えいちゃん(さかい きよたか)

えいちゃんのぶろぐ

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内田樹さんの著した『私家版・ユダヤ文化論』を読む。面白かった。「終章 終わらない反ユダヤ主義」は特に興味深く、難しい哲学の話にも関わらず、一気に読んでしまったけれど、これは反ユダヤ主義を称揚する内容ではなく、どちらかといえば、ユダヤ人の固有の文化性を褒め称えるような内容であった。

読みながら、昔、読んだ武田泰淳の『快楽』という小説を思い出していた。この小説では「快楽」を「かいらく」ではなく「けらく」と読む。俗世の「快楽(かいらく)」を抜け出すことこそ、仏弟子である僧侶の「快楽(けらく)」であるとしながら、主人公の若き僧侶は何度も躓くのだ。主人公は寺の御本尊に尋ねる。すべてを見通せている仏陀よ、なぜ、この世界を救ってくださらぬのかと。仏陀はすべてを見つつ、何も手をくださない。これはユダヤ人の神のようではないだろうか?

この本を読んでみようという動機として、内田樹さんがYouTubeでユダヤ人について、語りまくっている動画を見たことも大きい。『私家版・ユダヤ文化論』と動画で知らないことも知り、新しいものの見方を知った。ファシズムの起源はイタリアのムッソリーニではなく、フランスにあり、かの国のエドュアール・ドリュモンというジャーナリストの書いた蒙昧な大著『ユダヤ的フランス』であっとらしい。そこから、フランスはナチスを歓迎し、ビシー政権を作ったのではないかと動画は内田さんは指摘する。さらに動画での内田さんの指摘は過激といってもいいようなものにもなる。ドイツのイスラエル支持の隠された動機は、隣人としてのユダヤ人との共生を忌避したいがためではないか? イスラエルにいる正統ユダヤ教徒は、パレスチナを支持し、イスラエルを拒否し続けているともいい、アメリカ合衆国のユダヤ人も一枚岩ではない。

内田さんは、ユダヤ人であり敬虔なユダヤ教徒であり、現代を代表する哲学者であり、神学者でもありレヴィナスから直に教えを受け、薫陶を受けたという。神の後から来たという絶対的な有神論者であり、愛こそが報われることのない努めてであり、報われることのないからこそ他者への責務であるとする、世界中にいるユダヤ人とともに、今は、ぼくはガザで暴力が止むことを祈るばかりなのだ。

Amazon.co.jp: 私家版・ユダヤ文化論 (文春新書 519) : 内田 樹
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歌ってしまいます。そしてギターも少々。
Sam CookeやOtis Reddingなど古いR&Bが好きです。
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