えいちゃん(さかい きよたか)

えいちゃんのぶろぐ

entry_top_w.png

夏です。暑いですね。インドネシアのムード歌謡、クロンチョンの女王、ネティのアルバム"Netty Kroncong Tempo Doeloe"をクーラーを切って、微風を部屋に入れて、扇風機を回し、蚊取線香を焚いて、毎日、聴いています。
インドネシアって音楽大国なのですね。三百の民族がひしめく二億三千万人以上の人口をようする南東アジアの島々の国の不思議なゆったりとした音楽からただよいくる熱帯の媚薬に、ああ、すべてが癒されそうです。








entry_bottom_w.png
entry_top_w.png
大映の兵隊やくざシリーズの実質のラストである八作目「兵隊やくざ 強奪」を見た。この大映でのシリーズ、一作目のみが増村保造監督で二作目から八作目までが田中徳三監督、九作目が大映ではなく勝プロでの制作の「新兵隊やくざ火線」で異色、唯一DVD化されておらず、ぼくは一作目から八作目まで見たのだけど一作目の「兵隊やくざ」と並ぶ「兵隊やくざ強奪」は不可思議な名作だと感じた。

七作目の「兵隊やくざ 殴りこみ」で日本は負け、田村高廣の演ずる有田上等兵も、勝新太郎の演じる大宮一等兵も、すでに兵隊ですらなく、二人は混乱の中国の中、日本内地を目指し、南に向かう、その途上で三才にもならない捨てられた赤ん坊を拾う。満人か日本人の子かわからんものを置いていけ、と言う有田上等兵に、大宮一等兵は、人間の子どもであります、と返す。一旦は置いていく子どもの泣き声に堪らず、引き返し子どもを連れて行く決心をする有田上等兵に喜ぶ大宮一等兵、そして、名前もわからない子どもとの三人での旅が始まり、大宮一等兵は、おれたちの子どもであります、と叫んだのだった。

戦争映画を二歩離れ、B級映画のマニアであるアメリカのタランティーノ監督が絶賛しそうな無国籍な情趣のこの映画は、あとは見てのお楽しみ。

今作の脇役陣の中で、どの俳優たちも素晴らしかったのだけど、特に、美人の抗日ゲリラ隊長、楊秋蘭を演じる佐藤友美が良かったです。
entry_bottom_w.png
entry_top_w.png

仁科邦男さんの著した「犬の伊勢参り」という本を読んで、江戸時代、夏目漱石曰く徳川家(とくせんけ)の世の中って、もしかして幸せな時代だったのかも、と思う。三百五十年つづいたかの時代に「お陰参り」と呼ばれる、神聖なお宮の建て替え儀式である式年遷宮の年の集団での伊勢神宮参拝の国中上げてかのような集団参拝が六十年毎に三回も起きて、当時三千万人ほどだった日本人のうち三百万人以上が参っていたという説もあるほどで、その多くが主人に伺いも立てず、着の身着のまま、三重を目指した、という。その人々の行列に主人や村人に代参として遣わされていたシロやブチと呼ばれた犬たちも歩いていて、首に祓(はらえ)、所謂御札を巻きつけて帰ってきた。楽しそうではないか。それに平和な景色だなぁ。

日本には神の社の三大聖地があるかもしれず、そこは伊勢神宮と熊野本宮、出雲大社。今年の伊勢神宮は六十二回目の式年遷宮にあたって、ぼくも一度は参りたい、と思うのです。日本万歳!







entry_bottom_w.png
entry_top_w.png


石牟礼道子さんの「椿の海の記」を読了した。水俣病発症以前の村であったころの水俣の五歳の女児の語る物語は、言葉を書き残すことのない人たちの物語で、昭和五年のころの在りし日の日本の胸苦しくなるような風景でもあった。

写真家の藤原新也さんが石牟礼道子こそ三人目の日本人のノーベル文学賞にふさわしいと言ったことに同意します。なんと言ったらいいのだろう、「枯木灘」や「千年の愉楽」を書いていたころの中上健次の小説を数倍濃度を高め、しかも、なんという美しい文なのだろう。そして、そこには確かで無辺な愛がある。それに対峙し屹立するのは、公害を垂れ流しつづける企業なのだが、この物語は、それについては萌芽にとどまり、まだ書かれない。

石牟礼道子さんこそが戦後の日本のまさにその時代が生み、時代を越える普遍性を持った、最も偉大な小説家ではあるまいか。










entry_bottom_w.png
entry_top_w.png


梅雨時の晴れ間に秦野の弘法山に登りました。夏の初めは暗い予感の微塵もなく、草や木、鳥たち、虫たちは、この世界を謳歌しているみたいでした。弘法山の頂上に弘法大師の像がいまわされ、そこでぼくは弘法大師こと空海上人に向かい、心貧しくも、こう小さく祈りにも満たない願いのようなものが自然に言の葉として口につき、それを唱えました。

一、良い縁に恵まれますように。
一、悪い縁を断ち切られますように。
一、そして、良い縁からも、悪い縁からも自由になれますように。

正午の鐘の音が響きました。山を下りて温泉に入って、麦酒を飲み、お蕎麦を食べました。おいしかったです。
entry_bottom_w.png
entry_top_w.png


ヘンリー・D・ソローの「森の生活 ウォールデン」を読了する。この本の中でソローーの思考はウォールデン池から出発し、さまざまに飛翔し、再びウォールデン池に戻ってくる、長大な散文で書かれた詩なのだった。難しいけど、美しかったです。それから、ソローって反逆者だったんだと思った。強固で頑迷な奴隷制反対論者でもあったのはこの本にも出てきて、それはリンカーン登場、アメリカ南北戦争前夜のことであった。失われた最良のアメリカがあるようで、そんなところにも惹かれます。ぼくが読んだのは佐渡谷重信さん訳の日本語なのだが、ここでは「池(Pond)」と題された章のおしまいの一段を英語で引用して、この自然の緑が陽光を受けて輝くかのような明るい瞑想家に敬意を表します。

White Pond and Walden are great crystals on the surface of the earth, Lakes of Light. If they were permanently congealed, and small enough to be clutched, they would, perchance, be carried off by slaves, like precious stones, to adorn the heads of emperors; but being liquid, and ample, and secured to us and our successors forever, we disregard them, and run after the diamond of Kohinoor. They are too pure to have a market value; they contain no muck. How much more beautiful than our lives, how much more transparent than our characters, are they! We never learned meanness of them. How much fairer than the pool before the farmer's door, in which his ducks swim! Hither the clean wild ducks come. Nature has no human inhabitant who appreciates her. The birds with their plumage and their notes are in harmony with the flowers, but what youth or maiden conspires with the wild luxuriant beauty of Nature? She flourishes most alone, far from the towns where they reside. Talk of heaven! ye disgrace earth.





entry_bottom_w.png
entry_top_w.png


会社帰りに新百合ヶ丘の川崎アート・センターで「魔女と呼ばれた少女」という映画を見る。カナダの新進気鋭のキム・グエン監督の内戦絶えぬ中部アフリカのとある国を舞台にしたこの映画の重さに打ちのめされてへこむ。ぼくは川崎アート・センターの小さなシアターの一番前の方の席でこの映画を見ていたのだけど、映画が終わり、ふと振り向くと、十人ほどのこの映画を見ていたいた人の表情は沈痛に打ちひしがれていたのだった。

映像も劇中に挟まれるアフリカのポップスも美しかったので、その内容の苛烈さに言葉もないのだけど、いい映画だと思う。エイモス チュツオーラの「やし酒飲み」とかジョゼフ・コンラッドの「闇の奥」といった小説を思い出した。そして、帰り路を急いでいると、ジャマイカのルーツ・レゲエ・シンガー、Burning SpearことWinston Rodneyの歌う"Throw Down Your Arms"が天啓かのように頭の中をめぐり始めたのだった。武器を捨てろ!

http://majo.ayapro.ne.jp/index.html
entry_bottom_w.png
<< 前のページ 次のページ >>
[324]  [325]  [326]  [327]  [328]  [329]  [330]  [331]  [332]  [333]  [334
plugin_top_w.png
カレンダー
01 2025/02 03
S M T W T F S
2 4 6
9 10 11 12 13 14 15
16 17 18 19 20 21 22
23 24 25 26 27 28
plugin_bottom_w.png
plugin_top_w.png
えいちゃんのお奨め

ライブのお知らせ

ぼくのTwitter

plugin_bottom_w.png
plugin_top_w.png
最新コメント
[12/23 ロンサム・スー]
[07/27 gmail account]
[08/29 えいちゃん]
[08/29 みさき]
[05/18 えいちゃん]
plugin_bottom_w.png
plugin_top_w.png
プロフィール
HN:
えいちゃん
性別:
男性
職業:
S.E.
趣味:
音楽
自己紹介:
音楽を演奏したり聴いたりするのが好きです。
歌ってしまいます。そしてギターも少々。
Sam CookeやOtis Reddingなど古いR&Bが好きです。
plugin_bottom_w.png
plugin_top_w.png
ブログ内検索
plugin_bottom_w.png
plugin_top_w.png
最新トラックバック
plugin_bottom_w.png
Copyright えいちゃん(さかい きよたか) by えいちゃん All Rights Reserved.
Template by テンプレート@忍者ブログ