えいちゃん(さかい きよたか)

えいちゃんのぶろぐ

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山中湖にドライブに出かけた。道志道から山中湖に向かい、富士山を雲で隠した山中湖に着き、徳富蘇峰館に隣接する一番の目的のいつか訪れてみたいと思っていた三島由紀夫文学館に行っみたのです。


壁一面に飾られた三島由紀夫の著した単行本を見ると、それはそれは多彩、多作な人気作家だったことを実感した。隣の徳富蘇峰館の企画室では「転生する詩的宇宙 ~ 21世紀文学としてのMISHIMA ~」が会期延長されて開催されていた。なんと、遺作の「豊饒の海」と同じ題の詩集を三島は敗戦直後の昭和二十一年に発表しようとしていて、原稿用紙の表紙扉のみ残っていて、詩そのもは散逸したか何かで残されていない。「豊穣の海」が詩としてではあるけれども、こんなにも初めから構想されていたことに驚く。その「豊穣の海」が、月の裏側にある大きな一滴の水もない干からびた海であることを聞かされた日本文学研究者のドナルド・キーンは戦慄をおぼへ、鳥肌がたったといい、詩人の高橋睦郎は三島を巨大な虚無だという。あの三島の起こした事件と自死の後、その事件を多くの文化人や政治家、三島が懇意にしていた自由民主党内の右翼の側に立つ人たち、石原慎太郎、中曾根康弘らも含めて、狂気の沙汰だと無視をしたらしい。ぼくの知るところ、二人の作家のみがあの事件について真摯に応えている。武田泰淳の「富士」と大江健三郎の「みずから我が涙をぬぐいたまう日」。何かに急きたてられるかのように、短い生涯で物語を書き続け、その虚無か何かを逃れようとしてなのか、物語の主人公であろうともした人、三島由紀夫。

山中諏訪神社でお参りをし、ほうとうを食べ、三国峠の峠道の方から帰ってきた。


帰ってくると東京都の新型コロナウィルスの感染者が286人、神奈川県では48人だとテレビのニュースをしていた。首都圏からの県をまたいだ行き来は自粛を要請されて当然かもしれない。でなければ、あの数週間前の自粛は何だろう、ただの政治のパフォーマンスだったとなりはしないか? その自粛には粛々と従うとしても、たまに行く下部温泉の旅館がつぶれてしまわないか心配だ。

文を書くアクティビストでもあった三島由紀夫。未知のウィルスがはびこり、毎年、災害に見舞われ、腐敗している政治、そんな今に、生きていれば三島由紀夫は何を書いただろう?

三島由紀夫文学館**Mishima Yukio Literary museum**




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音楽を演奏したり聴いたりするのが好きです。
歌ってしまいます。そしてギターも少々。
Sam CookeやOtis Reddingなど古いR&Bが好きです。
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