えいちゃん(さかい きよたか)

えいちゃんのぶろぐ

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ダニエル・ロアー監督の「ザ・バンド かつて僕らは兄弟だった」を渋谷のホワイト・シネクイントで見た。

ザ・バンドとはカナダ人とアメリカ人の混成ロックバンドで、1968年から1978年に活躍した5人編成の最も偉大なロックバンドだと思う。アルバムはすべて持っているけれど、ぼくはやはりファーストの"Music From Big Pink"とほぼラストの"Northern Lights - Southern Cross"が大好きです。"Northern Lights - Southern Cross"の後に"Islands"があるけれども補遺集のような気もするのです。

15歳ぐらいのころから、ギターのロビー・ロバートソンとドラムスのリヴォン・ヘルムは高校もやめて、ロニー・ホーキンスのバンドで巡業していたことに驚く。その後、ベースのリック・ダンコ、ピアノのリチャード・マニュエル、キーボードのガース・ハドソンが加わり、ロニー・ホーキンスの元を離れると、バンドに化学反応が起こり、今までのロックンロールやサイケデリックでもない渋く深い音楽を奏で始める。そして、そのころから、シンガーでもあった3人、リヴォン・ヘルム、リック・ダンコ、リチャード・マニュエルに、ジミ・ヘンドリックスやジャニス・ジョプリン、ジム・モリソンを死に追いやったアレの魔の手が入り込み、蝕み始める。

このロビー・ロバートソンからの視点のザ・バンドの物語に、ぼくはロビーとリヴォンの対立の話はもういいだろうとも思う。ビートルズの4人のように、ザ・バンドはこの5人で、誰ひとり欠けてもザ・バンドではないではないかしら?

この映画を見終わって、昔、20年近く、ほぼ同じメンバーでバンドをしてきた経験のあるぼくは、やはり弾き語りではなくバンドがしたいなと思うのだった。にもかかわらず、今のぼくがバンドができていないのは、すべて因果応報、自業自得のなせることでもあるのだけれども。

さて、ぼくの大好きなザ・バンドのGeorgia On My Mindを紹介します。崩壊寸前のザ・バンドが演奏した1976年のハローウィン前夜のサタデーナイトライブというアメリカの人気番組でのライブです。

映画「ザ・バンド かつて僕らは兄弟だった」公式サイト
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今のアメリカって南北戦争の時のようだな、とふと思う。南北戦争というのは、奴隷解放を掲げたアメリカ合衆国の北軍が南軍と戦い勝利したのだけれども、その底流には産業の構造の変化、生産様式の変化があって、北と南の間のその亀裂による戦争でもあって、北部は南部の奴隷とされていた黒人の労働力を欲していた、というのは世界史の教科書にも確か載っていた。その上の流れと底流での構造的な変化のあり様が今も昔も変わらない。

日本では、明治維新の後、アメリカの南北戦争をなぞるかのように戊辰戦争から西南戦争が同じように起こり、今、アメリカの白人の特権に異議が唱えられているように、薩摩と長州以外の武士の特権が日本では無くされていった。

21世紀のアメリカでは、国境線にトランプ氏によって壁が築かれてきたのだけれども、国の境を越えてきた彼らは、いっしょに働き、この国を支えている親しい隣人だと思う人もたくさんいるのではなかろうか?

次期大統領とされるバイデン氏は環境問題の対応を重視する新しい産業を興すべく、グリーン・ニューディール政策を主張し、個人の税負担を軽減し、企業への課税を増す考えだそうだ。バイデン氏の次期大統領のニュースを受け、企業増税の政策にも関わらず、アメリカの株式市場の株価は上昇していった。

いまだに原発を稼働すると言っている既得権者がいて、まずは自助だ、共助だ、という政府ではあるのだけれど、あとを追って、日本にも変化の時がやってくるような気もします。
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アメリカ大統領選後のアメリカをTwitterとかで見ているとボビー・チャールズの"Small Town Talk"を思い出します。意訳してみました。

♪♪♪
それはただの噂話
他の誰かが好きなようにやっているのを耐えられなくなった人たちの
すべては与太話
気にしちゃいけない、一言も信じちゃいけない、いつでも、そんな話が聞こえても

聞いたことすべてが信じられない
見たことの半分も信じられないっていうのなら
誰かを信じたいっていうのなら
きみはぼくを信じるべきだよ

すべては嘘の噂話
本当のことといったら、思ったことがはねかえってきているだけなのさ
小さな町の噂話
いっぱいの嘘のお話で、自分が沈んでいくのもわからずに、みんなは頭がおかしくなっていく

ぼくたちはたった二人だけでいっしょに生きていって
何かをしなくちゃいけないのさ
誰が他人を裁けるのかい?
それは人を傷つけるだけなのさ

それはただの噂話
他の誰かが好きなようにやっているのを耐えられなくなった人たちの
すべては与太話
気にしちゃいけない、一言も信じちゃいけない、いつでも、そんな話が聞こえても♪♪♪

ボビー・チャールズってやさしいやつだなぁ。10年くらい前に逝ってしまったけれど、ひとりぼっちを楽しみながら、空の上から歌ってくれているのではないかしら?

BOBBY CHARLES - Small Town Talk
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こんな夢を見た。ぼくは付き合ってくれないか、とある人に告白したらしい。電話で彼女の声を聞いている。その人の、なんだか変なんだよ、自分でもよくわからないんだよ、急に冷めちゃったんだと、えいちゃんのこと好きなんだけどね、という声を古い電話の受話器で聞いている。彼女は長々と永遠につづくかのように、同じことを話していて、ぼくはその声を聞いている。ぼくはどう答えていいのか、分からないでいて、その声をずっと聞いている。

そこで目が覚めた。もの悲しさがぼくの心に残り、10ccの"Don't Hang Up"が思い出され、耳に響いてくるのでした。

10cc - Don't Hang Up (vinyl)
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横須賀美術館に行って来ました。企画展は開催されていなくて、横須賀美術館の収蔵作品展のみでした。たくさん日本を描いた昭和以降の絵画を見ていると、なんとも不思議な懐かしいみたいな気持ちになりました。山口猛彦の「雨」という絵にはびっくりしました。昭和16年の雨降る都会の街頭の絵なのですが、普通の街なのです。この後の4年間で日本と日本人は戦争で何もかもを失い、日本という国すらなくなってしまう。

この美術館にに訪れたくなるのは、季節季節に展示替えをしている谷内六郎館があるからです。懐かしい叙情と子どもたちのつかの間の幻想に、しばしぼくは立ち尽くします。

横須賀美術館 所蔵作品

谷内六郎館 谷内六郎〈週刊新潮 表紙絵〉展「ふくらむイメージ、あふれるユーモア」
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内田樹さんの「日本習合論」を読みました。

Wikipediaによれば、習合(しゅうごう)とはさまざまな宗教の神々や教義などの一部が混同ないしは同一視される現象のこと、シンクレティズム(英:Syncretism)の一種、ということだそうですが、何冊も内田樹さんの本を読んで、内田さんの論じる良き日本と良き日本人、美しき日本と日本人は、ぼくの思う日本や日本人とても近しいように感じています。

この内田さんの本を読みながら、芥川龍之介の「神々の微笑」という小説と、その小説を解説しながら、日本国憲法、とくのその第九条を擁護する柄谷行人さんの「日本精神分析」を思い出していました。

日本が習合を無くした時に、もっとも悪い方に進み行き、すべては失速し、世界の友だちなどの何もかもを失うのではないでしょうか。






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外崎春雄監督の「鬼滅の刃」を見ました。満員の映画館で映画を見るのなんてひさしぶりです。右にティーンエイジャー、多分、ローティーンの女子たちがいて、左にお母さんに連れられた小さな女の子が座っておりました。

主人公は炭焼きの少年で、額に聖痕のようなあざがあります。炭焼きといえば柳田國男が大正時代に書いた「山の人生」を思い出してしまいます。

夢のまわりに無意識があり、その中に精神の核が浮いているという話など、なかなかアバンギャルドなアニメで、夢と現実が折り重なり、大正時代という設定もあって、わけがわからないところも多々あり、1970年代や1980年代の「アングラ」とか呼ばれた演劇を思い出しました。気づいたものたちは夢から覚めて、鬼たちと戦わなくてはならない?

左にいた小さな女の子は、途中、結構、退屈しているようで、あと何分、とお母さんに聞いていたりしてましたよ。ぼくは泣けなかったけれど、右にいた女子たちはラストシーンでシクシクと泣いているようでした。大正時代の設定であるにも関わらず、映画の物語の不思議は、今の時代の状況をくっきりと映し出しているようでもあるのです。シクシクと泣いている女子たちに、何か、正義が叶わないような深い葛藤があるのかもしれない、などとぼくは思っていたのです。

こんな映画にも泣けないぼくの心が、どこか、かわいてしまっているような気もし、若い魂がうらやましい。これから、ぼくは若返るぞ。

劇場版「鬼滅の刃」 無限列車編公式サイト
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プロフィール
HN:
えいちゃん
性別:
男性
職業:
S.E.
趣味:
音楽
自己紹介:
音楽を演奏したり聴いたりするのが好きです。
歌ってしまいます。そしてギターも少々。
Sam CookeやOtis Reddingなど古いR&Bが好きです。
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