えいちゃん(さかい きよたか)
えいちゃんのぶろぐ
藤沢の遊行寺の本堂でProject Nxyによる白石征さんの作、金守珍さんの演出、水島カンナさんの構成の『女歌舞伎「小栗判官と照手姫~愛の奇蹟~」』を見ました。現代的でもある『女歌舞伎「小栗判官と照手姫」』は伝統的でもありながら初々しい。古い日本の物語が若い力によって今に伝わっていくことが嬉しい。構成も手がけている水島カンナさんの演ずる餓鬼阿弥が登場し、それは変わり果てた小栗判官の姿で、「一引き引いたは千僧供養、二引き引いたは万僧供養」の照手姫の言葉とともに霊験あらたかな熊野の湯への旅に出立し、ぼくの胸は熱くなる。
「小栗判官照手姫」は元は説教節の「をぐり」で歌舞伎や浄瑠璃にもなっている古い物語で、日本の古い物語の中でぼくが一番に好きな物語でもあるのだが、これの能楽がないのはどうしたことか? あぁ誰か、新作能の「小栗判官照手姫」を作ってはくれまいか。いつか歌舞伎や浄瑠璃の「小栗判官照手姫」も見たく存じます。それから、何十年も前に見た、この前に亡くなった遠藤啄郎さんの演出した横浜ボートシアターの『小栗判官・照手姫』も忘れられない。
芝居の鑑賞の後、寺内にある小栗判官と照手姫の墓に行き、手を合わせました。照手姫の墓を枝垂れた白い梅が飾っておりました。そこで一句です。
照手姫枝垂れた白い梅の夢
あっ、忘れていた、今日はぼくの誕生日でもあった。踊念仏の一遍上人、時宗のここは総本山で、さっき公演のされていた本堂にお参りし、御佛籤をひけば大吉。
「そのかみは
幾代経むらむ
便りをば
千歳もここに
まつのをのてら
善因善果の御先祖様以来の長い功徳によって前途に幸福が約束されています
この幸運を逃すことなく酒色をつつしみ慈愛と和敬の心を保ちましょう
運勢 大吉」
ゆめゆめうたがふことなかれ
青森を旅した時に読み始めた太宰治の『津軽』を読了しました。これは太宰の故郷への愛に溢れた名作です。物語というものには、ほぼすべて、「起承転結」と「序破急」の二つの構造があるといはれていますが、この『津軽』の「序」で、限りなく長く太宰の故郷である津軽への愛が語られ、それに続く「破」と「急」の流れが小説として最高に美しい。太宰治の小説はその語彙とエクリチュールの豊かさによって、やはりとても面白くて、ぼくを惹き付けます。この小説が発表された1944年、昭和十九年、敗戦一年前、谷崎潤一郎は『細雪』を執筆し始め、三島由紀夫はデビュー作の『花ざかりの森』をものにしています。『津軽』を含めて、それぞれの当時の軍部への抵抗のようでもあるのです。
カテゴリー
最新コメント
最新記事
(11/11)
(11/09)
(11/08)
(11/08)
(11/07)
(11/05)
(11/04)
プロフィール
HN:
えいちゃん
性別:
男性
職業:
S.E.
趣味:
音楽
自己紹介:
音楽を演奏したり聴いたりするのが好きです。
歌ってしまいます。そしてギターも少々。
Sam CookeやOtis Reddingなど古いR&Bが好きです。
歌ってしまいます。そしてギターも少々。
Sam CookeやOtis Reddingなど古いR&Bが好きです。
ブログ内検索
最新トラックバック