えいちゃん(さかい きよたか)
えいちゃんのぶろぐ

今日は関東大震災の日であるとともに、当時、植民地であった朝鮮半島から日本に来ていた人たちが、理由もなく殺された日でもあります。小池百合子東京都知事になり、毎年、出されていた都知事から追悼文が止んで、今年も出されないのはどういうことなのか? 小池百合子東京都知事だけのことじゃないぞ。こうして負の歴史が伝わらず、風化していくことが恐ろしい。負の歴史こそ伝え、明日の糧にすることが、日本の未来、世界の未来を開くことではないのか。朝鮮人虐殺を目の当たりにした折口信夫の詩「砂けぶり」を引いて、今年もぼくは追悼したいと思います。
砂けぶり 一
夜になつた―。
また 蝋燭と流言の夜だ。
まつくらな町を 金棒ひいて
夜警に出るとしよう
かはゆい子どもが―
大道で ぴちやぴちやしばいて居た。
あの音―。
不逞帰順民の死骸の―。
おん身らは 誰をころしたと思ふ。
陛下のみ名において―。
おそろしい呪文だ。
陛下万歳 ばあんざあい
砂けぶり 二
焼け原に 芽を出した
ごふつくばりの力芝め
だが きさまが憎めない
たつた 一かたまりの 青々した草だもの
両国の上で、水の色を見よう。
せめてものやすらひに―。
身にしむ水の色だ。
死骸よ。この間、浮き出さずに居れ
水死の女の印象
黒くちゞかんだ藤の葉
よごれ朽つて静かな髪の毛
―あゝ そこにも こゝにも
横浜からあるいて来ました。
疲れきつたからだです―。
そんなに おどろかさないでください。
朝鮮人になつちまひたい気がします
深川だ。
あゝ まつさをな空だ―。
野菜でも作らう。
この青天井のするどさ。
夜になつた―。
また 蝋燭と流言の夜だ。
まつくらな町で金棒ひいて
夜警に出掛けようか
井戸のなかへ
毒を入れてまはると言ふ人々―。
われわれを叱つて下さる
神々のつかはしめだらう
かはゆい子どもが―
大道で しばつて居たつけ―。
あの音―。
帰順民のむくろの―。
命をもつて目賭した
一瞬の芸術
苦痛に陶酔した
涅槃の大恐怖
おん身らは誰をころしたと思ふ。
かの尊い御名において―。
おそろしい呪文だ。
万歳 ばんざあい
我らの死は、
涅槃を無視する―。
擾乱の歓喜と
飽満する痛苦と
砂けぶり 一
夜になつた―。
また 蝋燭と流言の夜だ。
まつくらな町を 金棒ひいて
夜警に出るとしよう
かはゆい子どもが―
大道で ぴちやぴちやしばいて居た。
あの音―。
不逞帰順民の死骸の―。
おん身らは 誰をころしたと思ふ。
陛下のみ名において―。
おそろしい呪文だ。
陛下万歳 ばあんざあい
砂けぶり 二
焼け原に 芽を出した
ごふつくばりの力芝め
だが きさまが憎めない
たつた 一かたまりの 青々した草だもの
両国の上で、水の色を見よう。
せめてものやすらひに―。
身にしむ水の色だ。
死骸よ。この間、浮き出さずに居れ
水死の女の印象
黒くちゞかんだ藤の葉
よごれ朽つて静かな髪の毛
―あゝ そこにも こゝにも
横浜からあるいて来ました。
疲れきつたからだです―。
そんなに おどろかさないでください。
朝鮮人になつちまひたい気がします
深川だ。
あゝ まつさをな空だ―。
野菜でも作らう。
この青天井のするどさ。
夜になつた―。
また 蝋燭と流言の夜だ。
まつくらな町で金棒ひいて
夜警に出掛けようか
井戸のなかへ
毒を入れてまはると言ふ人々―。
われわれを叱つて下さる
神々のつかはしめだらう
かはゆい子どもが―
大道で しばつて居たつけ―。
あの音―。
帰順民のむくろの―。
命をもつて目賭した
一瞬の芸術
苦痛に陶酔した
涅槃の大恐怖
おん身らは誰をころしたと思ふ。
かの尊い御名において―。
おそろしい呪文だ。
万歳 ばんざあい
我らの死は、
涅槃を無視する―。
擾乱の歓喜と
飽満する痛苦と


ポレポレ東中野で三上智恵さんと大矢英代さんのお二人の共同監督のドキュメンタリー映画『沖縄スパイ戦史』を見た。
そうか、やはり、軍隊は、戦争の時、人を守るものではなかったのか、守るというより人を犠牲にして、命を奪うという沖縄戦の教訓。取材に応じた今は八十歳を超えるゲリラ戦を陸軍中野学校出身の青年将校に仕込まれた元少年兵は、沖縄戦を忘れたら、また地獄になるよと言う。
戦争マラリアのことはよく知らなかった。波照間島での山下虎雄という偽名を名乗る、陸軍中野学校出身の男からの軍刀を振りかざした暴力による西表島への全島民の強制移動により、強制収容所のような所でマラリアにかかった人たちが、つぎつぎに倒れ、死んでいった。波照間島の学童慰霊碑の碑文にはこうあるという。
「太平洋戦末期一九四五年四月八日 西表島字南風見へ強制疎開させられ全学童三二三名はマラリアの猖獗により全員罹患 中六六名を死に至らしめた
かつてあった山下軍曹(偽名)の行為はゆるしはしようが然し忘れはしない
本校創立九〇周年を記念し、はるか疎開地に刻まれた「忘勿石」を望む場所に その霊を慰め、あわせて恒久平和をねがい碑を建立する
一九八四年七月一六日
波照間小学校創立九〇周年記念事業期成会」
旧日本陸軍の考えは反省もされず、今の自衛隊に残されていという。そして、石垣島での市長選での自衛隊誘致を推進する市長の勝利により、他国の軍から標的にされる巨大な弾薬庫が建設されている。ぼくたちは、せめてもの、例えば選挙で、戦争の方に向かっていかない議員を選びつづけないといけない。
映画『沖縄スパイ戦史』公式サイト




神社仏閣巡りが好きで、この前、上野の東叡山寛永寺に行きました。御朱印をいただくのですが、その時、御朱印帳に「天台ブックレット」という小さな冊子も差し挟まれていました。その「天台ブックレット」をつらつら読んでいて、阿純章さんの書いた「ふぞろいの野菜たち」に共感を覚えました。その文を読むと、野菜の種にはF1種と固定種というのがあるらしく、今、スーパーなどで売られている野菜や果物のほとんんどが一代限りしか育たないF1種からの植物で、その形はほとんど同じに揃っていて、見た目の品質はほとんど均質なのだそう。それに対して、固定種から育てられた植物は見た目の多様性の富んでいて、味は濃い。京野菜や鎌倉野菜ってそうなのかな? おいしいですよね。土地土地で自家採取で代々育てられ、土地土地の土になじみ、そろっていないけれど、おいしい野菜や果物となっていく。むしろ均質でないふぞろいの方が自然のありようで、人も型にはまらなくい方が、あたりまえのまっとうな有り様ではなかろうかと阿純章さんは書いており、天の法則として、良寛さんの詩を引用しています。
花、無心にして蝶を招き
蝶、無心にして花を尋ね
花、開くとき、蝶来り
蝶、来るとき、花開く
吾れも亦人を知らず
人も亦吾を知らず
知らずして帝の則に従う
花は咲くときに咲く、蝶は舞うときに舞う、人は人でただ生きる、そこに何が美しいとか誰が凄いということはなく、それぞれがそれぞれにただ生きて、知らぬままに天の法則にしたがって調和して生きている、ということだそう。
ふぞろいの野菜たち、万歳!


村上春樹さんの『猫を捨てる 父親について語るとき』を読む。今をときめく長年のノーベル賞候補の作家、村上春樹が父について書いた珍しい私小説。
ぼくは、父と男の子の間には何かの物語が生まれる揺り籠のようなものがあるとも思う。歌だってそうだ。ロック・ミュージックには特に父との葛藤を生涯の一つの歌うべきテーマとなってしまったシンガーもいて、浜田省吾から尾崎豊、ブルース・スピリングスティーンを思い出す。
村上春樹さんはどうのように父親を語るのだろうか? それは前の大戦の記憶をも呼び覚まし、この読書は、ぼくの身もつまされる。
父さん、あなたは戦争に行ったのですね。父さん、あなたはどうしてそんなに速く走るのですか? あなたの背中しか見えないではないですか。本を読みながら、そんなぼく自身の声を聞いたような気もするのです。
台湾の新進のイラストレーター、高研さんの表紙やカラーの口絵も何かを思い出させるかのようで、素敵な小さな本です。


この前、テレビで横浜の街のぶらぶら歩きをするみたいな番組の中で、バンクシーの展覧会を紹介していた。有名な花束を投げようとする男の作品を見て、そのタレントさんは、石ではなく花を投げろというメッセージかなと言っていたのに、ぼくは驚いた。この花束を投げる絵のメッセージは、命すらも脅かされる抑圧の中にいるパレスチナの人々にとって、せめてもの石つぶてを投げることは、花を投げているに等しいことなのだというようなことだと了解していたのだが、タレントさんとぼくとの感じ方はまったく逆で、だからこそアートは素晴らしい。
ぼくも「バンクシー展 天才か反逆者か」に行ってみた。若い人たちがいっぱいで、びっくりした。バンクシーのような左よりの作家の展覧会などは、今時はがらがらだろうと思っていたのだが、新型コロナウィルス禍の中、事前予約の入場制限はあるものの、若い人たちでごったがえしてした。ちなみに「左より」とういうのは、バンクシーが自身の作品を指して言った言葉でもあります。
展覧会を見ながら、このようなアーティストを生み出したイギリスという国はなんて自由な国なんだなと思う。もしかして、アメリカよりも自由であるのかもしれない。昔、ユーチューブで、BBCにどうしてBBCは公共放送にもかかわらず、番組の放映終了の時、国歌を放送しないのかという抗議に、BBCのアナウンサーは、では私たちの「God Save The Queen」を放送しましょうと言って、セックスピストルズの「God Save The Queen」をかけたのには、びっくりした。
イギリスの半世紀前の小説家、ジョージ・オーウェルの名作「1984」や「動物農場」、「カタロニア賛歌」を思い出し、それらと同じく、バンクシーの鋭い批評眼が作品を芸術にまで高めているとも思える。
壁に塗りたくっているジョー・ストラマーみたいなバンクシー。自由じゃなければ、生きていられない。
Stay Free!
バンクシー展 天才か反逆者か


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プロフィール
HN:
えいちゃん
性別:
男性
職業:
S.E.
趣味:
音楽
自己紹介:
音楽を演奏したり聴いたりするのが好きです。
歌ってしまいます。そしてギターも少々。
Sam CookeやOtis Reddingなど古いR&Bが好きです。
歌ってしまいます。そしてギターも少々。
Sam CookeやOtis Reddingなど古いR&Bが好きです。


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