えいちゃん(さかい きよたか)
えいちゃんのぶろぐ

竹橋にある国立近代美術館で『中平卓馬 火―氾濫』展を見ました。ぼくの中のイメージでは、中平卓馬というと、森山大道と並ぶあの1960年代後半から1970年代前半の叛乱の時代、大学生がヘルメットをかぶり「革命」や「造反」を叫び、街を闊歩した、そのような時代を駆け抜けた寵児のイメージがあるけれど、中平卓馬は、その1970年代に二度の危機的な変節を遂げていた。自己批判と事故による記憶喪失。そして、2015年に七十七歳で没するまでの長きの間、『なぜ、植物図鑑か』を著した言葉の人、文章家でありラディカルな理論派でもあった中平は、写真とは何かを追及しつづけたし、『中平卓馬 火―氾濫』はそのような中平の人生をかけた撮ることの実戦と追求をもとらまえた強烈な展覧会でなのであります。写真好きな人にはお勧めでございます。


新宿末廣亭二月下席昼の部に行きました。
見た演目を書き出してみます。前座の林家十八くんの「金明竹」、柳家小はぜ師匠「 道灌」、すず風にゃん子さんと金魚さんの漫才、川柳つくし師匠の「女子会こわい」、古今亭菊太楼師匠「あくび指南」、アサダ二世さんの奇術、桃月庵白酒師匠の「権助魚」、林家正蔵師匠の「新聞記事」、立花家橘之助さんの浮世節、古今亭志ん輔師匠の「紙入れ」、柳家権太楼師匠の「代書」。中入りの後、二つ目の林家つる子さんの「スライダー課長」、ロケット団のお二人の漫才、古今亭文菊師匠の「親子酒」、橘家文蔵師匠の「千早振る」、翁家社中の曲芸。主任ほ柳亭こみち師匠の「天狗裁き」。
「天狗裁き」は初めて全編を聴きました。こみち姉さんは天狗の登場してからの更に話も創作していて、そこで更にの大爆笑。古今亭志ん生の残した名言「なんでもいいんだよ」を思い出したりもします。
今日も昼から働きもしない人たちで大入り満席。一緒に行った初めて寄席に入ったお友だちも、よく笑い、面白かったそうで、めでたし、めでたし。寄席は、そこに入れば、空気も時間の流れも違う、パラダイスです。


能楽小鼓方大倉流十六世宗家であり、重要無形文化財保持者、所謂、人間国宝であられる大倉源次郎さんの著した『能から紐解く日本史』を読みました。能という芸能から日本がどのように成り立ち、時を経てきたかのかをこの本で、大倉さんは考察しておられます。
この本を読んでのぼくの理解は、日本はユーラシア大陸の東の果てのさらにその先にある文化の吹きだまりのような島であり、アメリカ合衆国を人種の坩堝という呼び方があるけるども、日本はさまざまな渡来人の来た民族の坩堝であったという、そのようなところで咲いた花が能であった。それは、伊勢神宮と出雲大社というニ社の成り立ちからも推測され、前の天皇であられる平成天皇が、高麗神社に参詣された時におっしゃった秦氏の皇室と日本の成立への貢献からも理解できるように思われます。
面白くて一気読みしてしまったこの本『能から紐解く日本史』の感想を「まえがきにかえて」にある「高砂」の謳いで締めくくりたく存じます。
「シテ かかるたよりを松が枝の、
地謳 言の葉草の露の玉。心を磨く種となりて、
シテ 生きとし生けるものごとに
地謳 敷島のかげに寄るとかや。」


千駄ヶ谷の国立能楽堂で能楽鑑賞をしました。能楽とは、狂言も能楽だそうで、能も能楽なんだそう。
今日の国立能楽堂では、狂言は和泉流の「節分」を舞い、演じておりました。どのような話かというと、蓬莱から人の世に鬼がやって来て、ある女の人をみそめ、鬼がその女の人に向け、さまざまな舞いを踊ります。この鬼の恋は実りますでしょうか? ここでは、ぼくは申しますまい。なるほど、節分のときの「福は内、鬼は外」はこういうことであったのかと合点がいきました。
能は金剛流の「松風」。シテ(主人公)はやはりいつものように死者、霊で、恋にもの狂いとなった女、姉妹の二人の話でもありました。ぼくはいつものように、負けたもの、敗れたものへの共感を隠さない能の芸に圧倒され、感動せずにはおれません。素晴らしかった。




藤沢の遊行寺の本堂でProject Nxyによる白石征さんの作、金守珍さんの演出、水島カンナさんの構成の『女歌舞伎「小栗判官と照手姫~愛の奇蹟~」』を見ました。現代的でもある『女歌舞伎「小栗判官と照手姫」』は伝統的でもありながら初々しい。古い日本の物語が若い力によって今に伝わっていくことが嬉しい。構成も手がけている水島カンナさんの演ずる餓鬼阿弥が登場し、それは変わり果てた小栗判官の姿で、「一引き引いたは千僧供養、二引き引いたは万僧供養」の照手姫の言葉とともに霊験あらたかな熊野の湯への旅に出立し、ぼくの胸は熱くなる。
「小栗判官照手姫」は元は説教節の「をぐり」で歌舞伎や浄瑠璃にもなっている古い物語で、日本の古い物語の中でぼくが一番に好きな物語でもあるのだが、これの能楽がないのはどうしたことか? あぁ誰か、新作能の「小栗判官照手姫」を作ってはくれまいか。いつか歌舞伎や浄瑠璃の「小栗判官照手姫」も見たく存じます。それから、何十年も前に見た、この前に亡くなった遠藤啄郎さんの演出した横浜ボートシアターの『小栗判官・照手姫』も忘れられない。
芝居の鑑賞の後、寺内にある小栗判官と照手姫の墓に行き、手を合わせました。照手姫の墓を枝垂れた白い梅が飾っておりました。そこで一句です。
照手姫枝垂れた白い梅の夢
あっ、忘れていた、今日はぼくの誕生日でもあった。踊念仏の一遍上人、時宗のここは総本山で、さっき公演のされていた本堂にお参りし、御佛籤をひけば大吉。
「そのかみは
幾代経むらむ
便りをば
千歳もここに
まつのをのてら
善因善果の御先祖様以来の長い功徳によって前途に幸福が約束されています
この幸運を逃すことなく酒色をつつしみ慈愛と和敬の心を保ちましょう
運勢 大吉」
ゆめゆめうたがふことなかれ


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プロフィール
HN:
えいちゃん
性別:
男性
職業:
S.E.
趣味:
音楽
自己紹介:
音楽を演奏したり聴いたりするのが好きです。
歌ってしまいます。そしてギターも少々。
Sam CookeやOtis Reddingなど古いR&Bが好きです。
歌ってしまいます。そしてギターも少々。
Sam CookeやOtis Reddingなど古いR&Bが好きです。


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