えいちゃん(さかい きよたか)

えいちゃんのぶろぐ

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熊本の地で永い間、田中正造の思想を研究されている大学の先生でおられる小松裕さんの著した『真の文明は人を殺さず 田中正造の言葉に学ぶ明日の日本』を読みました。人の作り出した二酸化炭素のもたらした熱波によって、地球上のどこかの森が焼けていくこの今の地球に、田中正造の思想は確かに読み返されるべきだとも思いました。田中正造のもっとも有名な言葉です。

「真の文明は 山を荒らさず 川を荒らさず 村を破らず 人を殺さざるべし」

みなさまもどこかで聞いたことがあるのではなかろうか? この本で知った田中正造のこんな言葉にもぼくは実際、驚き、畏怖してしまう。

「吾常に語るに、世界人類はもちろん、鳥獣虫魚貝山川草樹、およそ天地間の動植物は、何一つとして我に教えざるなければ、これ皆我良師なり」

田中正造翁は晩年に渡良瀬の公害問題に奔走していた生涯を「一夢のごとくして」と述懐し、「愛」ということばの書を友人に送ったという。







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竹内結子さんの主演した映画「今、会いにいきます」は素敵な映画で、ぼくは封切の時に見て、とても感動したのだった。この映画のストーリーが竹内さんの人生とだぶってしまう。ぼくは、人の知らないどこかで去っていく人を、どうのこうのと言えるようなものでもないのだけれど、四十年という彼女の人生はあまりに短かったな。寂しいです。

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真鶴半島を散歩しました。








三島由紀夫の「潮騒」の舞台が三重の神島ではなくて、この小さな半島、真鶴であってもいいなどといつしか思っていました。海を見て、歩いていると、三島由紀夫にその作品がどことなく似ているようにも思われるジャン・コクトーの短い詩が思い浮かばれます。堀口大學の名訳で。

私の耳は 貝の殻
海の響を懐かしむ
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町田市立国際版画美術館で「西洋の木版画 500年の物語」展を見ました。

聖書やキリスト教の本の挿絵として、初めは発展して来た、ヨーロッパやアメリカの木版画はその本の挿絵としての役割を銅版画にゆずり、木版画そのものの美術として発展してゆく。挿絵が木版画が銅版画が変わっていく狭間でのリチャード・ドイルの妖精の絵本の挿絵がとても素敵でした。

その頃、日本からたくさんの浮世絵が輸入され、美術界を揺るがしもする。黒色を大胆に使ったフェリックス・ヴァロットンの作品の形は浮世絵というより花札の図柄を思い起こさせるもの。

ポール・ゴーギャンの版画も見ることができた。けれど、ぼくは、ある時、ゴーギャンがタヒチを描いた絵にはどうして女たちばかりで男たちは出てこないのかという論考を読んで以来、これらの南の国の楽園などはなかった、その南の国の楽園はゴーギャンが彼の心の中に作ったもので、それを描いたものだあったと思ってしまう。ゴーギャンの罪深さは植民地主義の問題も内包しているのではないかしら。絵は心で感じるものではあるけれども。

などと思いながら、来た順路をさかのぼり、ぼくは再び、リチャード・ドイルのかわしらしい妖精の版画を見に戻っていました。

西洋の木版画 500年の物語 | 展覧会 | 町田市立国際版画美術館
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ベンジャミン・ターナー監督とゲイブ・ターナー監督による共同監督での「メイキング・オブ・モータウン」を見ました。1960年代にヒットチャートの上位をビートルズとともに分け合ったデトロイトの音楽レーベルの「モータウン」の会社がデトロイトにあって、ロサンゼルスに本所地をまでのドキュメンタリーです。

社長のベリー・ゴーディと副社長のスモーキー・ロビンソンがあのころの「モータウン」を楽しくしゃべくりあっております。このポップ・ミュージックに偉大なる貢献をしたお二人はとても元気で、仲が良い感じで、公民権運動の1960年代のことを思えば、音楽というジャンルにとどまってはいなくて、こういう二人のことを「朋輩」とか「戦友」というのではないかしら。

「モータウン」のアーティスト、スモーキー・ロビンソン&ミラクルズ、テンプテーションズ、マーサ&ザ・ヴァンデラス、シュープリーム、マーヴィン・ゲイ、スティービー・ワンダー、ジャクソン5らの歌う古い貴重なフィルムがきら星の如くに映画館のスクリーンに映し出され、すばらしい音楽が館内に広がっていく音楽映画であるとともに、この映画は「モータウン」という素晴らしい会社そのものを描いた映画ともなっています。あー、ぼくはこんな会社で働いてみたかったとも思ってしまう。なんだか、これから独立して新しいことを始めようとしている若い人たちに是非、見て欲しいとエンドロールを見ながら思っていました。旧友、ベリー・ゴーディについての音楽の何か特別のものを天から与えられたスモーキー・ロビンソンの言葉を紹介しますね。

「才能のある人間はいる。ただ、ベリー・ゴーディというリーダーはいない」

あっ、そうか、新しいことを始めるに、おいらも遅くはないか。

「メイキング・オブ・モータウン」公式サイト
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星野哲也監督の映画『ジャズ喫茶ベイシー Swiftyの譚詩(Ballad)』を見ました。岩手県の一関に「ベイシー」という古いジャズ喫茶があって、そこを追いかけたドキュメンタリー。

ジャズ喫茶「ベイシー」もかっこいいが、「ベイシー」のマスター、菅原正二さんが、さらに輪をかけて、かっこいい。菅原さんの「ジャズというジャンルはない、ジャズな人がいるだけだ」は名言だなぁ。この「ベイシー」という喫茶店、ある時、霊媒師がやってきて、ここにはいろんな霊が住みついている、お祓いをした方がいい、と言われ、菅原さんは一人も払わないでくれ、と答えたという逸話も残る。音楽の歴史のようなそこには、いろんなミュージシャン、それこそ、カウント・ベイシーからエリビン・ジョーンズ、安倍薫から渡辺貞夫、坂田明の面々、いろんな人がやってきているのを壁一面の書置きも物語っているのです。

ぼくも今夜はレコードで古いジャズを聴きましょうかね。

『ジャズ喫茶ベイシー Swiftyの譚詩(Ballad)』公式サイト
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渡良瀬の地の旅をしました。

昔から行ってみたいと思っていた足尾鉱毒事件田中正造記念館に見学をしに行きました。昔、相模原に住んでいたという初老の紳士から田中正造と足尾鉱山の鉱毒事件について丁寧な説明を受けました。内村鑑三の書いたぼくが何度も読み返した名著に「代表的日本人」という本があるのだけれども、そこに五人の日本人が取り上げられている。西郷隆盛、上杉鷹山、二宮尊徳、中江藤樹、日蓮の五人です。もしも六人目としてこの本に登場する人を明治以降の日本人から選べば、生涯をこの広い地、村々と人びととともに生きた田中正造が選ばれるのではないかいら。パネルの説明を受けながら、何度も同じ過ちを繰り返している日本人と近代が日本にもたらした病のようなものを思ってしまう。田中正造の没した 1913年(大正2年)9月4日からおよそ一世紀後のこの前の東日本大震災の時、廃坑となっている足尾鉱山の跡地から鉱毒が再び流れ出したというのです。


夕方の桐生の町をぶらぶら歩いてみました。人のいない古い神社、桐生西宮神社がいい風情でした。知らない町を歩くのもひさしぶりだな。夜も暮れぬころから居酒屋「左門」に入り、生ビールと日本酒をまぐろをつまみに飲みました。美味しかった。「左門」を出て、夜の小さな街を歩いていると「ヴィレッジ」というライブ・バーがあり、入ってみました。ぼくの知らないシンガー、我孫子智子さんのグループのライブの日でした。ジャズのスタンダードを中心にいろんな歌を演奏してくれます。知らない町で行き当たりで聞く生の音楽にいやされます。お店の内装に飾られた絵がまたいい。ひさしぶりにアイラモルトの名ウィスキー、ラフロイグのロックがおいしい。グラスには丸く削られた氷が入っていて、この店はできるな。ラストの曲はフランキー・ヴァリの歌ったスタンダード・ナンバーの名曲「君の瞳に恋してる」。楽しかった。




この旅の目的は鉄分補強だったのです。わたらせ渓谷鐵道を往復しました。わたらせ渓谷鐵道は渡良瀬川に沿って登ってゆきます。渡良瀬川では魚も住めるようになり、その流域は米も実るようになった。列車にゆられながら、いつのまにかうつらうつらしつつ、わしらのことを忘れんでくれてありがとなという苦しみを生きた昔に人の声を聞いたような気もしたのです。






桐生天満宮と宝徳寺に参り、帰って来ました。
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プロフィール
HN:
えいちゃん
性別:
男性
職業:
S.E.
趣味:
音楽
自己紹介:
音楽を演奏したり聴いたりするのが好きです。
歌ってしまいます。そしてギターも少々。
Sam CookeやOtis Reddingなど古いR&Bが好きです。
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