えいちゃん(さかい きよたか)

えいちゃんのぶろぐ

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kino cinema 横浜みなとみらいで大林宣彦監督の「海辺の映画館ーキネマの玉手箱」を見ました。そうだ、大林監督は監督といういわれ方は好まず、映画作家と名乗っていましたね。

映画が始まってすぐにこれが大林組の最後の映画だと思うと、万感、来る思いに胸がジーンとしてくる。あっという間も3時間15分でした。

大林さんは本当に映画と詩人の中原中也がすきだったんですね。先人の日本の日本映画を作りあげた人への尊敬と愛をちりばめながら、中也の詩から導き出されるもう一つの近代史を映像と音でめぐる魔法のひと時でした。

爺・ファンタ役のミュージシャンの高橋幸宏が狂言回しとしていい味、出していました。そして、希子役のヒロインの吉田玲さんが100%フレッシュ。この「希子」の「希」は「希望」の「希」で大林宣彦の思う大切な何かを明日に託して担っているようでした。

これでもう大林宣彦さんの新作が見れないなんて、本当に寂しい。

映画「海辺の映画館ーキネマの玉手箱」公式サイト 2020年7/31公開
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合氣道の道場での朝稽古の後、薬師池公園のハス田に行ってみた。数輪の蓮が花開いていた。美しい。


その後、町田市国際版画美術館で「インプリントまちだ展2020 すむひと⇔くるひと ―「アーティスト」がみた町田」と「シリーズ現代の作家 横尾忠則」。


「インプリントまちだ展2020 すむひと⇔くるひと ―「アーティスト」がみた町田」は町田に住んでいる版画家たちと、この町田市国際版画美術館に招かれて作品を作った人たちの展覧会。今回、招かれたのはインドネシアの若き新星、アグン・プラボウォさん。パンク・バンドのTシャツやステッカー製作で版画を始めたというアグン・プラボウォさんの版画はとても楽しく、しかも、何か、特別なものを感じさせられるもので、キース・ヘリングの絵を思い出してしまった。ぼくはアグンくんの版画をトロピカル・パンクと呼ばさせてもらうよ。(アメリカのすばらしい映画の映画評を真似して)100%フレッシュ!



同時開催されている「シリーズ現代の作家 横尾忠則」。横尾さんのシルクスクリーンやポスター。ポスターはどれか買って帰りたくなるが、売ってはいない。買って帰ったとしても、こんな存在感のあるポスターをどこに貼ればいいのだろう?


外の出て、芹が谷公園の巨大なオブジェの噴水のところまで歩く。子どもたちがずぶぬれになって遊んでいた。これ以上に幸せな光景はありません。


梅雨明けの今日の午前のお散歩でした。
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MOVIX橋本で宮崎駿監督の『千と千尋の神隠し』を見る。

何回もこのアニメ映画を見ているのだけれども、わけのわからない凄い話で、ただの空想譚ではなく、地に足の付いている不思議な説得力やらリアリティがある。あるインタビューで、宮崎駿さんは、この『千と千尋の神隠し』の頃、柳田國男の著作を読み漁っていたと言っていた。これは汎東アジアに通じる伝統の日本の口碑の力だろうか? 何度見ても、驚き、感動してしまう子どもと大人の間のひと夏の夢と現のはざまの絵物語なのです。

あら、リンの声は渋さ知らズで歌っている玉井夕海さんが演じているのね。素敵です。つづきの物語として、千尋はハクやリンと再会するのかしら? 誰も知らない。

『千と千尋の神隠し』 特報【6月26日(金)上映開始】
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温泉に入りたくて、いつも行く下部温泉の「湯本ホテル」に向けて旅をしました。旅すがら、いくつか寄ってみたところがあります。

甲斐善光寺に寄りました。日本一の鳴き龍が天井に描かれた浄土宗のお寺だそうです。宝物館を訪ねたのは、最近、読んだ柳宗悦の本に出てくる木喰上人の最期の書画あると聞いたからです。木喰上人のものがあると聞いたのですが、とお坊さんに尋ねると、あれがそうですよと解説していただけました。人の背丈の何倍もあるそれはそれは大きくて立派な書画に驚く。これはきっと遺言の思いで描いたのかなと思う。お坊さんは、温泉町の下部の生んだ山梨の郷土の誇りでありますと胸をはっておられましたが、この書画はいろいろと真贋について論争があり、国の重要文化財には指定されていないとのこと。残念です。そうです、「ゆめゆめうたがふことなかれ」ですよ。


武田神社を参り、ドライブしつつ、金櫻神社、夫婦木神社とめぐります。




影絵美術館に行きました。藤城清治さんの初期の影絵が飾ってあって、本当に美しい。ぼくと同じ世代ならば、ちびっこだったころのケロヨンを思い出したり、もう少し大きくなってからの、東京12チャンネルで深夜に放送していた天気予報の番組で、藤城清治さんのかわいいこびとの影絵が使われていたのを思いだすかもしれません。「裸の大将 山下清展」も開催されていて、版画で復刻された山下清の貼り絵や本人の直筆のペン画を見ながら、清さんの声を空の上から聞いた気がしました。こんなすさんだ世の中になってしまっている日本を感じつつ、清さんの声、「ぼくは生きていなかったほうがよかったのかな?」。生きていなかったほうがよかったなんて全然ない!


いつも温泉旅館、湯本ホテルに着き30度ぐらいのぬる湯と沸かし湯に交互に入る。ぬる湯は入った時は少しひゃっこいけれど、すぐに温かく感じます。ぼくの体の内側に小さな火が燃えているのを感じます。熱くないのでいつまでも入っていられる。飽きたら沸かし湯に入り、また、ぬる湯に入って、それを繰り返す。戦で負傷した武田信玄公の武士たちが入りに来ていた秘湯だそうで、打ち身とか、湯につかっていればたちどころに治りそう。多分、この旅館ができたのは1960年代の後半ぐらいではないかしら? 昭和の遺構のようでもあり、できた当時は「湯本ホテル」の名から思い浮かべるに、少ししゃれた旅館ではなかったのかしら? それから半世紀、枯れつくしたこの湯宿にとがったところ、奇をてらったところはまったくなく、ただただ普通の古い旅館で、本当にいい。夕食、朝食は、絵の飾られた昭和のころからあるような食堂らしきところでいただくのですが、テレビもなく、BGMで古い映画音楽がかかっている。耳をそばだてると「日曜はダメよ」だったり、「八十日間世界一周」だったり、あるいは「ひまわり」とか「太陽がいっぱい」とか、1960年代にヒットした名画の主題歌。時が止まっているかのよう。泊まっているのは、ぼくを入れて二人のみ。働いている仲居さんが寂しそうでした。翌朝、出発の時、「Go Toキャンペーン」に必要だという幾枚かの書類をもらいました。「Go Toキャンペーン」なんか、忘れていたよ。「Go Toキャンペーン」がなくとも、ぼくはここに来たかったから、来たのだろうなと思う。それらの書類に書くものを書いて郵送すると、口座に返金されるそうです。けれど、どうなるかは分かりません。それが今の日本です。昭和に帰りたい。



「木喰の里 微笑館」に行きました。甲斐善光寺で見たものととても似ている、小ぶりの書画が飾られているのにびっくりしました。木喰さんは生涯、旅をした人だったそうですが、この丸畑という生まれた地には、たびたび、もどって来たそうです。個人で運営している「木喰記念館」というのもあると聞いていて、見学には電話連絡が必要ということで、数日前から何度か電話をしていたのですが、つながらず。「微笑館」から少し歩いて探したのですが、見つからなかった。




写真は撮らなかったのですが、本栖湖、精進湖、西湖、河口湖とドライブする。精進湖はいいなぁ。この小ささもいい。ジョーン・G・ロビンソンの「思い出のマーニー」とか、ヘンリー・デイヴィッド・ソローの「森の生活 ウォールデン」に出てくる湖って、こんなところではないかしら?

「音楽と森の美術館」へ。大きなオルゴールがたくさんありました。係りの人がかけてくれて、ドビュッシーの曲を聴く。ピアノで聴くドビュッシーとはまた違った味わい。「オルゴール」は日本風の呼び方で、ヨーロッパやアメリカで「ミュージック・ボックス」と呼ぶのだそう。ストラディバリウスのバイオリンが展示されていた。係りの人の説明によると、三億円のもの。見るではなく、音が聴いてみたいなぁ。ギブソンのギターも三百年経って、三億円になるのかしら? 部屋中に鳴り響く「ダンス・オルガン」という自動のパイプ・オルガンを見て、聴きました。百年前、フランスのダンス・ホールでかけられていたものだそう。かかった曲は「タイガー・ラグ」。踊りたかったな。




さて、帰ります。
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五代目古今亭志ん生は大の日本酒好きだったそうですが、志ん生が特に好んだお酒が辛口の「菊正宗」だったという。ぼくは「菊正宗」はそんなにおいしいお酒かねと思っておりましたが、ぼくの家から歩いて20分ぐらいのスーパー、江戸やでこの「菊正宗 純米酒 香醸」を見つけて、さっそく買って呑んでみると、本当においしい。辛口で、しかも、さわやかにすっきりと香り立つ絶品だぁ。

菊正宗 純米酒 香醸ブランドサイト
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再び、日本民藝館を訪れました。棟方志功の展覧会「棟方志功 師との交感」が開かれているということをNHKの教育テレビ、今のEテレの「日曜美術館」で見て、是非、行って、見ておきたいと思った次第です。

民藝館を開いた思想家、柳宗悦は、無銘の工芸品を「民藝」と名付けて、その美しさを世に知らしめた人だけけれども、ぼくの知るところ、その生涯で記銘のものを作った二人の人を素晴らしいと翔陽しました。一人は木彫りの仏を江戸時代後期に日本各地に残した木喰上人で、もう一人が「わだばゴッホになる。ゴッホは静かだ」と若いころ志を立てて、世界的な版画家となった棟方志功。柳宗悦と棟方志功は美しい師弟関係にあったようで、棟方が駆け出しの無名の版画家であったころから柳宗悦は生活の援助をしつつ、棟方の版画を買い上げていたという。柳が刷り直せと言えば、棟方は喜んで刷り直し、柳が刻み直した方が言いとすれば、棟方は素直に刻み直したともいう。晩年の病床にある柳に向けての柳の「心喝」と題された俳句より短い詩を版画にした作品は、落款もなく、柳宗悦の無銘の美しさそのもののようで、本当に素晴らしいものでした。

そして、二階に上がると「洋風画と泥絵」と題された展覧会が開かれていた。アンリ・ルソーのような曖昧で不正確な遠近法とその美しさにぼくの頭はクラクラする。それらの絵から感じられる江戸時代ののどかさと美しさに驚いて、これは、音楽でいうと細野晴臣さんの「泰安洋行」ではないかと思いましたよ。最近、長谷川博一さんの著した「追悼の泰安洋行」を読み、細野さんのトロピカル三部作と呼ばれるアルバム「トロピカル・ダンディー」、「泰安洋行」、「はらいそ」をよく聴いているぼくは、これは小さなシンクロニシティ(意味のある偶然の一致)ではないかと思いました。

日本民藝館の次の展覧会は2020年9月15日から「アイヌの美しき手仕事」じゃ。
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スハイブ・ガスメルバリ監督のスーダンを舞台にしたドキュメンタリー映画『ようこそ、革命シネマへ』を見ました。

1989年、軍事独裁政権により表現の自由を奪われ、思想犯として拘禁されたり、国外への亡命を余儀なくされたりした四人の映画監督たちが30年近い時を経て再び出会い、映画館のなくなったスーダンに再び、映画館をと、古い野外映画館を借りて、映画を上映しようとする話でした。前半はその古いボロボロの野外映画館を掃除したり、改修したりするゆっくりとしたおじいさんのシーンが続き、少しうとうとしてしまった。

少しはきれいになった映画館で、夜、試しとしてチャップリンの古い映画を上映をするシーンでは、近所の子どもたちが集まってきて、笑っている。うっとりするような美しいシーンでした。

独裁の政治が続く中、近所の人にアンケートを取ったりして、この四人の監督たちが上映しようとしたのはタランティーノの『ジャンゴ 繋がれざる者』。どうなったかはこれ以上は申すまい。

おじいさんたちが主人公のゆったりとした映画だけど、自由ということを何か考えさせられ、感じさせられ、甘苦さと不思議な幸福感に満たされました。

この映画の原題は"TALKING ABOUT TREEES"で、ナチスに焚書された『三文オペラ』の劇作家、ベルトルト・ブレヒトのこんな言葉によるのだそう。

「こんな時代に木々について語るのなんて犯罪のようなものだ! これは恐怖や悪を前に沈黙するのと変わらない」

この映画に登場する映画監督の一人はこんなことも言っておりました。

「私は誰よりも楽観主義者だ。絶望から希望が生まれる」

スーダンに再び映画館が戻り、人々がいろんな映画を見れる日が来るのを願わずにはいられません。

映画『ようこそ、革命シネマへ』公式サイト
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HN:
えいちゃん
性別:
男性
職業:
S.E.
趣味:
音楽
自己紹介:
音楽を演奏したり聴いたりするのが好きです。
歌ってしまいます。そしてギターも少々。
Sam CookeやOtis Reddingなど古いR&Bが好きです。
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