えいちゃん(さかい きよたか)

えいちゃんのぶろぐ

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東京都庭園美術館で「マスク展」を見る。東京都庭園美術館は旧朝香宮邸でもあり、皇族の邸宅でもあったところ。そのいくつものアールデコ様式の部屋にいくつもの世界各国の仮面、マスクが並べられていて、とても雰囲気があります。この展覧会を手がけたキュレーターの手腕はさすがです。

閑散としているんかと思いきや、けっこう混んでいて、日本の能面もしっかり最後の間に飾られておりました。その能面は東の果ての島で究極の洗練にいたったようなのです。

ところで、仮面とかマスクって何だろう。いろんな仮面を見ていると、霊とか精霊みたいなものが世界には満ち溢れていて、そのもうひとつの仮の姿が仮面とかマスクに表されているようにも感じたのです。

宮澤賢治の「鹿踊りのはじまり」とか、もう一度、読みたくなりました。沖縄竹富島の種子取祭とか秋田のなまはげとか、探せばいろいろありそうで、この島国にも精霊は満ちているのかもしれません。その精霊を感じたく、たくさんの人がこの展覧会に足をはこんでいるのかしら。

http://www.teien-art-museum.ne.jp
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映画の「あん」がとても良かったので、ドリアン助川さんの原作の小説「あん」も読んでみた。

後半、映画にはないエピソードも語られ、重たい話だけれども、読んで本当に良かった、明るい幸せの暖かい光に包まれたかのような読後感だった。一生に一度の素敵な出会いの素晴らしい小説でした。







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村上春樹さんの訳したレイモンド・チャンドラーの探偵小説「ロング・グッドバイ」を読了する。村上さんは清水俊二さんの同小説"The Long Goodbye"を訳した「長いお別れ」に敬意を表しつつも、訳として大胆に渇愛している部分を、原文の大胆な英語の文体を現代の日本語で再現しようと、この訳を完成させ上梓したということだ。といってもぼくは「長いお別れ」は未読なのだけど。

ところで、アメリカの映画を見ていて疑問だったことがあって、アメリカ人は普段からこんな粋な洒落た会話をしているのだろうかと思っていたのだけど、その原型みたいなものを、ぼくはチャンドラーの小説に見てしまった気がする。

それから、このロサンジェルスを舞台にした小説を読んでいると、ドアーズのアルバム"L.A. Woman"を聴きたくなったよ。ヨーロッパのパリだかローマだかマドリッドを中心にすると西の果てに乾いた楽園の地、カリフォルニアがあって、そこにフィリップ・マーロウという主人公とする探偵の世界が花開いている。巻末にある村上春樹さんによる訳者あとがき「準古典小説としての『ロング・グッドバイ』」が出色。その中からチャンドラーの小説の主人公に言及した文章を引用し、ハードボイルド小説をほめたたえます。かっこいいなぁ。

「彼らはそのような宿命的な巨大な力をまず黙して受容し、そのモーメントに呑まれ、振り回されながらも、その渦中で自らをまっとうに保つ方策を希求しようと努める。そのような状況の中で、彼らに対決すべき相手があるとすれば、それは自らの中に含まれる弱さであり、そこに設定された限界である。そのような闘いはおおむねひそやかであり、用いられる武器は個人的な美学であり、規範であり、徳義である。多くの場合、それが結局は負け戦におわるであろうことを知りながらも、彼等は背筋を真っすぐに伸ばし、敢えて弁明をすることなく、自らを誇るでもなく、ただ口を閉ざし、いくつかの煉獄を通り過ぎていく」






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河瀬直美監督の映画「あん」を見ました。樹木希林の本当になりきった名演技、永瀬正敏の影のあるだめ男ぶりのこれも名演技、内田加羅さんの自然なかわいらしさ。病のこと、社会のこと、偏見のこと、人生のこと、人間のこと、生きているってこと、数えきれない大切なことが、この映画にはあって、生涯、忘れられないような映画、胸に深い余韻を残す淡くて美しく、そして、すばらしい名画となっていました。何か大切なことも思い出したのです。ドリアン助川さんの原作も読んでみようっと。

http://an-movie.com
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旅先の東伊豆のとあるコンビニで買ってしまった曹洞宗のお坊さんである桝野俊明さんの著した「競争からちょっと離れると、人生はうまくいく」を読了した。競争からまったく離れるのではなく、ちょっと離れてみる、ということが肝要なのだそうな。

この本の処世術を説くみたいなところは、まぁ、すみに置いておいて、競争などに勝ったことのないぼくだけど、やはり、禅の言葉には、人生のその時その時で惹かれる何かがあてって、この本に出てくる「自灯明、法灯明」という言葉には強く何かを感じてしまった。おれって、もともと集団とかなじめないし、どこか好きじゃないしな、一人ぼっちの変人だと思わば、思えよ、などとひがんでもいけなく、禅師、桝野俊明さんによれば、―他人と比べたりせず、自分自身に頼って生きなさい、真理に気づき、それを拠り所として生きなさい―、ということらしい。

喝!






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1年以上前にだか旅ををした伊豆の西の海沿いの町のなにもない夕焼けの美しをもうい一度見たいと思い、再び伊豆の東側、松崎ではないけれど、堂ヶ島に小さな旅をしました。梅雨時の曇り空で夕焼けはかなわなかったけれども、どんな旅もいいものです。出ない答えに頭を悩ませるふりをしながら、本当は答えは簡単に単純にそこのもうすでにあったりする、そんなことを気づくために、どこか知らない町を旅し、ほっつき歩くのでしょうか? 夜、おししいものをいっぱい食べて酔っ払い、温泉に入り、早く灯りを消して、寝床に入ると潮騒が聞こえてきます。昔、読んだジャン・コクトーの俳句のような短い詩を堀口大学が訳したのを思いだいたりしたのです。おやすみなさいZZZzzz.....

「私の耳は貝のから
海の響きをなつかしむ」
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去年、前の会社をやめてしまった仲間らで忘年会をしたところ、今はシー・カヤックのインストラクターをしているある友だちが、なんでも嫁さんの実家が西伊豆にあるらしく、西伊豆っていいところですよ、と言っていたのを、ふいに思い出し、旅をしてみた。その友だちは、いいところですよ、に続いて、しかし、さびれているんだよな、とも言っていたのだけど。

車では行かず、少しは乗り鉄の入っているぼくは、小田急線、JR、伊豆急行を乗り継ぎ、伊豆急下田駅まで電車に揺られ、海の向こう大島などを眺めながら、そう言えば、伊豆ってのは、ひょっこりひょうたん島みたく、南から流れてきたんだよな、どうやてって、島が海を流れていくのだろう、などと妄想のようなことを考えていた。

下田から路線の東海バスで約50分、乗って、西伊豆のさらに南の松崎に付き、なまこ壁と呼ばれる家々の転々とする町並みをほっつき歩いた。美しいさびれ具合にぼくのノスタルジー好きは癒され、オアシスのように感じます。

午後三時に国民宿舎伊豆まつざき荘に当宿し、温泉に浸かり、湯上がりにずっと、沈む夕日に見とれていました。まるで、三島由紀夫の小説「潮騒」にでも描かれていたかのような、いくら見ても見あきることのない美しい絵のような光景でした。しかも、ひいてはかえす波の凪の音ばかりの静けさに、心がどこかとても安らかで平和なところへつれていかれるかのようです。その言葉では言えない静けさ・・・

温泉はくせのない単純温泉で、何度も入りました。当地の地酒「花の舞」を飲みながらいただいた夕飯もおいしかったです。穴場、発見ですな。
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プロフィール
HN:
えいちゃん
性別:
男性
職業:
S.E.
趣味:
音楽
自己紹介:
音楽を演奏したり聴いたりするのが好きです。
歌ってしまいます。そしてギターも少々。
Sam CookeやOtis Reddingなど古いR&Bが好きです。
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