えいちゃん(さかい きよたか)

えいちゃんのぶろぐ

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「李香蘭と東アジア」の中で書かれてあったこと、四方田犬彦さんの明治学院大学におけるシンポジウムの発言「ただ、個人的には、彼の大杉栄殺しは他人の罪を被ったものだと考えています。この人物の孤独の深さを考えるたびに、甘粕は生きていてほしかった」の呼び水に応え、角田房子さんの著した「甘粕大尉」を読みました。

これほどに歴史上の評価と、実際に甘粕正彦と出会った人の感想が相反する人物もいないのではないか。「敗戦」の章では胸がうずき、痛くなる。甘粕が自らの青酸カリにより息絶えるころ、中国の「新京」と十数年の間、呼ばれた町は、「長春」と古い呼び名に戻っていて、三通の遺書は永井荷風の「墨東奇譚」にはさまれていたそうだ。愚か者の夢か?

今、ぼくは「甘粕大尉」という本で甘粕正彦という人と出会い、その死を悼んでいるかのようなのです。






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四方田犬彦さんの編纂した「李香蘭と東アジア」を読了した。著者は四方田さん以外に鷲谷花さん、垂水千恵さん、岩野裕一さん、牧野守さん、藤井省三さん、張愛玲さん、古倉梧さん、門間貴志の面々。四方田さんは李香蘭はいろいろな名前で呼べれてきたと言う。日本語ではリコウラン、北京語ではリシャンラン、広東語ではレイホウラン。彼女は山口淑子でもあり、ハリウッドではシャーリー・ヤマグチ、そして、パレスチナでのアラブ名、ジャミ―ラ。そして、こうも続けている。

「現在のわたしには、戦後の李香蘭=山口淑子の存在は、二一世紀に日本人が生きてゆく際のモデルを提供しているように思われる。国境を越え、民族と言語の壁を越え、民族主義と真正面と向かいながら、つねに歴史のなかで自分の位置を確認してゆく作業を忘れない女性」

なんとなく伊藤詩織さんという人を思い浮かべてしまうのだった。

北京の映画監督である陳凱歌(チェンカイク)はこう称揚するそうだ。

「李香蘭は二〇世紀のアジアが生んだもっとも重要な女性だよ」

この本を読み、もう一つのアジアの歴史を知ったかのよう。

そして、山口淑子さん自身が藤原作弥さんと共著した「李香蘭 私の半生」についても。この本はは昭和の初めのころ。戦前の中国と日本についてのもう一つの視点からの歴史を知りたい人にお薦めの名著です。





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黒澤明監督の「七人の侍」を映画館の大きなスクリーンで見た。日本や海外での映画雑誌でこの映画が第一位にあげられることもよくあって、実際に映画を見ると、なるほど、これはすごくおもしろくて、音と映像を駆使した映画ならではの名作であることもよくわかります。あのスティーブン・スピルバーグは映画作りに悩むと、必ずこの「七人の侍」を見るそうです。3時間半近い長尺の大作で途中で5分間の休憩が入るのだけど、どのシーンもわくわくしてしまって、見逃せない感じ。

島田勘兵衛を演じる志村喬と菊千代を演じる三船敏郎がすごくかっこいい。三船敏郎の演じる菊千代のヒーロー像って、日本のドラマや映画に脈々と受け継がれ、萩原健一の演じる「傷だらけの天使」の小暮修となったのではないか、などとも想像してしまいまう。

そして、志村喬のラストのセリフが泣かせます。

「今度もまた、負け戦だったな。勝ったのはあの百姓たちだ、わしたちではない」

そして、スクリーンいっぱいにひろがる、農民たち、みんなで歌いながらの田植えのシーン。それは後の黒澤映画のぼくの好きな映画「夢」のエンディングシーンと地続きのような気もした。そこにはもっとも美しいメッセージがあるようなのです。感動しました。
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相模大野アコパの遠足で箱根にあるアサヒビール工場に見学してまいりました。濾過機の大きくて複雑なパイプに胸がときめいてしまう自分に気づく。




見学後の新鮮なビールもうまかった。併設のビール園で飲んだ「グランマイルド」というビール、かなり好みです。
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地下鉄サリン事件の実行犯の七人の死刑執行に、亡くなられた、もしくは殺害された遺族の方たちの溜飲を下げられておられるのを多くのニュースで知りつつも、なんとも暗い気分だ。

写真家の藤原新也さんがネットで書かれた文を読み、気づいたのだけれど、元号の移り変わりとともに、この事件も曖昧に消えていき、忘れ去らてしまうのだろうか。そうか、あれから二十年以上、経っているのか。この事件を起こしたオウム真理教の記憶による雑感です。

オウム真理教は一部で人気があった。テレビとかママスメディアに教祖の麻原彰晃とか出ていたし、たいがいの本屋の宗教書やニューエイジのコーナーに何冊かの彼らの本はあり、それなりに売れているようだった。多くの本を出していたインドのラジニーシや阿含宗の真似をしているのかな、と思った。

テレビのニュースは、いろんな跳梁跋扈した新興宗教団体が起こす問題を伝えていた。土曜や日曜に渋谷の街を歩いていると世界基督教統一神霊協会が大きな拡声器で、世界の終わりは近い、救いの神は近づいた、などと宣伝していた。この教統一協会の信者がそれを明らかにせず、家に一袋、五千円だか一万円もする干物の押し売りに来たことがあった。そんな高いもの要らないよと断ると、歌いながら変な踊りをして玄関から出て行った。合同結婚式で悪名をはせたこの組織は世界平和統一家庭連合と名を変えて、多くの政治団体、政治家と癒着している。

オウム真理教に話をもどし、テレビ朝日の人気討論番組「朝まで生テレビ」に出ていたことがある。麻原彰晃だけ、別のきらびやかな台座に座って、しゃべっていて、その偽物感と聖者ぶる不潔感が半端なかった。

少なからぬ有名な文化人が彼を支持していた。

このころ、家のポストにオウム真理教の勧誘のチラシが入っていた。近くにこのような人たちがいることに驚いた。

ある時、週に一回のバンド練習に高円寺の音楽スタジオに行くと、ちょうど衆院選の時で、駅前に人だかり、オウム真理教が麻原彰晃の当選のために街頭宣伝をしていた。象の変なお面をかぶった若い女子がたくさんいて、「真理党」というのぼり旗を立てて変な歌を歌いながら、チラシをくばっていた。彼らを見て、楽しそうだなと思った。結果は惨敗の全員落選。

その後、信者から全財産を奪い取るような入信の報道が相次ぐ。

地下鉄サリン事件。

そして、上九一色村の巨大な教団施設では一斉検挙はテレビが一日中、ニュースを放送していた。あれほどの事件報道は連合赤軍事件以来ではなかったか。そのニュースの中で、加持祈祷の手刀を切るかのような麻原の姿を映像で見た真言宗のもっとも高位にある僧侶は、とたんに険しい顔となり、暗い表情で、これは危険な人物ですと、断じていた。

記憶の断片です。

ぼくはそのころから自分のような平凡で蒙昧なだまされやすい人間は、伝統と断ち切られた宗教には近づかまいと考えるようになりました。

ぼくの回想するある日本の景色ではあるけれど、今でも似ているというか、同じような景色がつづいていて、さらに悪くなっているようような気がする。
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今月のぼくの歌う予定です。他にもオープン・マイクなどに出没します。遊びに来てね。

http://kysakai.lovemebaby.net
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こんな夢を見た。ぼくは、大きなバスに乗っている。どこか行く先はあるはずだけれど、そこがどこなのかは、ぼくは忘れている。ほぼ満席の観光バスか空港へ行くシャトルバスのようなそのバスはほぼ満席で、まがりくねったインターチェンジを通り、高速道路に侵入し、走り続ける。バスが走っていると、そのバスはいつのまにか、列車になっており、ぼくは車窓から景色を見ると、なんと美しい、ちょうどその時に沈み行く、輝くかのような夕日が見える。

そこで目が覚めた。きっとあの夕日が沈んだら、信じられないほどの美しい星月夜があらわれるような気がします。そして、列車はどこまでも走り、朝がくるのでしょう。
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プロフィール
HN:
えいちゃん
性別:
男性
職業:
S.E.
趣味:
音楽
自己紹介:
音楽を演奏したり聴いたりするのが好きです。
歌ってしまいます。そしてギターも少々。
Sam CookeやOtis Reddingなど古いR&Bが好きです。
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