えいちゃん(さかい きよたか)

えいちゃんのぶろぐ

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園子温監督の「希望の国」を見ました。原発事故に生活と人生を翻弄された三組のカップルが主人公。

大矢直子の演じる智恵子がよかった。フェデリコ・フェリーニ監督の「道」に出てくるジュリエッタ・マシーナ演じるジェルソミーナを思い出した。この智恵子は高村光太郎の「智恵子抄」の智恵子なのかもしれない。智恵子の口癖は「うちにかえろうよ」。夏八木勲の演じる泰彦はいつもこう返す、「そうか、十分後にかえるよ」。

ラストの展開は中上健次の小説の物語世界を思い出した。

「希望の国」の希望だけれど、その希望は、たった一つの小さな遠くの星のようにほんの微かに光っているように思えたけれど、たしかに光っているのです。

http://www.kibounokuni.jp/
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町田のWest VoxでのセッションでDoorsの"Cars Hiss By My Window"を歌いました。Doorsのブルースです。Doorsには二人、作詞・作曲をする人がいて、一人はギタリストのRobby Kriegerで、も一人はボーカリストのJim Morrison。Jimの作った歌はどれもブルース臭くて、その白眉がこの今夜、歌った"Cars Hiss By My Window"。JimはUCLAの大学生のころ図書館に通い詰め、古いカントリー・ブルースばかりを聴いていたそうだ。

Jimは1971年に27歳の若さで逝ってしまう。JimはBob Dylanと並ぶロックの幻想的な詩人を呼ばれていた。最近のBobの素晴らしい音楽を聴くにつれ、Jimにも生きていて欲しかった、すばらしい詩を吟じ、Jimにしか歌えないブルースを歌っていただろうと思うのです。

(不道徳な)Jim MorrisonのブルースとDoorsの音楽はアメリカの自由の精髄だと思う。

The Doors - Cars Hiss By My Window

http://www.youtube.com/watch?v=QpPB6DRUIWo
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会社が赤坂にあり歩いて行ける距離ということもあり、金曜の夜は会社帰りによく首相官邸前あたりやら国会議事堂前やらに脱原発のための抗議集会に行ってみる。近ごろは人も少なくなったがちゃんと続いています。

抗議の人たちのその人ごみにまぎれていると、ぼくも含めてのみんなが砂粒の集まりのように見えてきて、ぼくは、昔、見たフェデリコ・フェリーニ監督の「道」という映画のあるシーンを思い出した。ジュリエッタ・マシーナ演じるジェルソミーナがリチャード・ベイスハート演じる綱渡り芸人に、私に生きている意味はあるのかな、と問いかける。綱渡り芸人は道に落ちていた石をひょいと拾い上げ、こんな石でもそこにある価値はあるんだよ、と答える。その石をわたされたジェルソミーナは輝く瞳でその石を見つめる。そんなシーンだった、と思う。この映画は必見です。

その石が金曜の夜の人たちにあわさり、一つ一つでは力のない砂粒にも、むしろそこにある価値はあって、それが集まっているのだ、と思う。綱渡り芸人が言うようにすべてのものが価値があるとしたならば、東京からは見えないところにある原子力発電所の価値とは、電気を作ることではないのではないか、ましてや核爆弾の元を作ることなどでもなく、何か別のことではないか、と思いをめぐらすと、言葉にならない答えが近づいているようにも感じるのです。

さて、明日(2012年11月11日(日))の午後三時からの国会周辺での抗議集会はいろんな人が集まってくるだろう。集まろう! そんな人たちの胸の奥で歌われるとうれしい歌がぼくの心に空から降りてきて、それに「砂つぶと石ころ」という題を付けた。こんな詞を初期のボブ・ディランやウッディー・ガスリーを聴きながら読んでみてください。


-砂つぶと石ころ-

みんな砂粒みたいだよ
おじいちゃんとおばあちゃんがいて
パパやママや子どもたち
叫び声はいつのまにか
誰かを呼ぶ声になった
そして、ちりぢりになって
夜ふけの街なみに消える

ぼくは石ころになった
石ころだからころがるよ
でこぼこ道に雲が出て
坂道、夜道、遠回り
だけど、打ちつけないでおくれ*
こなごなになってしまった
真夜中の森の中、消える

ぼくたち、空に放ってもいいよ
きっといくつも星になって
暗いこんな夜空も輝く
誰も迷子にならないよ
みんなは遠くに光っている
どこからだって聞こえるよ
遠い夜空から歌う

みんな、砂つぶみたいさ
石ころみたくころがった
みんな、ひとりぼっちみたいさ
友だちがいるよ
きっと、きみのすぐそばにいるよ

明日の朝になったなら
また、満員電車にゆられている
きみはみどりのタクシーを流し
知らない誰かを乗せている
いつも大丈夫、大丈夫だよ
今度の土曜の朝には
ま新しい歌を歌ってあげる


★11.11反原発1000000人大占拠
http://coalitionagainstnukes.jp/?p=1275
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町田の万象房でやぎたこを見ました。やぎたことはやなぎさんと辻井貴子さんのユニットで1920年代や1930年代のウッディー・ガスリーやカーター・ファミリーのフォーク・ミュージックを中心に17世紀の古いアイルランド民謡や19世紀フォースターの名曲、ボブ・ディランらの楽曲までを、ギター、アコーディオン、ダルシマー、フィドル、バンジョー、オート・ハープなどを持ち替えて、男女のコーラスで聞かせます。

すばらしかった。オールド・タイム・グレート・ミュージックって感じ。

オールド・タイム・グレート・ミュージックって何かというと、難しいのだけど、何か、音楽って個性を競うあうようにして発展してきたかもしれない。けれど、その個性ってやつが近頃の音楽をひどく貧しいものにしているような気もするのです。オールド・タイムのミュージックって個性とか越えていて、直接、心に響くような今日このごろなのです。詠み人知らずの名歌がたくさんあって、それは誰の歌でもない、みんなの歌で、誰でもの歌でもあるようなのです。

そう、今日のやぎたこのギグ、アンコール前にやったラストの二曲、Pete Seegerの"We Shall Overcome"とWoody Guthrieの"This Land Is Your Land"に歌の心がびんびんこちらに伝わってきて、朴訥なメッセージの中に静かな怒りを感じてしまって胸が熱くなりました。

共演のにしやん、いつになく場の空気になじんでいい感じ。声をかけてくれてありがとう。


やぎたこのホーム・ページ
http://homepage2.nifty.com/m-yanagi/yagitako/top.htm
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オリヴィエ・ナカシュとエリック・トレダノのふたりの監督による「最強のふたり」というフランス映画を見た。パラグライダーの事故で半身不随になってしまったフランスの大金持ちとそこで介護人として雇われたスラム出身の黒人青年の友情物語でした。正統派の人間ドラマの映画の作りに1960年代や1970年代の山田洋次監督などの家族向けの日本映画を思い浮かべる。フランス発のヌーベル・バーグって何だったんだろう。心温まるストーリーは実話をもとにしているという。すばらしいです。

病気とかって何だろうと思い、すると、アルジェリア出身の黒人の精神分析医であるフランツ・ファノンの言葉を思い出した。その内容は、黒人であることは病気などではない、私に病人の謙譲さなどを求めないで欲しい、私はただの人間だ、というようなことだったと思う。そして、ファノンはさめざめと泣き始める。

話は映画に戻り、フランスの金持ちってどこまで金持ちなんだよって思ったけれど、この映画の中の二人にはお金などでは決してあがなえない大切な何かがあるのです。

フランス映画、健在なり。

http://saikyo-2.gaga.ne.jp/
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生誕百年はロバート・ジョンソン、ウッディ・ガスリー、ライトニン・ホプキンス、そして、ジョン・ケージ。彼らはみな十代のころ、スコット・フィッツジェラルトのジャズ・エージのアメリカの夢と狂乱、大恐慌によるその夢の崩壊を経験したのだろうか。気のふれた娘、ゼルダを胸の奥にすまわせて、反逆者の荒野を歩いてゆく。
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今度の土曜日、十月二十七日の夜八時から小田急相模原のかっこいいライブバー、スクールオブロックで歌っていますよ。そして、日曜日、二十八日の夕方六時からは同じく小田急相模原のあったかなおもしろい雑貨屋さん、エルトピートで歌っていますよ。土曜日の夜はオリジナル中心で、日曜の夕方はカバー中心で歌いたいと思います。あそぼー!

スクールオブロックのページ
http://blog.goo.ne.jp/ryusisekine

エルトピートのページ
http://www.el-topito.com/

ぼくのライブ予定
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プロフィール
HN:
えいちゃん
性別:
男性
職業:
S.E.
趣味:
音楽
自己紹介:
音楽を演奏したり聴いたりするのが好きです。
歌ってしまいます。そしてギターも少々。
Sam CookeやOtis Reddingなど古いR&Bが好きです。
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