えいちゃん(さかい きよたか)
えいちゃんのぶろぐ

上野の鈴本演芸場で令和六年八月上席昼の部です。
見た演目を書き出してみます。前座の柳家小じかくんの「無学者論」、二つ目の林家あんこくんの「二人旅」、ストレート松浦さんの曲芸、五明樓玉の輔師匠の「マキシム・ド・のん兵衛」、桂ひな太郎師匠の「太鼓腹」、ロケット団のお二人の漫才、林家たけ平師匠の「なす娘」、入船亭扇遊師匠の「一目上がり」、林家八楽師匠の紙切り、古今亭文菊師匠の「そば清」で仲入りです。伊藤夢葉さんの手品、林家つる子師匠の「片棒」、隅田川馬石師匠の「鮑のし」、柳家小春さんの粋曲、主任は林家しん平師匠で「ちりとてちん」につづき、骸骨の着ぐるみを来てかっぽれを披露してくれました。
今日は夏休みの始まったお母さんとかお父さんに連れられた小学生の姿もちらほら。林家しん平師匠のかっぽれはなかなか下品な踊りで、小学生の女の子が見れないように、師匠はトラウマにならないようにお子さんの目を手でふさいでくださいと頼んでおりましたな。不気味、馬鹿馬鹿しく、下品な踊りに笑いましたが、師匠はここは大人の社交場ということで勘弁してくださいなどと前口上しておりました。
紙切りの林家八楽師匠から思いがけずに文金高島田の花嫁さんの切り絵をいただき、ありがたくも、うれしい。
寄席はパラダイスなのです。


アレクサンダー・ペイン監督の『ホールドオーバーズ 置いてけぼりのホリディ』を見ました。アメリカの全寮制の高校の寄宿舎にクリスマスシーズンにそれぞれの理由から家に帰れずに取り残された三人、先生と生徒、食堂の料理長のお話でした。なんだか1970年代の日本映画のようで、不思議とノスタルジックな気持ちになってしまい、映画を見ながら、なんだか、自分の高校時代を思い出したりもしていました。それはもちろん1970年代のたかが数十年前の話なのですが、歴史というのは、いろんなところで、いろんな風に、同じことが起こっている、そういうことなのかもしれませんぞ。なんだか、とても暖かい気持ちになる、そんな映画でした。
『ホールドオーバーズ 置いてけぼりのホリディ』公式サイト




上野の鈴本演芸場へ令和六年七月下席昼の部を見に馳せ参じました。
見た演目を書き出してみます。前座の柳家しろ八くんの「元犬」、二つ目の柳家小ふねくんの「牛ほめ」、翁家勝丸師匠の大神楽、三遊亭歌扇師匠の小噺、柳亭こみち師匠の「茗荷宿」、ロケット団のお二人の漫才、桂ひな太郎師匠の「三方一両損」、三遊亭白鳥師匠の「おばさん自衛隊」、のだゆきさんの音楽パフォーマンス、柳家さん喬師匠の「お菊の皿」で仲入りです。ホンキートンクのお二人の漫才、柳家はん治師匠の「妻の旅行」、隅田川馬石師匠の「鮑のし」、ダーク広松さんの奇術、主任は柳家三三師匠の「粗忽の使者」。
印象に特に残ったのは、この前落語協会の理事長になられた柳家さん喬師匠の「お菊の皿」で、ぼくはいろんな「お菊の皿」を聴いたことがありますが、柳家さん喬師匠の「お菊の皿」の王道のような話しっぷりに大満足。それから、柳家三三師匠の「粗忽の使者」の大爆笑。
寄席はパラダイスですな。


伊豆の松崎町に旅をしました。松崎町を流れる那賀川の上流で渓流釣りができるというのを聞いたのです。
三聖苑という古い明治の建物の残されているところで身支度を整え、毛鉤を出しながら川を上っていく。途中で知らない男の人にもっと五百メートル先のポンドとなっているところに魚がいついていますよ、とアドバイスを受け、上っていく。不思議なことにその人は、数年前に山梨県のヘルシー美里というところに泊まったときに出会ったその人でもあるような気がして、妙なな気持ちになりました。そのひとは、ぼくにとってユングのいうところの影のような存在か、むしろぼくの方がこの世界のあらぬ存在である影かもしれぬなどと妄想をたくましくしてしまいます。三時間ほど釣り上り、結果はボーズ(一匹も釣れないこと)でしたが、水の中を走り逃げる小さな魚は少なからぬ見たし、あの人が教えてくれたところに魚はたまっていたようにも思います。
泊まりはいつもの夕日のきれいな伊豆まつざき荘。夕食は伊勢海老、さざえ、あわびで贅沢な美味しさです。伊勢海老の頭を使った味噌汁が濃厚で美味しい。温泉風呂に入り部屋に戻るとき、どこかのお母さんと小学生の男の子が卓球部屋で卓球をしています。幸福とはこういうことをいうのではあるまいか、などと思います。
翌日もフライフィッシングです。昨日よりもさらに上流に車を走らせ、那賀川から池代川と名前を変える集落のところまで来ました。見回せばあたりにはわさび田もあるような村でございます。昨日と同じく帽子に遊漁証をくくりつけさらに上流にと釣りながら歩いて上がっていきます。魚が毛鉤を追う姿もはっきりと何度か目にしました。すると知らない女の人がぼくに大きな声で、なにやら白い紙のものをふりつつ、これ落としていないですか、と声をかけてくれます。車の近くにあったそうで、わざわざぼくの落とした入漁証届けに来てくれたのでした。釣果はこの日もボーズでしたが、思いがけずに人の心の暖かさ、善意と人情にふれて、ぼくは嬉しかった。その嬉しさを胸に家に向かって、帰ってまいりました。


久野瑶子監督、山下敦弘監督の二人の監督による『化け猫あんずちゃん』を見ました。このアニメーション映画は「ロトスコープ」という手法を使って、制作されており、山下敦弘監督がまずはじめに実写版の映画を撮り、それを特殊な技術でアニメ化していくということだが、そのアニメはとてもリアルでありながらも美しいものでございました。
主人公の化け猫のあんずちゃんは南伊豆の架空の町の寺に、小さいころに住職に拾われて、住み着いた猫で、三十歳を越えたころから化け猫になり、人間の言葉をしゃべり、人間のように二足歩行をし、バイクにまたがり、お客さんの家にマッサージをしに行くという仕事もしていて、まったくかわいさのかけらもないけれど、そこもいい。そんな寺に、昔、家出した後取り息子が年を経て、子どもの女の子を連れて帰ってくるところから、この映画の物語は始まります。思いっきり変な映画だけれども、なかなかよかったです。小学生の女の子の化け猫と過ごす夏休みの一幕は忘れられない永遠の夏となったようでもあるのです。
映画『化け猫あんずちゃん』公式サイト


へティ・マクドナルド監督の『ハロルド・フライのまさかの旅立ち』を見ました。イギリスを南から北へと旅するロードムービーです。鈍色の曇った空の下のイギリスの景色が美しい。北の方まで主人公が歩を進めれば、そこは丘の向こうまで永遠につづくかのようなヒースの原野で、あたかもエミリー・ブロンテの小説『嵐が丘』の舞台のようでもあるです。原作はイギリスの作家、レイチェル・ジョイスの『ハロルド・フライの思いもよらない巡礼の旅』で脚本もその原作者が書いた。旅の終着でささやかな敬信による顕現がほのめかされる。こんな地味な映画がイギリスでは大ヒットしたそうで、イギリスの人たちって素敵だなと思いました。イギリスにはケン・ローチというどこにでもいる労働者階級の人たちに寄り添ったヒューマニティー溢れる巨匠がいるけれど、それをへティ・マクドナルド監督は受け継いでいるようでもあるのです。
映画『ハロルド・フライのまさかの旅立ち』公式サイト


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プロフィール
HN:
えいちゃん
性別:
男性
職業:
S.E.
趣味:
音楽
自己紹介:
音楽を演奏したり聴いたりするのが好きです。
歌ってしまいます。そしてギターも少々。
Sam CookeやOtis Reddingなど古いR&Bが好きです。
歌ってしまいます。そしてギターも少々。
Sam CookeやOtis Reddingなど古いR&Bが好きです。


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