えいちゃん(さかい きよたか)

えいちゃんのぶろぐ

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早川千絵監督の『ルノワール』を見ました。こういう映画を見ると、フランソ・トリフォーの『大人は判ってくれない』を思いだしてしまう。『ルノワール』と『大人は判ってくれない』のラストは真逆なのだけれど、どこか同じような気もするのです。

お父さん役をリリー・フランキーさん、お母さん役を石田ひかりさんが演じています。石田ひかりさんがいい。小学生の子役の鈴木唯ちゃんがさらにいい。

舞台となっている時代は1980年代の初めのほうだというのは、林間学校でみんなでYM0の「ライディーン」をかけて踊るシーンから分かります。

子どもの頃、誰もがこの映画のような喪失を経験するような気もするのだけどどうだろう? その喪失感こそが、なぜか、これからの人生を人間らしく生きていく糧となるような気もするはどうしてだろう?

映画『ルノワール』公式サイト|絶賛公開中
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横浜のKアリーナで竹内まりやさんのコンサートを見ました。「Souvenir 2025 Mariya Takeuchi live」と題されていて、十一年ぶりのコンサート・ツアーだそうです。コンサートのタイトルの「Souvenir」とは「お土産」という意味らしい。十一年分のお土産ですな。

バック・バンドは山下達郎さんをリーダーとする腕達者で息の合った面々での完璧な演奏と山下達郎さんの完璧なアレンジです。

二時間半のコンサートがあっという間に過ぎていきました。もっといろんな曲がライブで聴きたい、とコンサート会場を後にする時、思ってしまいます。というのも竹内まりやさんの曲は名曲ばかりなのだ。しかも、それらの曲のどの曲も奇をてらったところのまったくないのが美しいポップスのど真ん中です。

竹内まりやさんの歌唱にも衰えなし。とても素晴らしいコンサートでした。いつか、次の何年か後にお土産を携えての再会のあることを切に願うぼくであります。
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パナソニック汐留美術館で『オディロン・ルドン 光の夢、影の輝き』を見てきました。

展覧会を見ながら、このルドンというフランスの画家の名前を知ったのは、ぼくがティーン・エイジャーのころの、たしか高校生の時だったように思い出します。マルキ・ド・サドの怪しげな小説を訳していた澁澤龍彦のエッセイを読んでいいたら、ルドンのことを大絶賛していました。そういえば、澁澤龍彦の周辺の怪しげなフランスの小説などを市立の図書館から借りてよくぼくは読んでおりましたな。マルキ・ド・サドの『悪徳の栄え』、J.K.ユイスマンスの『さかしま』とか『大伽藍』、ルイ・フェルディナン・セリーヌの『世の果ての旅』、ジャン・ジュネの『泥棒日記』とか『花のノートルダム』、ジョルジュ・バタイユの『マダム・エドワルダ』、ジャン・コクトーの『恐るべき子供たち』、次から次へと出てくるのだけど、わけも分からず読んでおりましたな。その後、ろくな大人になれたか、なれなかったかは、ぼくにはよく分かりませぬ。そんなころに澁澤龍彦の本の小さな挿絵で出会ったルドンに何十年もたって、本ものの絵という形で再会するのなんて、不思議を感じる、と同時に、人生ってあっという間だとも思います。

今、ぼくの晩年の心で見れば、昔、惹かれた初期のモノクロの不気味で暗い作品もよいけれど、何かが吹っ切れたかのような、カラーの、花瓶に活けられた花、女の人、神話に出てくる物語などを描いた作品もとても魅力的で、何か胸がすーっとして気持ちよくなるかのようなのです。
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青山学院大学で日本現代史の教授をされている小宮京さんの著した『昭和天皇の敗北 日本国憲法第一条をめぐる闘い』を読了しました。

小宮さんは、所謂、第三の聖断はなかった、昭和天皇は敗戦後、自らの権力に固執していた、と書いております。ちなみに、前の大戦における昭和天皇の聖断とは、軍部の、「国体」護持、連合国軍による占領の拒否、撤兵と武装解除は自主的に行う、戦争責任者の処分は日本側がする、という四つの条件を付けてのポツダム宣言の受諾の案に反対し、天皇の決断による1945年8月10日の「国体」護持(天皇制維持)のみを条件としたポツダム宣言の受諾が一つ目の聖断、8月13日のポツダム宣言の受諾による即時講和の天皇の決断が二つ目の聖断、三つ目の聖断とは、憲法についてのGHQ草案を受け入れ、静かに自ら権力を放棄し退場したとする、ことだそうです。その三つ目の聖断はなかった、と本書では断じています。昭和天皇が亡くなって、今年で36年、このような本『昭和天皇の敗北』が出されて、事実という真実が明らかになったようなのです。

日本国憲法憲法が発布されて以来、昭和の天皇は、質問に答えるということのみを例外として、自らの政治観やそれのたぐいに属することを公にすることは一切なくなりました。その口をつぐんだことが憲法と民主主義の定着に貢献したとする、歴史のあやと不思議な成り行きを感じつつ、それを初めて破ったのが2016年の平和的とされる平成の天皇のメディアをつうじてのおことばであることに、ぼくは困惑し、本を閉じたしだいです。

昭和天皇の敗北 日本国憲法第一条をめぐる闘い -小宮京 著
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国立能楽堂で狂言の和泉流「秀句傘」、能の観世流「六浦」を見ました。

「秀句傘」の「秀句」とは駄洒落のこと。秀句の分からぬ大名に傘職人が秀句を指南し、大名はあらぬ勘違いをして、というような滑稽なとんち話でした。

「六浦」とは相模の国の六浦の紅葉をしない楓の精の不思議な話。早く紅葉する楓、もしくは紅葉をせずに緑のままでいる楓に神仏の顕現を旅僧は見る。僧が「草木国土悉皆成仏」唱えれば、若き女人となった楓の精が美しい舞いを踊ります。美しい話でありました。
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日本武道館で玉置浩二さんのコンサートを見ました。

玉置浩二さんのコンサートはいつも古い友だちが誘ってくれます。その友だちとはクイーンのミュージカルの『ウィ・ウィル・ロック・ユー』や、同じくミュージカルの『ミス・サイゴン』、『ラマンチャの男』も見ました。佐野元春のコンサートなどにも何度でも誘ってくれます。ありがたいお友だちです。ありがとう。それから、古友だちに会うと、正直、人生なんかあっという間だな、と思いますね。

さて、話は玉置浩二さんのコンサートにもどり、伴奏は大友直人さんの指揮する東京フィルハーモニー交響楽団。少しだけブラームスやベートーヴェンのクラシックの名曲の演奏もあり。ゴージャスです。

それにしても玉置浩二さんの歌う時の没入感はすごい。途中、アカペラで歌い、武道館の客席の一番後ろまで歌声は響いておりました。技術に加え、パワーもすごいです。アンコールでは隣の女の人がわめきまくって、興趣をもりあげておりました。いいコンサートでした。
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六月十六日、浅草演芸ホールで令和七年六月中席昼の部の『初代林家三平生誕百年記念興行』を見ました。

見た演目です。二つ目の林家あんこさんの「北斎の娘 シーボルトの注文」、柳家わさび師匠の「ミクロマリスト」、寒空はだかさんの漫談、二つ目の林家咲太郎くんの「鶴」、林家たけ平師匠の「電車風景」、立花家あまね師匠の三味線弾きの唄いの民謡、林家木久蔵師匠の「勘定板」、林家うん平師匠の「佐野山」で一回目の仲入りです。ロケット団のお二人の漫才、春風亭清朝師匠の「悋気の火の玉」、林家種平師匠の「ぼやき酒屋」、林家ペーさんの漫談、柳家小ゑん師匠の「鉄の男 序」、柳家小さん師匠の「不精床」で二回目の仲入りです。林家つる子師匠の「箱入り」、関根勤さんと林家三平師匠の初代林家三平にまつわる対談、春風亭小朝師匠の「源平合戦 扇の的」、林家正蔵師匠の「お菊の皿」、翁家勝丸師匠の曲芸、主任は林家三平師匠で遠峰あこさんのアコーディオン付きの小噺の連発でごさいました。

その後、寄席を出て、浅草の街をぶらぶらしながら、こんな白日夢のようなものを見ました。初代の林家三平さんがぼくの目の前に現れます。林家三平は特攻隊の生き残りだったそうで、ぼくは三平師匠に、おまえみたいのがいたから、日本は負けたんだ、なじりました。すると三平師匠は例のポーズの頭にげんこつをかざし、どうもすみません、というのです。そして、次には笠智衆が出てきて、負けてよかったじやないか、といいます。すると、加東大介が出てきて、そうかもしれねえな、バカな野郎がいばらなくなっただけでもね、というのです。林家三平さん、ありがとう。

暗いこの世のつらさ忘れ、寄席は心のオアシスなのです。
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プロフィール
HN:
えいちゃん
性別:
男性
職業:
S.E.
趣味:
音楽
自己紹介:
音楽を演奏したり聴いたりするのが好きです。
歌ってしまいます。そしてギターも少々。
Sam CookeやOtis Reddingなど古いR&Bが好きです。
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