えいちゃん(さかい きよたか)
えいちゃんのぶろぐ
ティーン・エイジャーのころ二つの音楽誌をよく読んでいて、一つは渋谷陽一さんの"Rockin' On"で、もう一つは今は亡き中村とうようさんの"NEW MUSIC MAGAZINE"。この二誌は批判しあい、よく論争していたのを思い出す。"Rockin' On"はロック専門でブリティッシュ・ロックの記事が多く、"NEW MUSIC MAGAZINE"はもう少し間口が広く、ロック以外にブルースやソウル、ラテンも取り上げた記事もあったのだけれど、その"NEW MUSIC MAGAZINE"のレコード評で100点満点で100点だったのがRobert Johnsonの"King Of The Delta Blues Singers"だった。
ぼくはレコード屋で興味津々にそれを買い、歌詞カードの和訳を見ながら、家のステレオで聴いていた。写真も残されていない謎のブルーズ・シンガーが奏でる流れてきた音を、歌詞を読みながら聴いていると、それは音楽を越えていた。ギターを弾いて歌っているこのシンガーが、ぼくはまったく恐ろしくいかれているように思えた。放浪するブルーズ・マンのギターとブルーズを聴き終えた後、その感動と驚きは、ドストエフスキーやフォークナー、ジェームズ・ジョイスの小説を苦労して読み終えた時と同じように重くて深かったのです。
Robert Johnsonはいつまでも、ぼくにとって、何度でも聴きなおし、新しい感動に打たれてしまう音楽を越えた特別な何者かなのです。
中学生になったころ、アメリカやイギリスのロックという音楽に目覚めて、ロックのミニコミ誌みたいな雑誌"Rockin' On"の編集長をしたり、レコードのライナー・ノーツを書いていた渋谷陽一さんのNHKFMの番組「ヤング・ジョッキー」を聴き始めた。
夜の10時ぐらいからのラジオ番組でぼくの初めて知るロック・ミュージックを渋谷さんは聞かしてくれたのだけど、そこで初めて聞いたJanis Joplinというシンガーの"Summer Time"という曲とそのしゃがれた歌声が、あまりに強烈で、これは何だと思い、"Cheap Thrills"というレコードを近所のレコード屋さんで見つけて買い、毎日、聴いていた。同じそのころ、古本屋で「ジャニス ブルースに死す」という本も見つけて、買い、何度もその本を繰り返し読みながら、"Cheap Thrills"を聴いていた。
彼女がデビューしたかのような"Monterey Pop Festival"の映画もどこかの自主上映会で、そのころ見た。今日のロック・フェスティバルの源流といわれるそこでJanis Joplinを見たPaul McCartneyは、なんだあのものすげー、ビッグ・ファット・ママは、と称賛したそう。
あー、そのころからロックはとびきり自由なぼくの友だちで、ブルースは泣いているぼくをなぐさめてくれる、ぼくの本当にやさしい友だちで、Janis Joplinは、こんな世界に幻滅してしまうぼくに、とても面白いいたずらをして笑わせてくれる永遠の二十七歳のぼくの恋人なのかもしれません。
毎年、暑い夏が来ると、Janisの"Summer Time"を聞きたくなります。
小学校の五年生の頃から、夜にテレビで映画を見るのが好きになって、それで見た映画「イージー・ライダー」の中で、The Jimi Hendrix Experienceの音楽も使われていて、その使われた曲"If 6 Was 9"が入っているアルバム"Axis: Bold As Love"をティーンエイジャーになったぼくは、いつも学校から帰ると何度も聴いていたのだった。
あー、「イージー・ライダー」のデニス・ホッパー、かっこよかたな。あのころは、年齢による視聴制限とかも緩くて、アメリカン・ニュー・シネマなどとも呼ばれていた、やばい映画を子どもの分際で夜のテレビでいっぱい見たのを思い出す。「俺たちに明日はない」とか「真夜中のカーボーイ」、「明日に向って撃て!」。どの映画も衝撃的に刺激的で、アウトロウの主人公が、みんな、死んでいくとこがいい、などと明くる朝、友だちと学校で話していた。
そんな時代の空気をめいっぱいつめこんだこの"Axis: Bold As Love"の中の"Little Wing"は、あの時代の映画の中のあっなく死んでいくアンチヒーローへのお別れの歌にも聞こえてしまう。あっけなく旅立つJimi Hendrix自らの追悼の歌のようでもあり、天使に手を引かれて空の向こうに昇っていく、過ぎてしまった時代遅れのアウトロウの姿が今でも見えるかのようだよ。
邦題で「ジョンの魂」とされていたこのアルバムの出会いはぼくが中学生だったころで、ティーンエイジャーだったあのころ、毎日、聴いていました。
生々しい詞と音楽、そのたった3人でのバンド演奏、ジョン・レノンのボーカル、ギター、ピアノ、オルガン、クラウス・フォアマンのベース、リンゴ・スターのドラムスが衝撃でした。一曲づつビリー・プレストンとフィル・スペクターがピアノで参加していて、 なんと、オノ・ヨーコは空気担当。
このアルバム直後のジョン・レノンのインタビューを掲載した、後に「回想するジョン・レノン―ジョン・レノンの告白」、「レノン・リメンバーズ」として改版される片岡義男さんの訳した「ビートルズ革命―ジョン・レノンの告白」をむさぼるようにして読み、毎日、毎日、「ジョンの魂」を聴き、感動に打ちのめされていました。
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プロフィール
HN:
えいちゃん
性別:
男性
職業:
S.E.
趣味:
音楽
自己紹介:
音楽を演奏したり聴いたりするのが好きです。
歌ってしまいます。そしてギターも少々。
Sam CookeやOtis Reddingなど古いR&Bが好きです。
歌ってしまいます。そしてギターも少々。
Sam CookeやOtis Reddingなど古いR&Bが好きです。
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