えいちゃん(さかい きよたか)

えいちゃんのぶろぐ

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島田裕巳さんの著した「浄土真宗はなぜ日本でいちばん多いのか 仏教宗派の謎」を読む。日本の仏教にはいろんな宗派があって、今にいたるまでをのそれらを歴史的事実から新書サイズで雑駁に解き明かした本でした。国家護持から個人の救済へと歴史は進んできた、天皇のための宗教から庶民のための宗教へと流れてきたと理解しました。その流れの中で古い宗派も古い宗派のままではいられなくなったということもありそうだ。ただ、この本にはそれぞれの宗派の信仰については何も切り込んではいない。味気ない教科書のような内容でした。改めて、身近にありながらよく解らない日本の仏教の宗派について知る、そのきっかけにはなりそうな本です。

今は考えを変えたらしいのですが、島田裕巳さんはオーム真理教を擁護していたな。亡くなった吉本隆明や中沢新一さんもそうだった。そのことをきちんと再考し、乗り越えなくては、思想家や歴史家、学者としては先にいけないと思うのだが。





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「現代 アウトサイダーアート リアル −現代美術の先にあるもの−」展を見に、原宿にあるGYRE GALLERYに行きました。どの絵も本当にすばらしくて、図録(のような本)も買ってしまった。その本にはとても重たい、いろんなことを考えずにはいられないような論考や対談も載っていました。

この前、このアウトサイダーという言い方が差別だとの議論をインターネットで見かけましたが、その前に本物の絵を見ようよとぼくは言いたくなってしまう。

この絵描きさんたちに障碍者だからという謙譲はいらないし、ぼくは、絵を見て、会ったこともない心の友だちになれればそれで良いのです。

「現代 アウトサイダーアート リアル −現代美術の先にあるもの−」展
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是枝裕和監督の『真実』を見ました。今回の是枝監督の最新作はフランスのパリに行ってのスタッフはフランス人に取り囲まれたフランス映画。フランスの二人の素晴らしい女優、ルイス・ブニュエル監督の『昼顔』、カトリーヌ・ドヌーブとレオス・カラックス監督の『ポンヌフの恋人』、ジュリエット・ビノシュ。パリを舞台にしたホーム・ドラマは、やっぱりいつもの小さな小さな物語。母と娘の二人にとりまく準主役の夫役のイーサン・ホークと子役のクレモンティーヌ・グルニエもとてもよかった。ジュリエット・ビノシュとイーサン・ホークとクレモンティーヌ・グルニエちゃんが本当の親子、家族にしか見えません。

是枝監督のいつもの控えめで細やかな演出、描写が、ぼくは大好きです。軽やかでどこか考えさせられるこの映画のラストでぼくは、心の奥の真実とか知っても、知らなくてもいいんだよって、すーっと心も軽く、胸は暖かくなりました。

是枝裕和監督作品 映画『真実』公式サイト - GAGA
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このまえ、新宿の末廣亭で落語を聴いて、花園神社に参り、おみくじをひきました。大吉なれど、ちときびしいこんなご託宣でございます。

「おみくじ 第3番

運勢 大吉

何事も思うようにならず不安ですが、意志を強くもち仕事にはげむことです。これを守れば幸運にめぐまれます。

「言」 人は名位の楽しみなるを知って、名無く位なきの楽しみの最も真なるを知らず。

教え 難儀なることは自分に為し易き事は人に譲るべきである。

天のみこえ 草も木も萌ゆるをみれば春風に動かぬものはなき世なり」

ゆめゆめうたがふことなかれ
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和田誠さんが亡くなられた。高校生のころからよく読んでいた雑誌「話の特集」の表紙の絵が和田誠さんでした。この表紙も楽しみしていました。この「話の特集」に登場するさまざまな分野の執筆陣のほとんどは和田誠さんの人脈だったそうです。地味だったけれど、自由な文化の発火点のような雑誌でした。

若いころのぼくの追いかけていた先輩世代の達人が次々に亡くなられ、とにかくさびしい。
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The Roling Stonesの"Exile On Main St."のアナログ・レコードを台風の日に聴きながら、やっぱこのアルバムはとてもかっこよくて、Keith Richardsがこのアルバムを"Beggars Banquet"と並ぶ、Stonesの最高傑作と呼んでいたのも思い出す。そして、この2枚組アルバムのジャケットも最高にクールで、"Cover photography + concept: Robert Flank"とクレジットにあるのです。

ぼくが、スイスからやってきてアメリカを撮りつづけた偉大な写真家、Robert Flankを知ったのもこのアルバムによる。すばらしい写真集のようなジャケットを眺めながら、レコードに針を落とし、Rock'n' RollとBluesを愛したイギリス生まれのやさぐれた異邦人の作品に浸っていくのです。

ここに紹介しているムービーは2枚組の1枚目の裏面のラストの"Loving Cup"です。大好きなラブ・ソング。意訳してみました。

♪♪♪
おれはただの山の男 のぼってこいよ
おれは谷に住むいなか者 どろだらけの顔をしている
エンジンをかけてもおれの車は動かない
つまずきよろめいて下手なギターしか弾けない

ちょっと飲ませておくれ
おまえの愛のコップから
たった一杯でおれはしこたま酔っちまう

おれは甘い夏の日の光の下、丘を歩く男さ
そんなものいらないとおまえはいうけれど、おれはおまえに薔薇の花束を届けよう
走ったり、飛び跳ねたり、釣りをしたりできるけれど、おれはけんかはやらない
もしもおまえが一晩中、おしたりひいたり、楽しみたいなら

ちょっと飲ませておくれ
おまえの愛のコップから
たった一杯でおれはしこたま酔っちまう

おれはおまえと今夜、焚火の燃えるここにいて
何かみすぼらしいし控えめだけれど
炎の踊るみたいなおまえの顔を見ている
もう一度、顔を近づけてキスをしているのを感じると
なんてすばらしく胸はざわついている 胸はざわざわしている
なんてすばらしく胸はざわついている 胸はざわざわしている
なんてすばらしく胸はざわついている 胸はざわざわしている

おれはシャツもぼろぼろの貧乏人
おまえと夜明けまでいっぱい豆をこぼしたいだけさ

ちょっと飲ませておくれ
おまえの愛のコップから
たった一杯でおれはしこたま酔っちまう♪♪♪







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坂口安吾の「堕落論」を読む。この新潮文庫版は何度目かの再読です。無頼派のエッセイ集。所収されている17編は、「今後の寺院生活に対する私考」、「FARCEに就て」、「文学のふるさと」、「日本文化私観」、「芸術地に堕つ」、「堕落論」、「天皇小論」、「続堕落論」、「特攻隊に捧ぐ」、「教祖の文学」、「太宰治情死考」、「戦争論」、「ヨーロッパ的性格、ニッポン的性格」、「飛騨・高山の抹殺」、「歴史探偵方法論」、「道鏡童子」、「安吾下田外史」。

読みながら、若いころこの本のピンときた文章に赤い線を引いた、その箇所を思い出し、自分の変わらなさを、それでよしと笑う。それは「続堕落論」にあるこんな文です。

「政治、そして社会制度は目のあらい網であり、人間は永遠に網にかからぬ魚である。天皇制というカラクリを打破して新たな制度をつくっても、それも所詮カラクリの一つの進化にすぎないこともまぬがれがたい運命なのだ。人間は常に網からこぼれ、堕落し、そして制度は人間によって復讐される」

かっこいいなぁ。

さて、新しい天皇となり元号も変わり、即位礼正殿の儀が行われるではないか。ぼくは陛下にぜひこれをお読みくだされと、この本を祝意をつくした贈答として差し出したいのです。






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プロフィール
HN:
えいちゃん
性別:
男性
職業:
S.E.
趣味:
音楽
自己紹介:
音楽を演奏したり聴いたりするのが好きです。
歌ってしまいます。そしてギターも少々。
Sam CookeやOtis Reddingなど古いR&Bが好きです。
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