えいちゃん(さかい きよたか)
えいちゃんのぶろぐ

東京ドームでTaylor Swiftのライブを見ました。Taylor Swiftのコンサートというよりも、Taylor Swift Musical Showでした。何せ、Taylor Swiftというとアメリカの大統領選にも影響を与える大スターで、当代稀有のスペキタクルなアメリカのエンターテイメントの最高峰を見た気がします。なんだか、昔、見た、メトロポリタン歌劇場でオペラ「ポギーとベス」をドキュメンタリーとして撮った映画を思い出しもします。そのようなスケールで、舞台の右端と左端にバンドの演奏するオーケストラボックスらしきものもあるのです。
オーディエンスのほとんどが10代から20代の女子。客席からの涙をためての彼女たちのコーラスが止まりません。すべてが感動的です。TaylorさんはMCで「ARIGATOUGOZAIMASU」と言っておられました。ぼくは心の中で「KOTCIRAKOSO ARIGATOU」。








絶対に見ようと思っていた奈良美智さんの青森県立美術館での展覧会『奈良美智: The Beginning Place ここから』を見に、青森を旅しました。
一番寒い、雪の季節にこの展覧会ひ見てほしいと美智さんはインタビューでおっしゃっていて、行けば、粉雪舞う僥倖でごさいます。
奈良さんの最新作「Midnight Tears」に胸をえぐられるような感動をおぼえました。奈良美智さんについて、ぼくは好きだとか、ファンというよりも、同時代を同じような気持ちで生きてきたかのような、並走者、同伴者のごときシンパシーすらすごく感じてしまいます。そうか、奈良美智さんは、ぼくより四つ年上なのか。青森に手作りで建てたというロック喫茶が美術館に再現されていて、その再現された喫茶店もしかしてバーでもあるその店に入ると、ぼくも若かりし頃にひとっ飛びするかのようなのです。
夜は古い居酒屋に行ったりもしました。津軽鉄道で乗り鉄もしました。夜は、テレビとかあまり見ずに、太宰治の「津軽」とかを読んでいました。
旅は楽しい。読んだ句、八つ。
バス走る吹雪舞えども滑りもせず
粉雪や白い広場で深呼吸
粉雪を舞い上げ進む列車なり
雪原に変わりし田圃にまた積もり
林檎の木々吹雪に負けじと立っている
真っ白だ吹雪で見えぬ真っ白だ
広きけり津軽平野は鈍色の下
雪道のしばれるに心清められ


ガッサーン・カナファーニーの著した小説『ハイファに戻って/太陽の男たち』を読む。この小説を始めて読んだのは高校生のころで、昨今のガザでのこともあり再読した。ガッサーン・カナファーニーはパレスチナ人であり、1972年に36才で車に仕掛けられた爆弾により殺された。
この小説集の中に生涯の最後となる中編『ハイファに戻って』を読み、そのラストの展開にヒューマニティと同時に戦慄のようなものをおぼえ、東大全共闘に対話を求めバリケードに乗り込んで行った後期の三島由紀夫のようだとも思った。小説『ハイファに戻って』のラストで、「祖国というのはね、このようなすべてのことが起ってはいけないところことなのだよ」につづき、パレスチナ人の苦しみと同時に、きっぱりと美しく、「パレスチナよ、永遠なれ」の言葉がこだまするかのようなのだ。感動した。
ハイファに戻って/太陽の男たち :ガッサーン・カナファーニー
