えいちゃん(さかい きよたか)
えいちゃんのぶろぐ
横須賀美術館に行って来ました。企画展は開催されていなくて、横須賀美術館の収蔵作品展のみでした。たくさん日本を描いた昭和以降の絵画を見ていると、なんとも不思議な懐かしいみたいな気持ちになりました。山口猛彦の「雨」という絵にはびっくりしました。昭和16年の雨降る都会の街頭の絵なのですが、普通の街なのです。この後の4年間で日本と日本人は戦争で何もかもを失い、日本という国すらなくなってしまう。
この美術館にに訪れたくなるのは、季節季節に展示替えをしている谷内六郎館があるからです。懐かしい叙情と子どもたちのつかの間の幻想に、しばしぼくは立ち尽くします。
横須賀美術館 所蔵作品
谷内六郎館 谷内六郎〈週刊新潮 表紙絵〉展「ふくらむイメージ、あふれるユーモア」
内田樹さんの「日本習合論」を読みました。
Wikipediaによれば、習合(しゅうごう)とはさまざまな宗教の神々や教義などの一部が混同ないしは同一視される現象のこと、シンクレティズム(英:Syncretism)の一種、ということだそうですが、何冊も内田樹さんの本を読んで、内田さんの論じる良き日本と良き日本人、美しき日本と日本人は、ぼくの思う日本や日本人とても近しいように感じています。
この内田さんの本を読みながら、芥川龍之介の「神々の微笑」という小説と、その小説を解説しながら、日本国憲法、とくのその第九条を擁護する柄谷行人さんの「日本精神分析」を思い出していました。
日本が習合を無くした時に、もっとも悪い方に進み行き、すべては失速し、世界の友だちなどの何もかもを失うのではないでしょうか。
外崎春雄監督の「鬼滅の刃」を見ました。満員の映画館で映画を見るのなんてひさしぶりです。右にティーンエイジャー、多分、ローティーンの女子たちがいて、左にお母さんに連れられた小さな女の子が座っておりました。
主人公は炭焼きの少年で、額に聖痕のようなあざがあります。炭焼きといえば柳田國男が大正時代に書いた「山の人生」を思い出してしまいます。
夢のまわりに無意識があり、その中に精神の核が浮いているという話など、なかなかアバンギャルドなアニメで、夢と現実が折り重なり、大正時代という設定もあって、わけがわからないところも多々あり、1970年代や1980年代の「アングラ」とか呼ばれた演劇を思い出しました。気づいたものたちは夢から覚めて、鬼たちと戦わなくてはならない?
左にいた小さな女の子は、途中、結構、退屈しているようで、あと何分、とお母さんに聞いていたりしてましたよ。ぼくは泣けなかったけれど、右にいた女子たちはラストシーンでシクシクと泣いているようでした。大正時代の設定であるにも関わらず、映画の物語の不思議は、今の時代の状況をくっきりと映し出しているようでもあるのです。シクシクと泣いている女子たちに、何か、正義が叶わないような深い葛藤があるのかもしれない、などとぼくは思っていたのです。
こんな映画にも泣けないぼくの心が、どこか、かわいてしまっているような気もし、若い魂がうらやましい。これから、ぼくは若返るぞ。
劇場版「鬼滅の刃」 無限列車編公式サイト
山上たつひこさんの描いた漫画『光る風』を読みました。山上さんの少年チャンピオンに連載していた『がきデカ』は子どものころ、読んでいて、その前にこんなデビュー作を少年マガジンに描いていたとは知らなかった。
すさまじくダークで救いのない物語です。2015年に再び出版された単行本に内田樹さんが解説を書いていてこんな言葉を寄せられている。
「『光る風』に貫いているのは自由と民主主義を求めるリベラルな主張ではない。そうではなくて、自分は自由と民主主義が失われたときにまっさきに弾圧されるだろうという生理的恐怖である」
『光る風』は1970年に読まれるよりも、今の2020年に読まれた方がよりリアルな漫画なのです。しかも、この話に繰り延べられるような社会は75年前の日本に確かにあった。それが現在に起こりつつあり、未来にそうなりつつあることが、とても恐ろしい。
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プロフィール
HN:
えいちゃん
性別:
男性
職業:
S.E.
趣味:
音楽
自己紹介:
音楽を演奏したり聴いたりするのが好きです。
歌ってしまいます。そしてギターも少々。
Sam CookeやOtis Reddingなど古いR&Bが好きです。
歌ってしまいます。そしてギターも少々。
Sam CookeやOtis Reddingなど古いR&Bが好きです。
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