えいちゃん(さかい きよたか)

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横須賀美術館で同時開催されている『響きあう20世紀美術 アートでつなぐ山と海』展と『運慶展 運慶と三浦一族の信仰』展を見ました。

『響きあう20世紀美術』展は横須賀美術館と箱根にある彫刻の森美術館の二つの美術館のコレクションにより、日本と世界の20世紀の美術を紹介するというもの。パブロ・ピカソの大きな陶器に彩色した美術品やら2016年に逝去された石川ヨシ子さんの油彩で描かれた屏風の作品「花の命」がよかった。李禹煥さんの「線より」を見ながら、坂本龍一さんがインタビューでもの派の芸術が好きだと言っていたのを思い出す。李禹煥さんの「線より」が現代音楽の芸術家、スティーブ・ライヒの音楽のやうに見えてくるのはどうしてだろう?

『運慶展』は奈良時代の仏師、運慶の国の重要文化財の作品、五体が勢揃いしている。仏像の結ぶ印がなぜか、ぼくは気になってしまう。仏像は口がきまっておちょぼ口なのはどうしてだろう?

朝井閑右衛門の日本占領下の中国の蘇州を描いた日本画の小さな企画展もあって、それを見ながら、なんとも複雑な気持ちになる。近代史に残る加害者としての日本は、今でもどこかタブーであり、朝井の描いた中国の風景もどこか痛々しくぼくには感じられ、それは生前に李香蘭の別名を持つ山口淑子さんもおっしゃっておられたように、今のガザの市民が虐殺される悲惨にもつながっているように思われるからなのだ。ぼくたちは描かれた美しい景色に隠された何かも見なくてはいけないような気もする。戦後、朝井閑右衛門は日本画を描かなくなり、洋画で占領下の横須賀での占領軍の兵士の闊歩する風景を描き始める。戦中と戦後の朝井閑右衛門の作品を見て、胸がざわざわして、苦しいようなものをぼくは感じるのだった。

展示変えをした谷内六郎館を見ていると、近くで見ていた二人の御婦人の会話が聞こえた。

「昭和のいい感じね」

そのいい感じの視点をたどっていくと、常に子どもの見る幻想がある。三島由紀夫は谷内六郎の絵にでてくる子どもを見ると、戦時中に死んだ妹を思い出すと言ったということだが、三島由紀夫と同じく谷内六郎の戦後も終わることはなかったのだと思う。
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歌ってしまいます。そしてギターも少々。
Sam CookeやOtis Reddingなど古いR&Bが好きです。
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