えいちゃん(さかい きよたか)

えいちゃんのぶろぐ

entry_top_w.png





吟行をかねて松田町の寄ロウバイ園へ散歩に出かけました。吟行とは、和歌や俳句の題材を求めて、名所・旧跡などに出かけることです。

俳句は文章による小さな芸術であるとともに、心の記録であるような気がし、あら、不思議、いくつか、ありのままに並べれば、掌編の小説のようでもあります。読んでみてくださいませ。

 蝋梅のアルカロイドに道迷い

 蝋梅の香りにそぞろ歩きして

 蝋梅を映すかのよう青き空

 蝋梅の香りに胸騒ぎして

 蝋梅の香り漂い雲止まる

 平和だな蝋梅の丘人の笑み

 子どもらの蝋梅の木は増えにけり

 蝋梅の香りに犬もそわそわと

 蝋梅の夢から覚めし空を見る
entry_bottom_w.png
entry_top_w.png

恵比寿駅から歩いて15分ぐらいのところにある山種美術館で『HAPPYな日本美術
―伊藤若冲から横山大観、川端龍子へ―』を見ました。日本の吉祥の絵を見て、寿ぎましたよ。

横山大観って、何か、オリエンタリズムの画家というようような気がして、どこか軽蔑していたのだけれど、実物の絵を見ると、全然、違うのですね。富士山を描いた「心神」の飾りのない美しさよ。やはり、絵は本物を見なくてはなりませんな。反省いたします。岡倉天心らとともに西洋化の波に抗い、日本美術の再興を志した大観の心はいかに? 小松均の見事な「赤富士図」を見ながら、ぼくには伝統は変わりながら受け継がれるもののような気がするのです。

『HAPPYな日本美術』には、かわいい絵もいっぱい。川端龍子の象を描いた「百子図」と鯉を描いた「鯉」が、とうてい同じ画家の描いたものとは思われないのです。幅広い作風だのう。

余談ながら、山種美術館の中にあるカフェで抹茶をたのんでみました。抹茶がこんなに甘くて、美味しいものだとは知りませんでした。

あー、七福神、松竹梅、富士、鷹、茄子、鶴、雉、鶏、象、蛇、蛙、鯉、鯛、蛸、牛、獅子、鹿、たくさんの幸せの絵をありがとう、おめでとう。
entry_bottom_w.png
entry_top_w.png

小泉堯史監督の『雪の花 ともに在りて』を見ました。吉村昭原作のど真ん中の時代劇映画です。

主演の福井の町医者を松坂桃李さんが演じ、その妻を芳根京子さんが演じています。芳根京子さんが可憐でいい。町医者に西洋医学を授ける京都の蘭方医を役所広司さんが演じています。役所広司さんはかっこいい。

天然痘という疫病に立ち向かった医師にまつわるヒューマンドラマの物語は、乱れることなく真っすぐにめでたし、めでたしの大団円に向かっていきます。ダイナミックな事件が静かに、静かに結末に向かいます。何か昔の日本映画のようなので、けれん味なく、破綻なく進んでいくのが、逆に素晴らしいと思いました。

小泉堯史監督は、黒澤明監督に最も遅れて教わった高弟で、美しい日本映画を撮りたかったそうで、この『雪の花』は黒澤明というより小津安二郎監督の映画のようでもあって、デジタルではなく、フィルムで撮られたすべてのシーンが美しい絵のようでもあるのです。いい映画を見たという嬉しい感動すらあったのです。

映画『雪の花 ―ともに在りて―』大ヒット上映中 - 劇場公開作品
entry_bottom_w.png
entry_top_w.png

五木寛之さんの著した『忘れ得ぬ人 忘れ得ぬ言葉』が面白くて、一気に読みました。五木寛之さんがさまざまな人との交流の中で、対談の時などに聞いた何気ない言葉を思い出しつつ、書いたエッセイです。46人もの人との交流と印象に残った言葉が記されております。

例えば、批評家の小林秀雄さんは「人間は生まれた時から、死へ向かってとぼとぼ歩いていくような存在です」。例えば、女優の八千草薫さんは「激しい豪雨ではなく日本らしい雨期になって欲しいです」。例えば、C・W・ニコルさんは「きちんとひげを剃る。そんなタイプの男が、いざという時に強かったんです」。ぼくは読みながら、この本に書かれた今はもう亡くなってしまった人の気配にたじろいでしまいそうになります。

最後の章は、五木寛之さんの父君、信蔵さんの言葉「寝るより楽はなかりけり。浮き世の馬鹿が起きて働く」。戦中、戦後と時代に翻弄され苦労つづきで、早くに亡くなった父のことを五木さんは述懐し、父の「浮き世」は「憂き世」ではなかったのか、と慨嘆する。ぼくの亡き父も「寝るより楽はなかりけり」とよく言っていたのだけれど、その後の「浮き世の馬鹿が起きて働く」は、この本『忘れ得ぬ人 忘れ得ぬ言葉』で知った。などと思うと、生きているかのようなぼくの父の気配を少しだけ感じてしまい、恐れおののいてしまうのです。

『忘れ得ぬ人 忘れ得ぬ言葉』 五木寛之
entry_bottom_w.png
entry_top_w.png

南青山MANDARAでannフィーチャーリング寺島しんごを見ました。弦楽器弾きの寺島くんのがギター、バンジョー、ズブーキ、ウードを弾いてすごく進化している。ぼくにはまったくたちうちできないけれど、変則チューニングのギターってこう弾くのかって、思いましたよ。annさんは、去年、声帯の整形手術をしたということで、どうなっているんだろう、と思っていたら、声とか歌の感じとか、あまり変わりなかったのです。安心しました。これって褒めているのか? まっ、いっか、と自分に言う。
entry_bottom_w.png
entry_top_w.png

一月二十七日、新宿末廣亭令和七年一月下席昼の部を見ました。例のごとく、見た演目を書き出してみます。前座の桂れん児くんの「鶴」、二つ目の三遊亭美よしさんの「狸さい」、桂枝太郎師匠の「薬違い」、やなぎ南玉師匠の曲独楽、笑福亭羽光師匠の「初天神」、三笑亭可龍師匠の「ぞろぞろ」、宮田陽さんと宮田昇さんのお二人の漫才、松林伯知師匠の講談「名月若松城」、桂南なん師匠の「壺算」、三遊亭圓丸師匠の「猫の皿」、林家今丸師匠の紙切り、立川談幸師匠の「茶の湯」で仲入りです。笑福亭べ瓶師匠の「河豚鍋」、国分健二さんの漫談、三遊亭遊吉師匠の「道灌」、三遊亭遊雀師匠の「悋気の独楽」、マグナム小林さんのバイオリン漫談、主任は三遊亭遊三師匠で「火焔太鼓」でした。

本日はお馴染みの噺が多かったような気がします。その中で、三遊亭美よしさんの「狸さい」がよかった。期待の女流、また登場か? 早く真打ちになれるよう、精進しろよ。三遊亭圓丸師匠の「猫の皿」もよく笑いました。主任の三遊亭遊三師匠の「火焔太鼓」は直球、王道をいく噺で素晴らしかった。寄席はパラダイス。
entry_bottom_w.png
entry_top_w.png

安達もじり監督の『港に灯がともる』を見ました。震災、双極性障害、アルコール依存症、民族、国籍、アイデンティティ、差別、故郷、町、家族、いろんなことが微妙に絡まりあいながら、映画の物語は進んでいきます。面白い。それに、主人子の金子灯を演じる富田望生が素晴らしい。透明感のある自然な演技。胸に深く染み入るような感動をおぼえました。

映画『港に灯がともる』公式サイト
entry_bottom_w.png
次のページ >>
[1]  [2]  [3]  [4]  [5]  [6
plugin_top_w.png
カレンダー
01 2025/02 03
S M T W T F S
2 3 4 5 6 7 8
9 10 11 12 13 14 15
16 17 18 19 20 21 22
23 24 25 26 27 28
plugin_bottom_w.png
plugin_top_w.png
えいちゃんのお奨め

ライブのお知らせ

ぼくのTwitter

plugin_bottom_w.png
plugin_top_w.png
最新コメント
[12/23 ロンサム・スー]
[07/27 gmail account]
[08/29 えいちゃん]
[08/29 みさき]
[05/18 えいちゃん]
plugin_bottom_w.png
plugin_top_w.png
プロフィール
HN:
えいちゃん
性別:
男性
職業:
S.E.
趣味:
音楽
自己紹介:
音楽を演奏したり聴いたりするのが好きです。
歌ってしまいます。そしてギターも少々。
Sam CookeやOtis Reddingなど古いR&Bが好きです。
plugin_bottom_w.png
plugin_top_w.png
ブログ内検索
plugin_bottom_w.png
plugin_top_w.png
最新トラックバック
plugin_bottom_w.png
Copyright えいちゃん(さかい きよたか) by えいちゃん All Rights Reserved.
Template by テンプレート@忍者ブログ