えいちゃん(さかい きよたか)
えいちゃんのぶろぐ

アミール・“クエストラブ”・トンプソン監督の『サマー・オブ・ソウル(あるいは、革命がテレビ放映されなかった時)』を見た。1969年のニューヨークのハーレムの公園で開かれたフリー(入場無料)の音楽フェスティバルの記録映画です。クエストラブとはあのヒップホップグループ、ルーツのドラマーではないか。
時を同じくしてニューヨークのウッドストックでの音楽フェスティバルは有名になったけれど、このハーレムの『ハーレム・カルチャラル・フェスティバル』はのべ30万人もの人を集めつつ、オーディエンスに強烈な印象を残しつつ、何の報道もされずにいた、そのフィルムが半世紀の時を越え、見つかり、映画となった。見どころはいくつもあって、鳥肌もののパーフォーマンスが記録されている。
1960年代、ベトナム戦争の時代、黒人の人権と自由、公民権のために、J. F. ケネディー、マーチン・ルサー・キング、ロバート・ケネディー、マルカムXらの、何人もの命が失われつつも、そのムーブメントを鼓舞しつづける音楽があった。
この映画で見ることのできる、一つのマイクを分け合う二重唱のゴスペルのマヘリア・ジャクソンとメイヴィス・ステイプルズ、アフリカのクイーンのような堂々としたニーナ・シモンのメッセージ・ソング。そして、もっともこの時代で輝いていたのは黒人と白人、男も女もいる混成の、ロックとソウルのバンド、スライ・アンド・ザ・ファミリー・ストーンの世界の色を変えてしまうようなオーラに満ちたパフォーマンス。最高です。
オーディエンスはほぼ黒人で、その中に白人がほんの少しだけ、演奏を聞いている。その中で黄色人種がいるとすれば、時を抜け出して見に行ったぼくだ。妙な妄想をしてしまいました。
『サマー・オブ・ソウル(あるいは、革命がテレビ放映されなかった時)』公式サイト


村田久さんの著した『イーハトーブ釣り倶楽部』を読みました。岩手県の一関に住まわれ、遠野のすみずみの川でフライフィッシングに釣りをしておられる釣師の村田久さんの心暖かい文章にぼくはほっとしてしまいます。「渓」という漢字が「たに」と読むことを、この本でぼくは初めて知りました。
さて、この本は釣りの紀行というより、山の村に入り、釣りという旅を通してのいろんな出会いを記した文章は、掌編の短編の美しい小説のようでもあり、ぼくは、この小説が表している世界は、開高健ではなく井伏鱒二の小説や、つげ義春の漫画を思い出させるようでもあるのです。
ほとんどの章が前の世紀の終わりの七年ほどに書かれたもので、第二部の二つの章は二〇一八年に書かれたものであった。その近年の二章では人間のしわざである乱開発と温暖化の豪雨により遠野の町も被害を受け、川も荒れてしまい、魚のいなくなった川を嘆き、悲しみつつ、かすかな命のつながりの奇跡に希みはつながっていく。「あとがき」の文を引用しつつ、このぼくのつたない文章を了とし、次の休日に出かける川に思いをはせて、おやすみなさい。ZZZzzz.....
今年の夏は、ひどい暑さだ。真夏日が続く中、久しぶりにAさんから電話が入った。
「あのさ、イワナ、沢さ戻ってきた」
彼は挨拶もそこそこに、こう切り出した。
集落の道路修復工事が一段落したので、奥地の沢へ、もぐりこんでみたという。
「沢、浅くなってな。水はちょろちょろだった。何かよ、水たまりで動いていた。イワナだ。四、五匹いたな。たんまげたよ。イワナは強ぇな。えらい奴だ。来てみろよ」


山梨県の忍野村の旅をしました。
忍野村には流れている桂川はフライフィッシングがとても盛んだそうで、ぼくも竿を振って毛鉤を川に流したいと思った次第。
忍野村に着き、有名なフライフィッシングのプロの人のお店、リバーズエッジに訪ね、遊漁券を購入。こじんまりしたお店の中にはあの柄の長いランディングネット(取り込み網)、忍野ネットが売られています。これがあの忍野ネットかと思いました。忍野村の桂川にはかなり土手の高い岸辺があって、この2メートル近い忍野ネットが作られたのだそうです。
さて、夕まづめまで釣りをするぞ。しかし、生い茂る木立や草でなかなかフライフィッシングのロッドを振って毛鉤をうまく飛ばせません。何度、木や草に針や糸をからめたのだろう? そんな中、2回、確かな当たりが来たのだけれど、合わせるのに失敗してしまい、釣れなかった。夕暮れ近くになり、雨が降ってきて、魚はにわかに活気づいてきていたのだけれども。ある時、降りだした雨の中、うらたんざわ渓流釣場で釣りをしていて、へたくそで初心者で未熟者のぼくが5匹も連続して釣ったことがあるのです。適度な雨は魚の食い気をやる気にさせるらしい。
さて泊まったところは富士学園という、昔、杉並区民の保養所だったらしいところで、今でも杉並区の小学校の林間学校に利用されているらしい。楽しい子どもたちのヴァイブス(気)の残りをなんだか感じてしまう。
夕食を食べるレストランでは、オルゴールでポップスがかかっておりました。鮎を食べながら、日本酒を飲んでいると、聞き覚えのあるメロディーが流れてきて、その旋律をたどっていると、Vincent Fordが作詞・作曲し、Bob Marleyが歌った"No Woman, No Cry"。その"No Woman, No Cry"であることに気づきました。なぜか何度もこの曲がリピートで流れていて、ぼくはアフガニスタンの女性たちのことが心配になってくる。Everything's gonna be all right! Everything's gonna be all right! Everything's gonna be all right! So, woman, no cry. No, woman, no cry. Oh my little sister, don't shed no tears. No, woman, no cry.
そして、今日、この広いろころに泊まっているのは、ぼく一人。
次の日も桂川に釣りに行く。ここらへんの魚は、みんなプロの魚という感じで、なかなか毛鉤をくわえてくれない。一か所、魚の吹き溜まりのようなところを見つけて、毛鉤を流したのですが、魚たちは興味深そうに近づきつつも、ぷいと逃げてしまいます。
釣果はゼロだったけれど、釣りは楽しい。川べりをうろうろと歩くのも楽しい。今度、来たらリバーズエッジで忍野ネットを買うぞ。魚たちよ、待ってろよ。
近ごろ、釣りの歌を作りました。題して"Blue Fishing Blues"。この歌を早くどっかで歌いたいな。
忍野村には流れている桂川はフライフィッシングがとても盛んだそうで、ぼくも竿を振って毛鉤を川に流したいと思った次第。
忍野村に着き、有名なフライフィッシングのプロの人のお店、リバーズエッジに訪ね、遊漁券を購入。こじんまりしたお店の中にはあの柄の長いランディングネット(取り込み網)、忍野ネットが売られています。これがあの忍野ネットかと思いました。忍野村の桂川にはかなり土手の高い岸辺があって、この2メートル近い忍野ネットが作られたのだそうです。
さて、夕まづめまで釣りをするぞ。しかし、生い茂る木立や草でなかなかフライフィッシングのロッドを振って毛鉤をうまく飛ばせません。何度、木や草に針や糸をからめたのだろう? そんな中、2回、確かな当たりが来たのだけれど、合わせるのに失敗してしまい、釣れなかった。夕暮れ近くになり、雨が降ってきて、魚はにわかに活気づいてきていたのだけれども。ある時、降りだした雨の中、うらたんざわ渓流釣場で釣りをしていて、へたくそで初心者で未熟者のぼくが5匹も連続して釣ったことがあるのです。適度な雨は魚の食い気をやる気にさせるらしい。
さて泊まったところは富士学園という、昔、杉並区民の保養所だったらしいところで、今でも杉並区の小学校の林間学校に利用されているらしい。楽しい子どもたちのヴァイブス(気)の残りをなんだか感じてしまう。
夕食を食べるレストランでは、オルゴールでポップスがかかっておりました。鮎を食べながら、日本酒を飲んでいると、聞き覚えのあるメロディーが流れてきて、その旋律をたどっていると、Vincent Fordが作詞・作曲し、Bob Marleyが歌った"No Woman, No Cry"。その"No Woman, No Cry"であることに気づきました。なぜか何度もこの曲がリピートで流れていて、ぼくはアフガニスタンの女性たちのことが心配になってくる。Everything's gonna be all right! Everything's gonna be all right! Everything's gonna be all right! So, woman, no cry. No, woman, no cry. Oh my little sister, don't shed no tears. No, woman, no cry.
そして、今日、この広いろころに泊まっているのは、ぼく一人。
次の日も桂川に釣りに行く。ここらへんの魚は、みんなプロの魚という感じで、なかなか毛鉤をくわえてくれない。一か所、魚の吹き溜まりのようなところを見つけて、毛鉤を流したのですが、魚たちは興味深そうに近づきつつも、ぷいと逃げてしまいます。
釣果はゼロだったけれど、釣りは楽しい。川べりをうろうろと歩くのも楽しい。今度、来たらリバーズエッジで忍野ネットを買うぞ。魚たちよ、待ってろよ。
近ごろ、釣りの歌を作りました。題して"Blue Fishing Blues"。この歌を早くどっかで歌いたいな。


半藤一利さん、加藤陽子さん、保坂正康さんの鼎談を収めた『太平洋戦争の道 1931-1941』を読みました。『太平洋戦争の道』の太平洋戦争前の歴史の批評、語りを読むことは、何だか戦争に傾いていっているのではないかと、訝われる今の時代のぼくにとっての悪魔祓いのようなことでもあるような気がし、ぼくは何ごとかを話しつづけ、歌い続けます。そう、日本がこれからもずっと戦後であることを願ってやみません。半藤一利さん、加藤陽子さんはファンで何冊も本を読んでいるのだけれども、残された人生、後の世代、子どもたちのためにも、この悪魔祓いはやめないのです。


若松英輔さんの著した『悲しみのなかの真実 石牟礼道子 苦海浄土』を読みました。NHK、Eテレの番組「100分で名著」を本にしたものなのです。
この本を読みながら、石牟礼道子さんの『苦海浄土』を再読したくなったのはいうまでもない。ぼくは石牟礼さんこそは日本人で三番目のノーベル文学賞に相応しいと思っていたのだけれど、石牟礼さんは逝ってしまい、もうこの世界にはおらず、けれど、今も空の上か地の底の方で、言葉をもたない人、ありとあらゆる生きものになりかわり、悲しく愛おしい言葉を歌うように綴っていることでしょう。
ふと、ちかごろの異常気象、世界中が「苦海」のようでもあるような気もしてくる。けれども、水俣は想像を絶する苦しみであったことを『苦海浄土』を読むと、感ぜられ、そこに一筋の光も見えてくると思い、読んだことのない人は、ぜひ、石牟礼道子さんの『苦海浄土』を、『椿の海の記』を読んでみてください。
そして、水俣病は、その補償をめぐっていまだ裁判の続く患者たちの戦いは、今も終わっていない。
この本を読みながら、石牟礼道子さんの『苦海浄土』を再読したくなったのはいうまでもない。ぼくは石牟礼さんこそは日本人で三番目のノーベル文学賞に相応しいと思っていたのだけれど、石牟礼さんは逝ってしまい、もうこの世界にはおらず、けれど、今も空の上か地の底の方で、言葉をもたない人、ありとあらゆる生きものになりかわり、悲しく愛おしい言葉を歌うように綴っていることでしょう。
ふと、ちかごろの異常気象、世界中が「苦海」のようでもあるような気もしてくる。けれども、水俣は想像を絶する苦しみであったことを『苦海浄土』を読むと、感ぜられ、そこに一筋の光も見えてくると思い、読んだことのない人は、ぜひ、石牟礼道子さんの『苦海浄土』を、『椿の海の記』を読んでみてください。
そして、水俣病は、その補償をめぐっていまだ裁判の続く患者たちの戦いは、今も終わっていない。


オレール監督のアニメーション映画『ジュゼップ 戦場の画家』を見ました。
第二次世界大戦下、スペインから難民としてフランスに逃れた画家ジュゼップ・バルトリの生涯をいくつかのエピソードで切り取った詩的な映画はアニメーションというより、何かとても動く絵画的な映画でした。その絵画の動きも、それほどダイナミックには動かず、昔、テレビ朝日で放映されていた『まんが日本昔ばなし』を思い出してしまった。
物語が始まるのは第二次大戦の時で、当時、ヨーロッパにはヒットラーのドイツ、ムッソリーニのイタリア、フランコのスペインという全体主義、独裁の国歌があり、これを嫌い、バルセロナからフランスに逃れて来た、画家が主人公で、その難民収容所でも、フランスの憲兵たちから、共産主義のアカと罵られて、虐待される。その画家、ジュセップと、一人の良心を持った憲兵、セルジュとのちょっと不思議な友情がセルジュの語りによって描かれていました。
ぼくが一番好きなシーンは、難民収容所の脱走に成功したらしく、メキシコに渡ったジュセップがフリーダ・カーロに誘惑されるところ。若くしてメキシコの民族を代表するとも呼ばれた大画家フリーダは、ジュセップにこんなことを語りかける。
「あなたの絵はどうして線ばかりなの? 世界をよく見てみなさい。線でできているものなんか、ひとつもないのよ。世界は形と色のせめぎ合いで成り立っている。それが描けたら、あなたはもっと凄い画家になれるわ」
このセリフを聞いて、ぼくはなぜか、鳥肌立っていた。
ジュセップはフリーダの誘惑にあっさり降伏したらしいけれど、生涯、線で描くことはやまなかった。その引っ搔き傷のような線は、戦争で見た悪夢を退散させ、悪魔祓いをするために何度も引き裂いた引っ搔き傷ではなかったのではあるまいか。戦争の悪夢の悪魔祓い師、ジュゼップ・バルトリは死後、世紀をまたぐ戦争のやまない二十一世紀にまた発見された。
映画『ジュゼップ 戦場の画家』公式サイト


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プロフィール
HN:
えいちゃん
性別:
男性
職業:
S.E.
趣味:
音楽
自己紹介:
音楽を演奏したり聴いたりするのが好きです。
歌ってしまいます。そしてギターも少々。
Sam CookeやOtis Reddingなど古いR&Bが好きです。
歌ってしまいます。そしてギターも少々。
Sam CookeやOtis Reddingなど古いR&Bが好きです。


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