごとはふえます。
 おこないは正しくすることです。
 
 第11番
 おみくじ
 
  「言」
 もし、真の自由を求めようとするならば、
 心中の奴隷をとりのけることから、はじめねばならぬ。」

ゆめゆめうたがふことなかれ
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東京国際映画祭で見逃した小津安二郎監督の『風の中の牝雞』を渋谷のルシネマで見ました。

1948年制作のこの映画での東京の景色を見ながら、ぼくは、日本は東京や神戸、ありとあらゆるところに雨霰と爆弾をアメリカに落とされ、ついには、広島と長崎に原子爆弾まで落とされて負けたんだと思う。小津自身、失敗作と認めたこの映画は、没後、評価を高め、『スパイの妻』の監督、黒沢清さんは、小津映画の最高傑作だと評価していました。この『風の中の牝雞』の後、小津安二郎は日本に回帰してゆき、『晩春』を撮ることになるのは、ぼくは痛いほど分かる。佐藤忠夫のこの映画についての批評を引用します。

「「敗戦で日本人は娼婦のごときものとなった、しかしそれでも、空き地で弁当を食べる素朴さは保持しようではないか」というのが本作に込められたメッセージである」

ジョーン・メレンの批評も引用したい。メレンは田中絹代の演ずる時子が守ろうとした子どもの名前の「ヒロ」が天皇の名前と同じであることは偶然ではないとし、以下の説をとなえる。

「彼女は日本人の生活のすぐれた点を守るために身を売ったのである。小津は日本人に向かって、すぐれた点、つまり占領によって汚されることのないと彼が信じる日本人の生活の貴重なものを守るために、新しい社会を受け入れるべきだと語っている」

翌年、無声映画の時代から映画を撮り続けてきたある日本の映画監督によって、フィルムという武器のみで、文化という血をめぐる戦い、日米映画決戦が挑まれる。それは、小津安二郎監督の紀子三部作を含む『晩春』、『宗方姉妹』、『麦秋』、『東京物語』。

さて、1ヶ月以上続いたぼくの小津映画を劇場で見る祭りももうおしまい。残業をしない小津組の監督の午後5時の言葉が聞こえてきそうです。

「これからはミルクの時間だよ」
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今日は鎌倉芸術館で小津安二郎監督の映画『東京物語』と『秋刀魚の味』を見ました。

『東京物語』の上映の後、映画監督の濱口竜介さんが登壇し、『東京物語』の映像の反復、ずれ、崩壊ということを軸に記号論的分析を行っておられ、圧巻でした。濱口さんの分析に首肯しつつ、ぼくは小津安二郎は映画という技法を持った物語の鬼でもあったとも思いました。

『秋刀魚の味』の上映の後は、岩下志麻さんが登壇され、小津安二郎の思い出話。岩下さんは小津の人柄をとてもやさしくて、声を荒げるようなところを見たことがないとおっしゃっておりました。その半面、演技には厳しく、100回、テストを繰り返し、朝に始めた一シーンの撮影が夕方にOKになるということもあったそう。その次の日、岩下さんは小津に食事に誘われ、小津は志麻さんに、人間というのは悲しい時に悲しい表情をするものでもないんだよ、人間の感情はもっと複雑なんだよ、と言ったということでした。やさしい映画の鬼。

さて、今日は小津安二郎の120年を迎える生誕祭であるとともに、没後60年を迎える日でもあって、ぼくは、おっちゃんこと小津安二郎の戦後のベスト5の映画を考えて、発表してみることにします。

1. 東京物語
1. 秋刀魚の味

同列1位はこの2つの映画とします。言わずもがなの親子の別れを描いた映画『東京物語』と『秋刀魚の味』は、この前、亡くなった坂本龍一さんもベストにあげておられました。この作品の系統には、他に『晩春』、『麦秋』、『彼岸花』、『秋日和』があります。

3. 東京暮色

現代の映画に通じるような小津映画のもう1つの流れをなす中の傑作であります。この作品の系統には、他に『風の中の牝雞』、『宗方姉妹』、『早春』があります。

4. 浮草

二代目中村鴈治郎を主演にした怪作です。『浮草』での中村鴈治郎と京マチ子は本当にかっこいい。この作品の系統には、他に『小早川の秋』があります。

5. 長屋紳士録

戦前の流れをくむ憂いも含むコメディーです。この作品の系統には、他に『お茶漬の味』、『お早う』があります。

どうでしょう? ご参考になりましたでしょうか?

ぼくには小津安二郎の映画は何度見ても面白い。ドイツの巨匠、ヴィム・ヴェンダーズも言っておりましたが、小津安二郎の映画は汲めども尽きないミステリーのようでもあります。
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渋谷のルシネマで東京国際映画祭で見逃した小津安二郎監督の『お早う』を見ました。1959年の映画で子どもがテレビを欲しがり、ねだって、それからささやかな事件のようなことが起こり、ハッピーにエンディングする、ほっとするような映画でした。子役の島津雅彦がすごくいい。大泉滉は怪しげな存在感で異彩を放っている。東野英治郎の疲れ切った定年退職したサラリーマンとか。舞台は多摩川沿いの新興住宅地で、杉村春子や高橋とよの演じる主婦たちの噂も飛び交うけれど、きっと、この映画は小津安二郎が昔帰りして子どもを撮りたかったんだよ。

その後、さらにほっとしたくて、新宿の末廣亭に行きました。桂歌春師匠の間抜けな泥棒の噺「鈴ヶ森」がよかったねー。古今亭寿輔師匠のつるべ打ちの小咄に大笑い。桧山うめ吉さんの小唄と都々逸に江戸の風情に感じ入り、冬の定番らしき、主任の春風亭柳之助師匠の「二番煎じ」に締めの笑い。あぁ、落語パラダイス。
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ひまわりヨガ道場でゆふがほきららさんの舞踏「道成寺 鐘入り」を見ました。最近、狂言や能をよく見るぼくは、きららさんの「道成寺」が、能ではなく狂言のように見えもしましたが、後半から能的世界に入っていくようでした。能の好きなぼくは、終には、安珍と清姫が清らかな黄泉の国に旅立って欲しくもありましが、この「道成寺」は現代舞踏かもしれないのだ。舞踏よ、安土桃山も現代もなく、軽々と時を越えてゆけ。そして、なぜかぼくは、いつかきららさんが、歌舞伎や能の演目ではなく、説教節の「小栗判官照手姫」を舞踏するのを見たいと思ってしまうのです。
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東京国際映画祭で見逃した小津安二郎監督の映画『早春』を渋谷のルシネマで見ました。全編を見ると、この映画の主人公は、岸恵子や池辺良ではなく淡島千景なのだと思う。凛とした美しさ。杉村春子は名女優だし、浦辺粂子って昔からこんな風なのか。池辺良の戦友役の三井弘仕や加藤大介もいい。昔は一癖も二癖もあるバイプレイヤーがたくさんいたのだ。脇役の疲れた定年間近のサラリーマンを演ずる東野英治郎がこれまた素晴らしい。まさに性格俳優。この人が後年「水戸黄門」の御隠居を演じているのに、ぼくは驚いてしまう。
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プロフィール
HN:
えいちゃん
性別:
男性
職業:
S.E.
趣味:
音楽
自己紹介:
音楽を演奏したり聴いたりするのが好きです。
歌ってしまいます。そしてギターも少々。
Sam CookeやOtis Reddingなど古いR&Bが好きです。
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